シベリウスの季節到来
寒くなるとシベリウスである。梅雨寒の頃とならび、これから冬にかけて一番シベリウスに似合う季節である。(でも年中聴いているかもしらん) デイヴィスは3度全集を入れているが、最終のLSOライブは未聴。2度目はまだじっくり聴いてない。てな訳で、ボストン響との1度目が一番いいと解釈している。
レコードではムンクの絵をあしらい、北欧の不可思議なまでに厳しい自然をイメージさせてくれました。当時は、学生で全曲揃えられなかったのが、今は口惜しい限り。
今は2CDのシリーズで出ており、そのうち3・6・7・Vn協・管弦楽曲集が収められた2枚組を聴いた。
デイヴィスとボストン響のコンビはもう聴けないが、シベリウスとの相性は抜群で、ヨーロッパ調の上品なサウンドにデイヴィスの持つ、腰の低い方に響く重厚さが旨くマッチしてすばらしいシベリウスを聴かせる。
6番は地味な曲だが、深夜ひっそりと味わうにはこの時期たいへん良い。
弦の澄んだ響きと木管のやわらかで素朴な音色。かつてエアチェックした、デイヴィスとバイエルン放送響の同曲がさらに6番の本質をついた演奏と思っているが、このボストンもいい。ボストンは行ったことないが、秋の似合う穏やかな街と聴いた。
あと今回始めて聴いたのが、アッカルドを独奏にLSOを指揮したヴァイオリン協奏曲。79年頃の録音で、アッカルドの朗々とした独奏が以外や良くて、くすんだ響きのオケと明晰なソロが極めて新鮮であった。
この時期のフィリップス録音というのも、今は想像できないほど充実していたと思う。ロンドン・アムステルダム・ボストンの雰囲気豊かな3都市を中心に、すべてが優秀録音であった。 昔を振り返るのも「さまよえる旅」のひとつなのだ、と目を細めてみる。
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