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2006年1月19日 (木)

モーツァルトのレクイエム

モーツァルトのレクイエムを突然に聴く。世間では生誕250年ということでモーツァルトが盛んに取り上げられているが、そういうこともお構いなしにレクイエムが聴きたくなったわけ。それもこの曲を初めてじっくり聴いた演奏で。

mozart_reqiem_ch 中学生だった頃、レコード通販の「コンサートホール」クラブの会員であった。1枚ステレオだと1350円で、毎月会報と共に「今月のレコード」と称して何もしないと送られてくるシステムであった。少ない小遣いをやりくりしなければならない私にとって、毎月購入できるものではない。いらない場合ははがきで不要の連絡をすればよかった。また、カタログから好きなレコードをチョイスして注文も出来た。どんなきっかけからこのレクイエムのレコードを注文したかは定かでない。この曲が大いに気に入り、クリスマス・シーズンにも係わらず不謹慎にも何度も聴いていたことを思い出す。

CD時代になって、10年ほど前、一瞬復活した「コンサートホール」にまた申込み、CD化されたこの演奏を再び入手するところとなった。このCDクラブも数年で消滅してしまった。この「コンサートホール」を日本で主催していたのは「日本メールオーダー」という今で言うところの、「通販会社」みたいなものである。現在も存在していて、何と「金融ローン」などを扱っている。実に複雑な心境でアリマス。

さて、この「モツレク」、録音はコンサートホール盤に特有の「もこもこ」とした冴えない音だが、演奏はなかなかに聴かせる。このレーベルにしては、ソリストがすばらしい。ソプラノ:ヘザー・ハーパー、アルト:ルート・ヘッセ、テノール:トマス・ペイジ、バス:キース・エンゲン、といった具合で、メジャー・レーベルなみの顔ぶれ。当然ソロが出てくる場所は、すばらしく、ことにソプラノのハーパーの若々しくも清潔な歌声と、エンゲンの威厳ある深い歌などは他盤より優れているのではないか。

肝心のオーケストラは、ウィーンオペラ座管弦楽団と表記されていて、おそらく国立歌劇場のものか、フォルクスオーパーのものか、いずれかと思われる。古雅で柔らかな雰囲気に溢れている。合唱はウィーン室内合唱団。これも聞いたことない団体だが、時に荒っぽいところもあるが、なかなにうまいものだ。そして指揮者は「ピエール・コロンボ」という正体不明・国籍不明っぽい刑事みたいな名前の人。解説によると、かのシェルヘンやK・クラウスに師事したスイスの指揮者で、合唱を得意にした人らしい。ソリストのまとまりの良さにも助けられ、ソリストや合唱を中心に据え、それを引き立たせるような趣のある演奏ぶりだ。後半のジェスマイヤーの手になる部分がかえって素晴らしく聴かせる。深刻さのない、純音楽的なアプローチによるものだからであろうか。

モーツァルトのレクイエムは、今年あと何回聴くのであろうか。真剣に聴いてしまうと「ラクリモーサ」なんて、もう涙なしに聴けないんだが、そこがつらいので、この演奏はなかなかによろしいのであります。

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