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2006年8月12日 (土)

エルガー 「エレジー」、「ソスピリ(ため息)」 ヒコックス

Elgerparry 世間は、盆の休みに突入。昨日の東京駅は楽しい雰囲気にごったがえしていた。普段と人々の動線が全然違うので困ってしまうが、この光景も年中行事であろう。ただこのところやたら多くなった「カート」を引く人々。
猫も杓子も「カート」をゴロゴロころがしている。ご本人達は楽なんだろうけど、混雑の中では参る。子供までが、ゴロゴロだ。まあ、いいけど。

さて、今日は「エルガー」と「パリー」の弦楽オーケストラ作品を聴く。
  パリー 「イギリス組曲」、「Radnor夫人の組曲」
  エルガー  「エレジー」、「ソスピリ(ため息)」、「セレナーデ」
真夏に、こんな爽やか選曲の1枚。
リチャード・ヒコックス指揮のシティ・オブ・ロンドン・シンフォニエッタの演奏。

友人の死に際して書かれたとされる「エレジー」。「エニグマ変奏曲」の中の「ニムロッド」の人である。音楽もよく似ていて楚々とした静かな美しい曲である。
「ソスピリ」は弦楽とハープ、オルガンのためのアダージョである。こんなはかないタイトルのように、メランコリーに満ちていて、若き遠き日々を顎に手をあてて懐かしむような情感を思い起こさせる。それぞれ5分ほどの桂曲である。
3楽章からなる「セレナーデ」は、いずれの楽章も郷愁に満ちた、胸がキュっと締め付けられるような愛すべき作品。あと、「序奏とアレグロ」があれば完璧。
 エルガーの、スゥイート・メロディー・メーカーとしての一面を堪能できる。
余談ながら、スケッチが残された「威風堂々」の行進曲第6番が、ペインにより完成され、今年のプロムスで初演された。BBCのネット放送で聴いたが、あの快活な雰囲気そのままの楽しい聴きものであった。こちらもエルガーの一面であろう。

京都に「カフェ・エルガー」なる、エルガーの大ファンが起した店があった。
その店の地図をいつもカバンに詰めて関西方面に出張のおり、足を運んでみようと思っていたが、訪れる機会を失したまま閉店したらしい。想像するだけで微笑んでしまいそうなカフェだった。残念。

エルガーより9歳先輩の「パリー」は、保険会社のサラリーマン出身の変り種作曲家。
長じて、王立音楽院の教授ともなり(すごい)、数々の作曲家達を教えた。
ホルストやV・ウィリアムスなどの名前もその中にある。
作風はエルガーにドイツ風のがっしり感を据えたもので、5曲ある交響曲は「スタンフォード」のそれと並んで、ブラームスやブルッフをも思わせる隠れた名作だろう。

今日の弦楽作品2作は、黙って聴くと上記のドイツ風な要素が薄い、純潔英国ミュージックである。経歴をまったく感じさせない完璧なプロの技で、イギリスの古城で優雅に暮らす紳士・淑女の嗜みを描いたような作品たちだ。

林望(リンボウ)氏ならぬ、「イギリスはおいしい」1枚であった。

  

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コメント

京都のカフェ・エルガーは私も機会があったらのぞいてみようと思っていたのですが閉店してしまいました。
もう2年ぐらいになるのでしょうか、やはりクラシック喫茶はいまどき難しいですね。

投稿: びーぐる | 2006年8月13日 (日) 00時30分

しばらく音楽とパソコンから遠ざかってました。
カフェは閉店2年になりますか。場所にもよりますが、音楽が氾濫する中、夢中になって聴く環境が喫茶店でなくなってしまったのは確かですね。残念なことです。

投稿: yokochan | 2006年8月16日 (水) 19時22分

会社から失礼(爆)
カフェ・エルガーの元店主は私の友人です。伝えておきます。たぶんすごく喜ぶと思います。
・・・しかし、私も一度も行けなくて事情により閉店してしまい、悪いことをしました。英国音楽のこのシリーズ、色々私も持っていますが、このCDは持っていませんね。今度見てみます。

投稿: naoping | 2006年8月17日 (木) 16時26分

naopingさん、こんばんは。会社からありがとうございます。私もよくやります。
カフェ・エルガーのご主人、お友達なんですかぁ?
よろしくお伝えください。ネットで大友直人氏が訪問したりしてるんですな。いろいろとご苦労はおありでしょうが、坂東の果てより応援してます。
ヒコックスの弦楽シリーズはもう1枚あります。
こちらもすこぶるいいです。

投稿: yokochan | 2006年8月18日 (金) 00時01分

 そんなに惜しんでいただけると黙っておられません。ありがとうございます。
 ただ近い将来に場所を移転して Cafe ELGAR を、再興する計画を練っています。具体性が増してきたら、またちゃんとお知らせしたいと思います。

投稿: 旧 Cafe ELGAR 店主 | 2006年8月18日 (金) 20時57分

これはこれは、旧 Cafe ELGAR 店主 さん、ようこそおいでくださいました。そしてnaoping さん、ありがとうございました。
ほんとにお伺いしたかったものですから、再興計画をお聞きしてたいへん嬉しいです。
再興の日を楽しみにお待ちしております。
ちなみに、今ほど滋賀・京都の出張から帰宅したばかりです。京都の夏は暑いですね。

投稿: yokochan | 2006年8月19日 (土) 21時11分

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