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2006年1月20日 (金)

バルビローリのブラームス

大寒なだけに本当に寒い。明日は関東も雪の予報。こんな晩には、暖かなブラームスの演奏を探し出して聴きたい。

barbirolli_brahms ウィーン・フィルを指揮したバルビローリのブラームスを聴こう。それも交響曲ではなくて、「大学祝典序曲」「悲劇的序曲」「ハイドン変奏曲」この交響曲の付録のような、カップリング曲を3曲まとめて。

バルビローリは、楽員から愛され、客演するオーケストラから常にラブコールを得て、すてきな顔合わせの良い録音をいくつか残した。有名なところでは、「ベルリン・フィルとのマーラー第九」や「ローマ歌劇場との喋々夫人」などで、「ウィーン・フィルとのブラームス」もそうした理想の巡り会いのひとつだろう。カラヤンのドレスデン国立歌劇場との「マイスタージンガー」が、当初このバルビローリ指揮で予定されながら、彼の死で実現しなかったのは、同時期に予定されていた大阪万博での来日が流れたことと合わせて痛恨の出来事だと思う。(カラヤン盤はすばらしいけど)

さて、これらのブラームス、全編にウィーン・フィルの往年の鄙びた響きが溢れている。ことに管楽器の音色は、独特でウィンナ・オーボエで始まる「ハイドン変奏曲」はホルンや木管が活躍するだけに、思わず「ニンマリ」の心安らぐ演奏なのだ。よく言われる「バルビ節(バルビローリ節)」もなかなかに全開で、二つの序曲の副主題などは、慈しむように歌わせていて、これが他のオーケストラだったら破綻してしまうような表情を見せたりしている。

バルビローリにはイタリアの血も豊かに流れていて、ノーブルでユーモアを解すイギリス紳士の気風と混ざり合って、えもいわれぬ歌心に溢れたやや濃い音楽がかもし出される。曲によっては、全く受け付けられないこともあるが、このブラームスやマーラー、シベリウス、ディーリアス、エルガー、R・シュトラウス、ドヴォルザークなどがツボにはまりやすい。

冬の晩に、あったかい鍋を囲んで一杯やったかのような気持ちにさせてくれた演奏であった。

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コメント

1970年の日本公演のチケットは買っていましたが公演数日前の急逝のニュースは本当にビックリしました。代役のJ.プリッチャードもよかったのですがやはりバルビローリが聴きたかった・・・。

投稿: einsatz | 2006年1月21日 (土) 12時25分

おおそうでしたか。ニュー・フィルハーモニアですよね。テレビで見た記憶がありますが、指揮が不明でした。後1年生きていてくれたら、バルビローリだったのにねぇ。残念無念。

投稿: yokochan | 2006年1月22日 (日) 00時04分

バルビローリのブラームス。独特の味わいがあります。
正にバルビローリ節ですね。
オーケストラがウィーンフィルなので、余計に味わい深いです。
ウィーンフィルは客演指揮者と名演が多いですね。
マルティノンのチャイコフスキー悲愴、ケンペ、クリュイタンス等。
フリッツライナーもウィーンフィルと数々の名演を残していますね。

投稿: よしお | 2018年12月12日 (水) 12時05分

よしおさん、こんにちは、いつもお世話になっております。
まだウィーンフィルが、ウィーンフィルらしかった頃のこのブラームスは、指揮者の個性とオーケストラの音色が見事に結びついた名盤ですね。
 ご指摘の、往年の指揮者たちとの録音も貴重なものばかりです。
思えば、ベルリンフィルも同じくして、いろんな指揮者と60~70年代に録音を残してくれていたら、と思ったりもしてます・・・

投稿: yokochan | 2018年12月17日 (月) 08時32分

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