「Honey&Rue」とジェローム・カーン作品集 プレヴィン
連続プレヴィン、クラシカル・プレイヤー以外のプレヴィンも聴こう。
作曲家としてのプレヴィン。
かつてブロードウェイで鳴らした頃のプレヴィンは私は知らないが、クラシック界に身を置いてからの作品を聞く限り、親しみやすくメロディアスな作風で、ジャズやミュージカルの要素も取り入れた柔軟な作品が多いようだ。
今回聴いた「Honey and Rue」はソプラノ歌手と室内オケのための歌曲集で、ノーベル文学賞をとった「トニ・モリソン」の詩に作曲したもの。
黒人や子供といった、米社会の微妙な問題を取り上げる作者だけに、この作品もかなり深い内容を歌ったもの。(私の稚拙な英語力では、間違えるといけないのでこれ以上は触れない)
バーバーを思わせる、ロマンティックな旋律に満ちる一方、歌手のアカペラによる第4曲「あの方を知っていますか?」などは、心に響く歌である。一転最後は、ゴスペル風な雰囲気で後ろ髪を引かれるように終わる。「母さんを故郷へ連れてって」
プレヴィンは、99年にN響に来演したおりこの作品をとり上げている。
今回ビデオを在庫の山から探し出し、視聴してみたら、ご覧のように立っての弾き振りであった。
この演奏会は、後半のV・ウイリアムズの5番ねらいで、私は聴いているはずだが、この作品の記憶がなかった。恐ろしいものだ。昨日・今日と4回も聴いてみて、すっかり気に入ってしまった。次なる「作曲家プレヴィン」の作品はオペラ「欲望という名の電車」のエアチェックビデオでも観てみようかなどと思っている・・・・・。(物好きだろうか?)
最後に、プレヴィンお得意のジェローム・カーンの作品を、彼のピアノに乗って「シルヴィア・マクネア」の歌で聴く。1930年代ブロードウェイ全盛時のスタンダードであるが実に新鮮。その頃日本は?と考えるだけで・・・・・・。
モーツァルトが素敵なこのソプラノは、このところあまり名前が聞かれないが、こうしたミュージカル=ジャズの領域まで見事にこなす、フレキシビリティの高い歌手だ。ボニーやヘンドリックス、バトル、アップショーなどと共にアメリカ系のリリック・ソプラノで、皆共通項を持っている。あまり言葉を尽くせないが、夜ひとり聴いていると、幸せな気分になる。プレヴィンのピアノもみずみずしく、なんでこんなにうまいんだろうと感心してしまう。名手フィンクのベースが入ってくると、さらにスゥイングし始めこちらも体が動き出してしまう。
誰かウィスキーをここに持て!
生憎切らせていて、焼酎しかない。
チクショー。
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