コルンゴルト 交響曲嬰ヘ長調 プレヴィン
コルンゴルドで検索していたら、「マーラー成分解析」なる妖しいサイトを発見。成分解析の膨大なリストの一部であった。
さっそくどれどれと、試してみた。解析欄に自分の名前を入力してみる。
私の66%は愛が私に語るもので出来ています
私の16%は3つのピントで出来ています
私の7%はベルクで出来ています
私の7%はウェーベルンで出来ています
私の4%はシェーンベルクで出来ています
なんじゃこら?ふむふむ、当たっているようないないような。
「3つのピント」なんちゅうマーラー編曲のウェーバーのオペラが登場するところが、自分らしいというか。でもこんな愛に満ちた自分って?飢えているのかしらん?
さて気を取り直して、「コルンゴルト」のかっこいい交響曲を聴く。
コルンゴルトはボヘミア生まれ、英才を目論んだ親に「ウォルフガンク」の名前をもらった。
はたしてその名の通り、神童としてウィーンに幼くしてデビューし、10歳台でオペラを書き、マーラーやシュトラウスを驚かせた。ワインガルトナーやワルターらに初演された作品も多い。後年、映画音楽も手掛け作曲家としても絶頂期にあったが、急台頭していた「ナチス・ドイツ」に退廃音楽のレッテルを貼られ、アメリカに亡命。
アメリカでは、ハリウッドで活躍し、今のスペキュトラーな映画音楽の土台を築いたといってよい。戦後純音楽も再開したが、終生以前のように認められることなく、ウィーンに見捨てられたまま、不遇の死をアメリカで終えている。
コルンゴルトの不遇は、戦争に伴うものであろうが、世紀末ウィーンの爛熟した文化を一身に引きずり続け、生涯ロマンティシズムを探究したことが、戦後は時代錯誤とされてしまったからでもあろうか。
現在、マーラーに耳が馴れたわれわれにとって、コルンゴルトの音楽はまったく自然に響く。ダイナミックな鳴りのいいオーケストレーションは、技術の上がったオーケストラにとっては腕の見せ所にもなろう。
この交響曲に、J・ウィリアムズの響きを聴き取ることもできるし、当然にマーラーやシュトラウスの雰囲気も感じる。なによりも、4楽章形式の本格的な交響曲なのである。
動機も各章で関連付けられ、構成もしっかりしている。
3楽章の悲しみに満ちたアダージョはまったく素晴らしい。
プレヴィンとロンドン響は、隙ももらさずにこの本格シンフォニーに取り組んでいて、聴いたあとの満足感と爽快感はたまらない。
離婚してしまった、ムターとのヴァイオリン協奏曲をまた取り出してみよう。
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コメント
ムターとプレヴィンは離婚したのですか?
全然知りませんでした。どうでもいい事ですが。(^^♪
投稿: びーぐる | 2006年9月18日 (月) 21時21分
そうなんですが、離婚の原因を知りたいところです。
まさか、プレヴィンが浮気したりして。お盛んですから。ムターへの作曲はどうなってしまうんでしょう?
投稿: yokochan | 2006年9月19日 (火) 21時43分
私はこんなでした。
51%は牧場の花が私に語るもので出来ています
40%は嘆きの歌で出来ています
5%はクルシェネクで出来ています
3%はクレンペラーで出来ています
1%はワルターで出来ています
クレンペラーって私、なんかひねくれものかも・・・。
ムターとプレヴィン、結婚してたのも知らなかったす。
投稿: naoping | 2006年9月19日 (火) 23時38分
こんばんは。ほう、同じ3番の交響曲でも、いろいろ違って出るんですね。
家族をやってみたら、「私はこの世に忘れられて」が70%も出ちまいまして、話すに話せないことになってしまいました。
どうなってるんですかね。
投稿: yokochan | 2006年9月20日 (水) 00時12分
yokochan様今日は。このCD私も持っています。ただ廉価版として再発売された国内盤なのでジャケットのデザインが全く違うんです。私のはプレヴィンの写真が表紙です。ダンディですよね、彼は。ムターと結婚して、別れていた事は貴ブログを読むまで知りませんでした。
交響曲は「アメリカナイズされたブルックナー」という感じがします。あくまで私個人の感想ですが。アメリカ音楽もブルックナーも好きですので、この交響曲ももちろん嫌いではありません。私が持っているCDには交響曲の次に「空騒ぎ」組曲というのが入っています。私は交響曲よりこちらの後期浪漫派的な響きがする若き日の組曲のほうが好きです。
「死の都」を初めてストラスブール歌劇場のDVDで見たときは心底仰天しました。弱冠23歳でこれほどのオペラを書くなんて正真正銘の天才じゃないかと思ったものです。プッチーニとリヒャルト・シュトラウスと足して割ったような華麗で豪華な響きに目が眩む思いでした。映画音楽に転向したりしないでオペラだけ作曲していればリヒャルト・シュトラウスなみのオペラ作家になっていたのではないかと思いました。
私は小説は純文学から歴史小説から若者むけの所謂ライトノベルまで読みますし、音楽はクラシックからロックバンドのXjapan まで何でも聴きます。yokochan様には幼稚でオタク的だと笑われそうですが、アニメ鑑賞も大好きです。興味を持った作品はジャンルが何であれ楽しまないと気が済まない欲張りな人間です。でもイギリス音楽などはあまり聴かないできましたのでyokochan様のブログで勉強させて頂きながらゆっくりと聴いていこうと思っております。
投稿: 越後のオックス | 2008年11月 5日 (水) 16時34分
越後のオックスさま、こんばんは。
プレヴィンとムターは離婚後も仲良く共演しているようです。
どうなっているのでしょうかねぇ?
私の輸入盤も「恋の空騒ぎ」が入ってまして、私もお気に入りです。
コルンゴルドの甘味な独特のサウンドには抗し切れません。
ハリウッドのいい時代を思わせる音楽も好きなのです。
祖国を失わなければシュトラウスのようにオペラをたくさん書いたかもしれませんね。
私も音楽には貪欲ですが、さすがに昨今のものはちょっと厳しいですし、漫画は酒や食が絡んだもののみを読んだりします。
イギリス音楽は裾野が広いですので、じっくり楽しまれることをお勧めします。
投稿: yokochan | 2008年11月 6日 (木) 23時30分
こちらにもお邪魔しますね。
一昨日、新宿のタワーレコードにて、半衝動的に、アルブレヒト指揮、ストラスブール・フィルのハイブリッドSACDを買いました。SACDを享受できないのが残念ですが、とてもいいですね。この曲は、第3楽章とフィナーレが映画音楽からの引用で、オーストリアを解放してくれた英雄として、フランクリン・デラノ・ルーズベルトの追憶に献呈されたようですね。
コルンゴルトが、最も表現主義に近接した作品でもあったのが、買った動機でもあります。
個人的には、フィナーレ冒頭のチェレスタ、木管を聴いて、ホーム・アーロン2やハリー・ポッタ―1-3作目あたりのジョン・ウィリアムズを連想しながら、ほほえましく聴きました。最初は、メスト盤も候補に挙がりましたが、フランスとドイツが混ざった街であるストラスブールのオケで聴けるという理由だけで、この演奏にしました。ウェルザー・メスト盤は、youtubeで演奏ぶりが確認できますが、かなり快速で、曲のダイナミズムが伝わってくる演奏ですね。
投稿: Kasshini | 2012年12月20日 (木) 16時04分
Kasshiniさん、こんにちは。
Mアルブレヒトの演奏は、わたくしもストラスブールフィルゆえ気になっていた1枚です。
録音もいいのでしょうね。
しばらくこの曲を聴いてませんでしたから、久しぶりに聴いてみたくなりました。
手持ちは、こちらのプレヴィンに、ケンペ、メストの3種で、いずれもお気に入りです。
投稿: yokochan | 2012年12月22日 (土) 14時14分
昨日のことは、うまく言葉にできませんが、それについては、また後日触れようと思います。
さて、この作品。コルンゴルト自身は、気に入っていた作品ではないかなと思うようになりました。
死の都は、ヴァイオリン協奏曲に繋がるロマンティズムがあると思います。
この作品は、ヘリアーネの奇跡、映画 二つの世界の狭間での系譜に繋がる作品だと思います。響きも、バルトークや表現主義に近接してきますが、もともとコルンゴルトは、調性音楽が持つ霊感とシェーンベルクらが試みた不協和音の融合を試みた作曲家でありゆえに、自作では、ヘリアーネの奇跡が最高傑作と述べたわけで、この作品は、集大成なのかなと思うようになりました。
投稿: Kasshini | 2013年9月17日 (火) 15時21分
Kasshiniさん、先日は失礼しました。
自身不甲斐ないとともに、どうやっても行けないことに憤慨しましたが、もう吹っ切れました。
またなんとかします。
先日、某ショップで、この交響曲のフレーズが流れてました。
でも違う。
で、ジャケットを見たら、ゲルハルトの指揮するRCAの映画音楽オケ盤でした。
持っていたのに、全然記憶になく驚きました。
これはまたあらためて記事にしたためてみたいです。
コルンゴルトを体系的に聴いてくると、ご指摘のような系譜の色分けが出来ると思います。
ありあまる豊富な旋律を、いろんな局面で使い分けているところも、気がついてきます。
いずれにしても、コルンゴルトの魅力はわたしにとって増すばかりです。
投稿: yokochan | 2013年9月18日 (水) 23時56分