シューマン 交響曲第4番 ハイティンク
シューマンの交響曲は4曲ともコンパクトでかつ不思議な魅力を持った作品ばかりだ。ロマンティックであるが、どこか常に後ろ髪を引かつつも、今ひとつ晴れ渡らないような居心地の悪さを感じる。
とりわけ1番の後に書かれた4番は、当初「交響的幻想曲」と呼ばれた通り、4つある楽章は連続して演奏され、各楽章の動機にも統一感があって、30分程度の交響詩のような雰囲気になっている。
最後は猛然とした盛り上がりが期待できるが、演奏会の最後にもってきても、ちょっと物足りないと思うのは私だけかしらん。
こんな作品だから、思い切りロマンティックに演るか、一気呵成に聴かせるの演奏も面白くフルトヴェングラーやバーンスタイン、カラヤン、シノーポリ、エッシェンバッハなどがこうした典型か。
一方ドイツ音楽として構成感ゆたかに、きちっと演奏したタイプが、クレンペラー、コンヴィチュニー、セル、サヴァリッシュ、クーベリックなどであろうか。
80年代前半に、一気にお得意の全集を完成させたハイティンクはどうか。
意外や両者の中間に位置する演奏に思う。早めのテンポで混濁なくすっきりと演奏は進み、最後のコーダではかなりのアッチェランドを効かせたりしている。
この頃からオペラもかなり振り、実直・真面目だけでなく、劇的な表現力も身に付けつつあったハイティンクである。
そこに馥郁たるドイツロマンの響きや、渋い木質の感触を与えているのが、コンセルトヘボウの素晴らしさであろう。
このコンビの後期の最良の姿がこのシューマン全集に刻まれている。
そして初回ジャケットの詩的な美しさは格別である。残念なのは、序曲が二つ抜け落ちてしまったことか。
家に帰ると、アサヒ本生が18本も待っていた。ロボット缶が当たるキャーンペーンに応募したら、ロボット希望の息子の願いは空しく、ダブル・チャンス賞に当選したのである。この季節、実に嬉しいのである。
伊武雅刀と佐々木蔵之助のCM、「キャンペーンだよ、佐々木クン」のあれである。
ともかくウレシイのである。
こうしたウレシイ半面、ココログの絶不調はどうにもならない。夜間はログインに5分、記事作成画面まで10分、投稿保存などしようと思うと2~3時間は当たり前。しかも、記事が消えたり、人の記事が出てきたりと、ムチャクチャ。字体もおかしい。
利用者は皆切れている。次週大メンテがあるらしいがどうなることやら。
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コメント
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投稿: curling | 2006年9月11日 (月) 22時57分
こんばんは、TBをどうもありがとうございました。
仰る通り、この交響曲をコンサートのメインに据えるというのはイメージしにくいですね。凄くまとまっていて聴きやすいのですが。ハイティンク盤はシューマン特有の「混濁」があまりなくて私も好きです。というわけで、今後ともよろしくお願いいたします(^^ゞ
投稿: stonez | 2006年12月16日 (土) 01時06分
こんにちは。stonezさんのbrogにコメントできなかったものですから、TBしっぱなしで失礼しました。ハイティンク贔屓なもので、シューマンの4曲はこの全集が模範演奏と思ってしまいます。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: yokochan | 2006年12月16日 (土) 16時34分
短時間ですがハードな早朝勤務からかえってまいりました。ハイティンクのシューマンは未聴です。ですが、長岡の図書館に全集があったはずなので聴いてみたいと思います。
私はマリナーのシューマンが好きです。ブリリアントから出ているやつで、ヘンスラー音源です。アカデミー室内管のクリアーで透明感のある響きが最高です。
これほどのシューマン全集が千円程度で買えるのだから驚きです。マリナー以外だとレニーとクーベリックのシューマンが好きです。中学時代に初めて買ったレニーのレコードがウィーンフィルを指揮したシューマンの一番と四番でした。解説は吉田先生でした。CD化されていますがCDの解説は歌崎和彦さんです。
シューマンの序曲集はナクソスから出ているヨハネス・ヴィルトナーが指揮したCDがお薦めです。有名な序曲は全部入っていますし、序曲・スケルツォとフィナーレもきけます。指揮者のヴィルトナーはウィーンフィルのヴァイオリン奏者だった人ですが、指揮者としてもなかなかの才能のある人です。同じナクソスなら出ているブルックナーの三番と九番も名演だそうです。九番は第四楽章つきです。
投稿: 越後のオックス | 2009年10月31日 (土) 09時10分