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2006年10月27日 (金)

ラフマニノフ 交響曲第3番 ウェラー

Rachmaninov_weller ラフマニノフの交響曲シリーズ、しばしの間をおいて3番を聴く。
2番が大成功して、すぐに次の交響曲を手掛けるかと思いきや、ピアニストとしての名声も高まり、演奏旅行に明け暮れ多忙となってしまった。
そして、ロシア革命まで起こり、パリに亡命せざるを得ず、ついでアメリカに永住することなった。
そんなこんなで、3番の交響曲に筆を染めたのは、2番から実に30年。

こんなブランクがなければ、あといくつ交響曲が残ったろうか?
私は、パターンは同じでも、ラフマニノフの交響曲はいくつあってもいいと思うんだが。

結局この3番の交響曲は、1936年に、ストコフスキー指揮のフィラデルフィア管で初演された。ストコフスキーと同様、作曲者と交流のあったオーマンディも初演を望んでいたらしい。ちょっと楽しい音楽史のひとコマ。
 フィラデルフィアといえば、現音楽監督の「エッシェンバッハ」が退任するという。
リベラ33さん」に教えていただいた。残念なことだ。

3楽章形式の、35分たらずのこの交響曲は、相変わらずラフマニノフ特有のロマンテックな歌の歌謡性に満ちていて、聞きやすい作品だ。
ラフマニノフは、自分の心に常にあるロシア音楽を、単純率直に作曲したと言っている。

3楽章すべてに甘く憧れに満ちた旋律が溢れているし、2楽章後半のスケルツォ風の部分や終楽章における生気に満ちた活気も、いかにもこの作曲家らしい。
 これから冬にかけて、ますます冴え渡る音楽に思う。

元ウィーン・フィルのコンサートマスター、まさにウィーンでしかなかった四重奏団。
これらの顔から、指揮者「ワルター・ウェラー」は浮かんでこない。
70年代半ば、指揮者になってから、このラフマニノフやプロコフィエフ、ショスタコーヴィチなどを次々に録音していた。実に不思議なキャラクターだと思っていた。
 今こうして、ラフマニノフの演奏を聴いていると、すっきりさわやか、粘りなく実に流れのいい演奏だ。オーケストラがロンドン・フィルという弦の渋い優秀オケだということもあって、実にまとまりよく、ビューティフルな音楽に仕上がった。
 音楽批評ではコテンパンにやられていたが、プレヴィンにも通じるところもあって私はこんな弦主体の美しいロシア系音楽の演奏が好きだ。
 昨年、読響を振った「エド・デ・ワールト」の演奏会でこの曲を始めて生で聴いたが、ワールトも美しさの際だった演奏だった。しかし、全体を統一するような暗示的なモティーフの扱いや、まとまりの良さは、ワールトのほうがかなり上だった。

ラフマニノフはいい。酒なくしては聴けないのが難点だが。

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コメント

初演は36年ですか。この年はフィラ管にとってはひとつの節目で、この年からオーマンディが共同指揮者として招かれたのです。当時、大スターだったストコを前に、オーマンディはおとなしくしていたのだろうと思っていたのですが、文献によると意外にも率直な意見を言っていることがわかり、この作品の初演でも自分の希望をはっきり言ったのだろうなぁ、と思われる節があります。
確かこの作品は作者の指揮、フィラ管の演奏で録音があったと思うのですが、ちょっと確認できませんでした。

投稿: リベラ33 | 2006年10月28日 (土) 19時11分

36年とはそのような年だったのですね。オーマンディとストコフスキーは初演魔ですな。ラフマニノフとフィラ管も縁の深い組合せなんですね。

投稿: yokochan | 2006年10月29日 (日) 00時32分

こんにちは。2番もいいけれど、3番もいい、好きですよ。
酒なしでは聴けませんか?ハハハー。
昨年ワールト/読響の生演奏を聴かれた由、私はこの指揮者の
ロッテルダム・フィルの盤を愛聴していますので、TBさせて
もらいました。

投稿: | 2006年10月30日 (月) 09時55分

丘さん、コメントありがとうございます。
3番のあっけなさが、私は以外に好きです。ロッテルダムのワールト盤は、なかなか手にはいりません。初めて聞いたのがマゼール・BPOのFMライブで、真冬でした。その時飲んでいたホット・ウィスキーの味が忘れられません。

投稿: yokochan | 2006年10月30日 (月) 22時24分

yokochanさん、こんばんは。
拙ブログにてラフマニノフの交響曲第3番を取り上げましたのでTBさせていただきましたm(_ _)m
私は残念ながら、まだラフマニノフの交響曲に開眼しているとは言い難いのですが、yokochanさんのブログを拝読し、聞きなおしてみようという思いに駆られております。

まことに勝手ながら、貴ブログを拙ブログのリンク集に登録させていただきました。よろしくお願いいたしますm(_ _)m

投稿: Niklaus Vogel | 2006年11月 8日 (水) 21時39分

Niklaus Vogel さん、こんばんは。コメントとTBありがとうございました。そしてリンク登録、光栄です。
私はラフマニノフは酒をいただきながら、音楽に一緒に酔ってしまうという、どちらが肴かわからないような聴き方をしてます。
時にドップリと、また時には一歩退きながら、そんな付き合いです。
どちらも体に悪そうですから(笑)
私のほうもリンク登録させていただきました。どうぞよろしく。

投稿: yokochan | 2006年11月 9日 (木) 00時59分

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受信: 2006年10月30日 (月) 09時45分

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受信: 2006年11月 8日 (水) 21時35分

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