ナタリー・デッセイ 「フランスオペラ・アリア集」
連休最終日は、冴えない雨模様。明日から再開する日常を思うと少し憂鬱になる。こんな思いは、盆・正月・ゴールデンウィークの年3回だ。
もうこれ以上はいらないけど、自分だけの心の休日がもっとたくさん取れたら幸せだろうな。
そんな、思いを抱きつつ、以前購入済みで未聴の「ナタリー・デッセイ」を聴いた。テレビのオペラ放送でチョイ聴きをした程度で、本格的に聴くのは初めての人。
「超絶的な技巧を持つコロラトゥーラ」といった程度の印象しかもっていなかったが、こうしてじっくりと聴いてみると、素直でくせのない発声による声にすぐに引き込まれた。
昼から、夜まで聴くのは3度目。仏語はさっぱりわからないが、その語感の流麗な美しさも大いに気にいった。高音を転がす聞かせどころは、まったく危なげないが、機械的な冷たさとは無縁で、常にあたたかな温もりを感じさせる。
おそらく、彼女の飾らない人柄が声ににじみ出ているにであろう。人間的な声の芸術。
先輩グルヴェローヴァを思わせる万全の歌唱と音楽性。聴いていて、上質のシャンパンがグラスに注がれ、美しい細かな気泡が立ちのぼるような様子を思い浮かべてしまった。
マスネ、トーマ、ボアエルデュ、オッフェンバッハ、グノー、ロッシーニ、ドニゼッティらの作品が収められている。さらに魅力の一端は、名匠プラッソンとトゥールーズ管の名伴奏だ。
これこそフランスの粋とも言える演奏で、とてもオペラティックでかつ、洒落ている。
明日は、全力投球でもなくサラリとスタート出来そうな気分になった。
テレビでは、音を絞って画面だけ流れているのが、ザルツブルクの「トラヴィアータ」だ。
チラチラ見ているが、昨今のまったくアレな演出! 変なお面に、変なモニュメント、普通のスーツを来た人々に、薄着のヴィオレッタ。アルフレードは下はトランクス1枚?
なんじゃこれ? ネトレプコちゃんは、ともかく美しい。その彼女の胸に顔をうずめてしまう、テノールの人気者ヴィラゾンが憎ったらしい。
どうも古い人間には、こういう演出はイカンのである。
ヴィラゾンは声はともかく、顔が「Mr.ビーン」のようでいけないが、ネトレプコちゃんはいい。近いうちに取り上げるとするか。
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コメント
あれ!書いたのに消えている!
デッセイは素晴らしいコロラトゥーラですね、ヴォカリーズの入ったディスクも素敵でした。
投稿: びーぐる | 2006年5月 8日 (月) 22時57分
びーぐるさん、こんばんは。ほんとに私もこの1枚で大好きになりました。美人だし。R・シュトラウスも仕入れましたのでまたご紹介します。ヴォカリーズも聴いてみたいです。(音楽はこれだからキリがありません)ココログはどうも調子悪くて、最近イライラします。あいすみません。
投稿: yokochan | 2006年5月 8日 (月) 23時54分
ブログが増えてどこもスピードが遅くなっているみたいですね。今回のは私のミスかもしれませんのでお気になさらずに。
ヴォカリーズのCDは超絶技巧ばっかり集めたものなので、しょっちゅう聴くわけには行きませんが凄いです。
投稿: びーぐる | 2006年5月 9日 (火) 07時43分
なるほど、その凄さを是非、体感してみることにします。ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2006年5月 9日 (火) 12時57分