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2006年7月 4日 (火)

バターワース 「シュロップシャーの若者」ほか マリナー

Marriner_butterworth ジョージ・バターワースは1885年ロンドンに生まれ、1916年、31歳の若さで第一次大戦のさなか、フランスで戦死してしまった、薄幸の作曲家である。世代的には、V・ウィリアムスより一世代あと、バックスと同じ頃の世代だ。
早世しただけに、作品は数えるほどしかない、管弦楽曲が3曲と歌曲集がいくつかだけである。これらを聴くにつけ、つくづく残念な思いがする。

名前からして、いかにも英国の自然を思わせる詩的な雰囲気を感じさせるが、果たしてその音楽もまさに期待を裏切らない美しさと若々しさに満ちている。
かのカルロス・クライバーが何故か、「イギリス田園曲」を愛し、シカゴなどでよく取り上げていた。永遠の青年の気持ちを持つカルロスが共感したのもわからなくはない。

  「シュロップシャーの若者」(A Shropshire Land)
  「二つのイギリス田園曲」 (Two Englishidylls)
  「青柳の堤」        (The Banks of Green Willow)

いずれも10分前後の愛らしい小品。「シュロップシャー」は同名の歌曲集の姉妹作となっていて、若者特有の繊細な情感と儚い夢に満ちた名作だ。これを聴いていると、思いは誰しも遠くの野山にはせることとなる。
「田園曲」はのどかで親密な雰囲気の2作品からなる。カルロスが愛したのは1曲目らしいが、かわいらしい木管が活躍する楽しい民謡を思わせる桂曲。
まさに、民謡を引用した「青柳の堤」は、懐かしさに溢れる英国の風景そのもの。
風にそよぐ柳と流れるともない緩やかな小川の絵を想像いただきたい。

これらの素敵な作品を、「マリナーとアカデミー」はさらっと、いとも爽やかに演奏している。
バルビローリの思い入れを込めた演奏もいいが、バタ-ワースにはこうした「すっきり・さわやか」系がいいのかもしれない。同様の演奏にテイト盤もある。

歌曲の素晴らしさも捨てがたい。「シュロップシャーの若者」はハウスマンという英国詩人の作によるものだが、V・ウィリアムスやモーランなどもこの詩に作曲して、いずれじっくり味わってみたいと思っている。

この影絵のようなCDジャケットはセンスが良い。理想の生活が描かれていて羨ましい。
数年前、唯一のイギリス訪問時、タータンチェックの携帯用スキットルを購入した。
「ここにスコッチでも入れて、散歩がしたい」という思いだったが、いまだに実現していない。
そんなことに手を染めると「アル中」の道へ踏み込んでしまうという恐怖が勝っているからである。まだ元気だった親父には、組み立て式の携帯用ステッキを土産にした。このステッキの柄の部分がまた、少量の飲物入れになっていたのだ。
素晴らしき、英国人の知恵なり。

   

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コメント

またまた激重かと思ったら一転バターワースですか、変幻自在ですねえ!
私のCDはマリナーによる管弦楽作品とラクソンの二つの歌曲集が入っていますが、しみじみほのぼので良いですねえ。

投稿: びーぐる | 2006年7月 5日 (水) 14時05分

こんばんは。ご期待に反するようであいすみません(笑)こうしてメリハリをつけつつ日々音楽生活をしております。ラクソンの声は立派でいいですよね。
「しみじみほのぼの」が私のワーグナーの反対作用のようです。

投稿: yokochan | 2006年7月 5日 (水) 22時59分

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