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2006年4月29日 (土)

ハウェルズ 管弦楽作品集

Howells_1_1_1 イングランド中央部グロースターシャー付近で生まれた「ハーバート・ハウェルズ」(1892~1983)を知る人は英国音楽ファン以外にはあまりいないかもしれない。活躍した年代としては、保守的な作風であるが、それもそのはず、先達の「エルガー」や「V・ウィリアムズ」を尊敬し続けかなりの影響を受けている。

管弦楽作品・室内楽・宗教曲・オルガン曲といったところに名作を築きあげけたが、最愛の息子を幼くして亡くし、このことが彼の音楽に大きな影響を落とし、陰りに満ちた深みを与えることとなった。

Howells2_1 今日の2枚は、管弦楽作品集の2枚で、「ヒコックスとロンドン響」によるもの。ハウェルズ入門としては最適で、私もここから入り、彼の音楽にはまっていった。話はそれるが、息子の死を悼んで書いた「楽園賛歌」などは目頭の熱くなるような名作だし、かのロジェストヴェンスキーが録音している「悲しみの聖母」やヴァイオリン・ソナタなど、挙げだしたらきりがない。

この2枚に収められた作品を並べてみる。
       1 「王の使者」
       2 「楽園の舞曲」
       3 「チェロとオーケストラのための幻想曲」
       4 「チェロとオーケストラのための挽歌」
       5 「田園狂詩曲」
       6 「行列」
       7 「B’s組曲」
       8 「ヴァイオリンとオーケストラのための組曲」
       9 「緑の道にて・・」

題名だけでも、詩的な雰囲気が想像されようが、5の田園狂詩曲は、V・ウィリアムズを思わせるような雰囲気で、故郷の丘を思い描いたような作品。対をなすチェロのふたつの作品は、協奏曲のような性格ながら、ここにも子供の死が影を落としている。
 私が特に好きなのは、8の3曲からなる組曲の2曲目の「レント」である。ヴァイオリンの楚々とした郷愁を誘う旋律には涙がでてしまう。心に染み込むような美しさである。

こうした英国作曲家に知り合えるのは、「シャンドス」レーベルの最大の功績だ。そして、トムソン、ハンドリー、ヒコックスといった指揮者達があってこそ。

これらのCDジャケットは、南アフリカからイングランドに渡った猫を愛する「Derold Page」なる人の作品。
Churchcatlopt
センスよい絵は、ハウェルズの音楽にぴったり。

    

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コメント

ハウエルズは代表的なCDをゲットしてじっくり聴こうと準備済みですが、とりあえずさらりと一回聴いただけです。
のんびりくつろいで聴くのが大いに楽しみな作曲家です。

投稿: びーぐる | 2006年5月 1日 (月) 00時23分

びーぐるさん、こんばんは。そうですね、ハウェルズは抒情的な人ですから、ゆったりとくつろいで聴くのが一番ですね。お聞きになった感想なども楽しみにしております。

投稿: yokochan | 2006年5月 1日 (月) 23時00分

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