シェリル・ミルンズ アリア集
昨晩、本場イタリアの雰囲気をまがりなりにも味わってしまい、歌が聴きたくてしょうがなかった。今回来日の演目は「ファルスタッフ」と「トゥーランドット」の2演目だったが、チケットが高いのと、荒川静香効果でトゥーランドットは早々に完売。どうして日本人はこうなるんだろ。
それはともかく、今晩は朗々としたバリトンの歌唱をアメリカの名バリトン「シェリル・ミルンズ」で楽しむことにする。アメリカ系のバリトンといえば、「ウォーレン」や「メリル」が思い浮かぶがミルンズもその器用さ、マッチョな力強さにおいて同系。
70年代は、「カプッチルリ」か「ミルンズ」かで、各社のレコーディングに名を連ねていた。
レパートリーは広大で、バッハからオルフ、R・シュトラウスまで、独・仏・伊なんでもござれ。
こんなオールマイティーだから、何でもソツなくそれなりに良く、この人でなければ、という強列な個性や絶対性はない。そんな訳で、有名だけどあんまり印象にない人なのかもしれない。
でも抜群の歌唱力とテクニック、豊な声量と朗々と響く美声で聴くミルンズの歌は、快感にも似た満足感が得られ、私は好きだ。(カプッチルリのほうがそりゃいいけど、レパートリーがやや狭い)中でも、「イャーゴ」「スカルピア」「エスカミーリョ」「ジェラール」なんてところは、文句なし。いい人役の「ロドリーゴ」「リゴレット」なんてのも、それなりに良いところがミルンズらしい。
このCDは、72年に録音されたアリア集に、デッカに残した各種全曲盤からの聴き所を集めたもの。アリア集では、「セヴィリア」「清教徒」「エルナーニ」「ドン・カルロ」「オテロ」「ジョコンダ」「西部の娘」などが、何と私が高く評価する「シルヴィオ・ヴァルビーゾ」の指揮で収められている。いずれも素晴らしい。
ハイライトの最後は「トスカ」から「スカルピアのテ・デウム」がそっくり入っている。
こいつは、スカルピアの模範生のような歌唱でたまらなくいい。
「音楽の季節」到来と共に、「食欲の季節」も世間では云々される。メタな私は年中「食・酒」の季節である。
今週は、再び青森・秋田に出張。北東北だけ晴れ、あとに地方は雨の恵まれた時に。コスモスが咲きほこり、初秋を充分に感じ取れた。
今回は、お客さんと一緒だったので、プチ・メタボリック飲食。
画像はまた訪れた、八戸の八食センターで、ちらし寿司を。
あらゆる海の幸が、ぎっしりと乗っている。プチのつもりが、・・・・・。
「これはもう、秋のメタボリック大行進曲や~」
| 固定リンク
コメント
お教えいただきありがとうございます。
トスカの「テ・デウム」には本当に心揺さぶられました。
あんなにエレガントなイヤな奴、そう誰にでも演じられるわけではないと思います。
もしオペラに三国志があったなら曹操は彼しかいない!と、かなり飛んでしまった想いがございます。
八戸はわたくしの祖父母の故郷なのでミルンズと合わせて嬉しすぎでした。
重ね重ねありがとうございます。
投稿: moli | 2009年2月13日 (金) 21時15分
moliさま、こんばんは。
こちらのミルンズにもコメントありがとうございます。
ほんと、かっこいいです。ミルンズ。
このCDで私は歌ってます(笑)
>オペラに三国志があったなら曹操は彼しかいない<
おお、まさにそれですよね。激しく同感です。
ミルンズは日本では舞台経験はないのではないでしょうか。
残念なことでした。
「サロメのヨカナーン」もすごくいいです!
八戸にご縁がおありなんですね。
仕事でよく行きましたので、八戸の隅々まで車で走りまわってます。とても好きな街のひとつです。
八食センターに行っては、その素晴らしい食材に涙しております。
投稿: yokochan | 2009年2月14日 (土) 01時01分
アメリカ-Londonの『シーンズ-フロム-イタリアン-オペラ』のアナログLPなら‥OS-26366‥所持して、しばしば取り出してます。『オテッロ』からのイアーゴの乾杯の歌、『ラ-ジョコンダ』からのバルナバの舟歌等と、他の端役のソロ-パートや合いの手のコーラスも入れた、贅沢な録音であります。ただ、このミルンズ様、声音や歌い回しが後に『リゴレット』や『ラ-ジョコンダ』の全曲盤で知る機会のあった、先輩格のレナード-ウォーレンに似ているような感もございます。
投稿: 覆面吾郎 | 2019年9月23日 (月) 10時29分
ウォーレンは声がでかいという印象を持ってますが、確かに似ているかも。
わたしは、スカルピアしか聴いてませんが。。
ミルンズは、あとドン・ジョヴァンニとヨカナーンも好きです。
まだご健在の様子で、見た目も変わらないお姿をよくSNSで見かけます。
投稿: yokochan | 2019年9月24日 (火) 08時05分