アルゲリッチ・アバドの青春のショパン
ショパンのピアノ協奏曲第1番を聴く。ショパンの協奏曲は意気込んで聴く曲ではないし、昨今は思わせぶりな1番よりは、「2番のほうがいいなぁ」と自分では思っていた次第でありますが、何故か一度は通る青春の1番。 かってに思い込んでます。しかも、68年録音のアルゲリッチとアバド/LSOの演奏は、当時のレコードジャケットの素晴らしさも織り込まれて、思い出で満載であります。
ともかく写真の二人、若いです。思い切り歌わせたオーケストラの出だしから熱いです。オーケストレーションの弱さなど関係なく、当時のアバドは良く歌わせます。でも2楽章など、後年の見事な「歌うピアニッシモ」もこの頃から健在であります。
アルゲリッチも良く見ると、それこそ「丸太」のような二の腕が写真で確認できますが、ミステリアスな美人ですよね。今を思うと・・・・・・。(レコードジャケットの劣化で見苦しい点あり)
技巧の素晴らしさは、全編に渡り確認できますが、弱音の澄み切った美ししさはどうでしょう。「奔放さ」よりは楚々とした叙情を感じさせる意外な演 奏に思います。二人の「ラテンの血」と、「歌心」がしっくりと溶け合った名演だと思います。最近遠ざかっていたリストもこのレコードから覚えた名演だし、少し前の録音のプロコフィエフとラヴェルとも俊敏で、すてきな演奏であります。
数十年後の二人の演奏は、また違う意味で、指揮者が奏者に歩みよりつつ、触発されて爆発したかのような超名演ばかりであります。
私が、稚拙ながら思うに、まぎれもなくこの二人には「ラテンの血」が流れ、かよっていること、それであります。
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コメント
連投失礼いたします。私もこの演奏には思い出があります。私は地方の無名大学で英文学をやっていました。90年代後半のことです。大学がある人口30万の地方都市にアマチュアオーケストラがあったのです。東北地方の汚らしくてダサい町でしたが、そのアマオケはなかなか立派な楽団でした。大学三年の時、このオケがショパンのこの曲とショスタコ5番をやることになり、その予習のために買ったのがこの演奏が入ったCDでした。ショパンの第1コンチェルトもタコ5も実演はそれが初体験でした。アバドとアルゲリッチの熱い演奏で必死になって予習に励んだのは、大学の講義をサボって予習に励んだのは、今ではいい思い出です。クラオタでガンダムオタクでもある親友と二人で聴きに行きました。指揮者とソリストは東京から有名な人を招いていたのですが、名前が思い出せません。私もあの頃は青春を謳歌しておりました。
投稿: 越後のオックス | 2009年11月 2日 (月) 15時31分
私がこのレコードに出会ったのは中1の頃でした。
青春というよりは、拙い青臭い思いでばかりではありますが、老年にさしかかりつつある今ではとうてい聴けない聴き方をしていたのではないかと思います。
恥ずかしいですけどね。
投稿: yokochan | 2009年11月 3日 (火) 02時36分