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2006年5月 8日 (月)

ワーグナー「ニーベルングの指環」 ベン・ヘプナー&シュナイダー

Heppner_ring2 週の始めでも今日はとりわけ体が重い一日。食べ過ぎ・飲み過ぎがこたえる。今日は連休中に聴いたCDを、あらためて聴き直した。
 その1枚がDGの新譜。カナダ出身のヘルデン・テノールのベン・ヘプナーの歌う「ニーベルングの指環」の場面集。ジークムントとジークフリートのおいしいところを集めていて、当然「ラインの黄金」はない。
本当は、ローゲも歌ってくれれば、完璧だったのに・・・。
こうした企画はこれまで、ありそうでなかっただけに実に嬉しい。
画像は裏ジャケット。表はヘプナーの厳つい顔だが、こちらはご覧の通り深い森に佇むヘプナーの写真。これをA面にすりゃよかったのに。

まず第一に、このCDの聴き所の大半を言おう。それは、「ペーター・シュナイダー」指揮する「ドレスデン国立歌劇場管弦楽団」である。リングの主役はオーケストラにあり、このCDでも単なる抜粋以上に、その場の情景を大事にした場面が選ばれている。
「ジークフリート」では「鍛冶の歌」がミーメ(ウルリヒのミーメよし)の相方付きで、しっかり幕切れまで収められているし、ブリュンヒルデを目覚めさせる場面もかなり長く収録されている。さらに圧巻は「ジークフリートの死」の場面での「葬送行進曲」がそっくり演奏されている。これらが、シュナイダーという、今やかつてのH・シュタインもかくやと思わせる、名ワーグナー指揮者とドレスデンの滴り落ちるようなまろやかな美音で聴けるのである。
 シュナイダーの熟練の指揮ぶりは、速めのテンポながら過不足ないオペラティックな表現に満ちていて、まさに「リング」上演のひとコマ、といった趣なのだ。コンサート指揮者や無能な伴奏指揮者には及びもつかない「てだれ」の技。
それに輪をかけたように、生き生きとした音色で応えている、ドレスデン。
最近では、最上級のワーグナーではないかと思う。

オーケストラばっかり誉めちゃったが、B・ヘプナーもいい。現役では、もっとも安定感のあるワーグナー・テノールではないかと思う。体はデカイが、歌はマッチョなところが一切なく、ピンと張りつめたやや硬質な声がいい。強いて言うと、良い意味でのアクがあると良いのかもしれない。きれいに立派に歌うばかりでなく、人を引き込む個性がもう一皮欲しいところか。ジークフリートよりはジークムントの方が、歌いこなれて感じる。

最近ワーグナー全曲はライブが、思い出したように出るだけだが、場面集がいろいろと出てきて、ファンとしては新たなワーグナー歌いを見つける喜びがあり楽しい。
そうした中では、この「ヘプナー・リング」は出色の1枚ではないかと。

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コメント

本当に文章がお上手だからつい買いたくなっちゃいますが、ここは引き締めないと。でも良さそうですね(*^_^*)

投稿: びーぐる | 2006年5月 9日 (火) 07時25分

びーぐるさん、こんにちは。私はメーカーやショップの手先ではありませんが(笑)、聴いたCDは、自分が選んだのだから、何でもいい所を探して、褒めつくすことにしてます。もちろん、こりゃダメだの、ガッカリもありますが・・・。

投稿: yokochan | 2006年5月 9日 (火) 12時55分

こんにちは。
ワーグナー同好ということでお邪魔しました。

このCDは買おうか迷っていて、まだ入手してなかったんですよ。
なろほど、シュナイダーの指揮とオケがバッチリなら、私好みのオケ演奏になってるようなので、これは買いに走ります。

最近、こういう名場面集が多くて、嬉しいですね。それだけ全曲物はお金がかかるということなのでしょうが。

これからも、よろしく、どうぞ。

投稿: miwaplan | 2006年5月10日 (水) 23時53分

miwaplanさん、こんばんは、ようこそ。ワーグナー好きには是非お薦めですよ。シュナイダーにはロクな音源がなかったですから。
ワーグナー全曲はもうこれ以上増えて欲しくありません。我が家の収納スペースの限界が見えているためです。
また、よろしくどうぞお願いします。

投稿: yokochan | 2006年5月11日 (木) 00時34分

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