神奈川フィルハーモニー演奏会 シュナイト指揮
ハンス・マルティン・シュナイト指揮神奈川フィルハーモニーによる「シュナイト音楽堂シリーズ」
今シーズンはシューマン・シリーズで、前回はかわいいプティボンと重なり聴けなかったもの。
このコンビのドイツものは、必聴ゆえ、午前中仕事をこなし、万全を期して横浜へ。
生憎の雨と、ど渋いプログラムもあって、今日の県立音楽堂は約7割の入り。
めったに演奏会では聴けない二つの円熟ロマン派音楽なのに、もったいない!
ブラームス セレナード第2番 イ長調
シューマン 交響曲第2番 ハ長調
ハンス=マルティン・シュナイト指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
(5月10日 神奈川県立音楽堂)
ビオラ、チェロ、コントラバス、木管、ホルンというユニークな編成によるブラームスのセレナードは、若書きとはいえ、どこをとっても我々が思い描くブラームスの音世界。
その楽器編成ゆえ、音楽は普通に喋る人声のようで、声高なところがいっさいなく、極めて落ち着き、かつマイルドなものである。
ゆったりとしたテンポをとったシュナイト師の指揮は、ほのぼのとした響きと深い呼吸を神奈フィル・メンバーから導き出していて、聴いていてほんとに気持ちがのびのびとしてゆく思いだった。ビオラのアンサンブルにやや難ありながら、木管がカバーしていたし、細かなことを気にせず、大らかな気分で楽しめた。
田園風景を彷彿さえるかのような1楽章と、ピッコロの活躍する終楽章がとりわけ楽しい。
休憩後は、シューマン。
同じ2番の洒落たプログラム、のどかなブラームスのセレナードに比べ、何と晦渋で渋い趣きを持つことか。出だしの序奏の部分でそう痛感した。
日頃聴いているCDでも、2番はいずれもそういう、くすんだ印象が先行する曲だ。
ところが、この日のシュナイト&神奈フィルは、主部が始まると、それはそれは活気と推進力に満ちたもので、音はきらめきすら感じてしまった。テンポも心持ち速めでノリが良い。
前半降り番で、張り切るコンマスの石田氏の大きなアクションが、弦を中心に全体を引っ張っていて、どうやらそのあたりに要因がありそうだ。
そこに、シュナイト師の南ドイツ気質が混ぜ合わされ、稀なるシューマン演奏となってゆくのだ。
2楽章のユニークなスケルツォも同様に、一気呵成。最後の音が鳴り終わって、その響きが緊張感とともにホールに「こだま」したものだ。
そして、美しかったのが3楽章。よくよく聴けば、同じ単純な旋律が各楽器で橋渡しされているだけだが、どうしてこんなに美しいのだろうか。シューマンの歌に対する天性の素晴らしさにちょっと感心。そんな場面をここでは、じっくりとしたテンポを設定し、実によく歌っていた。楽章が始まる前の、アウフタクトで、シュナイト師は「歌うように」との指示を指揮棒を置いた右手で出していたのが印象的。ヴァイオリンがともかく美しい。
そして、終楽章で今日のシューマンはものの見事に決まった!
明るく決然とした響きに強力なカンタービレ、今まで聴いていた2番は一体なんだったのだろうか、とドキドキしつつティンパニ(見事だった)の連打による大団円を迎えることとなった。ホールは、4楽章では、熱気につつまれそこここで、体を揺らす人、指で拍子を取る人などが見受けられた。ご一緒したyurikamomeさんのお話では、涙をぬぐうご婦人もいらっしゃったとか!
盛大な拍手とブラボー。シュナイトさんも楽員も満足で上機嫌の面持ち。
シューマンの新たな面を垣間見させてくれた、素晴らしいコンサート。
至福の土曜の午後であった。
その至福は、アフターコンサートでの歌声聞こえる居酒屋「一の蔵」での楽しい語らいで倍増されました。先生、yurikamomeさん、どうもお世話さまでした。
毎度ながら、ちょっと飲み過ぎ。でもいいお酒だから、今朝も快調。
早く起床し、仕事で狭山・川越まで車で高速を飛ばして、ただ今帰還。
シューマンの響きが頭をかけめぐりつつ、ちょうどよいドライブになった。
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