ウィリアム・アルウィン 「リラ・アンジェリカ」ほか ヒコックス指揮
英国の近世作曲家、アルウィン(1905~1985)の一風変わった協奏曲作品集を聴く。
年代的には、フィンジ、ウォルトン、ティペットらと同世代。ブリテンより一回り上、といった時代の人だ。
作風は、ウォルトンのようなダイナミックな部分と、フィンジやV・ウィリアムズ系統の英国田園抒情派的な部分を持ち合わせていて、なかなかに味わいある作曲家である。
シャンドス・レーベルが交響曲5曲や、室内楽曲といった作品をシリーズで出していて、そのすべてを嬉々として揃えてしまった。
画才にも秀でた人で、シャンドスはそのすべてに彼の風景画を用いていて、これまたCDを1枚1枚収集する喜びを味わせてくれた。
「Autum Legent」 (秋の伝説曲) コール・アングレと弦楽合奏
「Pasral Fantasia (田園幻想曲) ヴィオラと弦楽合奏
「Tragic Interlude」(悲劇的間奏曲) ホルン、テンパニと弦楽合奏
「Lyra Angelica」 (天使の歌) ハープと弦楽合奏
ヒコックス指揮 シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア
曲名だけでも、詩的ないい雰囲気が漂う。
いずれも桂曲だが、30分にわたる「リラ・アンジェリカ」の美しさは喩えようがない。
高貴でかつ儚いハープの調べは、さながら天使の羽ばたきにも思われる。
三浦淳史先生亡きあと、英国音楽の啓蒙の旗手、山尾敦史氏も大推薦の曲で、長野オリンピックの女子フィギアで銀メダルとなった「ミシェル・クワン」がこの曲で演技したという。
全然覚えてないが、優美にリンクを周る軽やかな舞が目に浮かぶようだ。
こうしたセンスある音楽を選ぶこと事態が日本人とは違う。ラフマニニフや蝶々さんばかりでは・・・・。
他の作品も親しみやすく、美しく思わず手を休めて聞き惚れてしまう瞬間に満ちている。
この方が、ハープのソロを受け持つラシェル・マスターズ。気品溢れる美しい方であります。
ロンドン・フィルのソロ・ハーピストだそうな。
そして、こうした英国音楽に欠かせない存在のR・ヒコックスの的確な指揮ぶりが、この美しい作品を忘れられないものにしている。
この人がいなかったら、今ごろこうして英国音楽を極東の地で楽しむことができなかったであろう。
英国音楽は私をリラックスさせ、心を和ましてくれる。今夜はいい夢が見れそうな予感。
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コメント
アルウィンは聴いたことがありませんが良さそうですね、と言ってると聴きこんでいないCDがどんどん増えますね。(^^♪
投稿: びーぐる | 2006年6月 3日 (土) 13時13分
こんにちは。まったく同感(笑)音楽の道は際限なくはてしないものであります。でも、このハープ協奏曲はいいですよ~。
投稿: yokochan | 2006年6月 3日 (土) 14時50分