ルツェルンの思い出
一生の思い出に残ろうか、とも思われる感動のコンサートの余韻がまだ残っている。それを補完するように、昔ルツェルンを訪れたときの写真を引っ張りだしてみた。1989年のこと。
実は、新婚旅行だったのですわ。少人数のツアーで、非常にフレキシブルな内容で、スケジュールに追われないゆったりしたものだった。
ルツェルンには一泊したのみだが、小さな街なので大方見学できた。 有名な「カペル橋」は、私のような素人でも、こんなに素敵な写真が撮れるくらいの名アングル。この数年後火災で消失してしまったが、すぐに復興している。この橋の内部は、中世の街並の絵や宗教画、イエスやマリアの像などが配置されていた。
ルツェルン湖を取り囲むような、街はそれはそれは美しい街だった。
市街地も整然と整備されていて、スイスの他の都市と同じくゴミひとつ落ちていない清潔さ。ケーキ屋、パン屋、チョコレート屋、ブティックなどなど、女性ならため息がでてしまうくらい、かわいい店が石畳の路地に並んでいる。
夜に一人で散歩をしてみた。
こんな光景が街のそこここにある。「マイスタージンガー」2幕のように、「にわとこ」の花の香りがして、窓から「エヴァ」でも顔を出すような雰囲気。
当時は、今の祝祭劇場はまだなかった。かわりに「クンスト・ハウス」という音響のいいホールがあって、よくFM放送でライブが聴けたものだ。
湖のほとりに、小さな「オペラ・ハウス」があった。
近付いてみると、歌声が聞こえる。なんと、大好きなチレアの「アドリアーナ・ルクヴルール」であった。しばらく時の経つのを忘れて甘く切ない音楽に聞き惚れ、春の宵のなか、立ち尽くしてしまった。
1日でこの美しい街が大好きになってしまった。
そして、この街に集まる音楽家達とアバドがこれまた素晴らしいコラボレーションを生み出すことになろうとは、当時は夢にも思わなかった。
まだ見ぬバイロイトと美しいルツェルン、私の2大聖地となった。
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コメント
こんにちは♪ このエントリーに掲載されている「瀕死のライオン」像の写真を拝見して、KiKi もずいぶん前にルツェルンに行った事があることをようやく思い出しました。 もっとも KiKi の場合はスイスに到着したらかなりあっという間にインターラーケンを目指すツアーだったので、ルツェルンには宿泊すらしていないし、恐らくは「瀕死のライオン」までの間は往路の飛行機疲れ & 寝不足によりぐっすりと眠りこけちゃっていたように思うし、カペル橋さえ行っていないので、「行ったことがある」というよりは「通り過ぎたことがある」程度なのですが・・・・・。
今回の演奏会を契機に、KiKi にとってもルツェルンはあまりにも印象深く心に刻まれた地名となりました。 そのうち、ご一緒にルツェルン & バイロイト詣ででもいたしましょうか?(笑)
投稿: KiKi | 2006年10月22日 (日) 09時33分
いいですね、聖地巡礼。冗談抜きに死ぬまでに一度やってみたいですよう(笑)今でも鮮明に覚えてますね、あの街の美しさと「復活祭」の頃の緩やかな空気。もう、むちゃくちゃ行きたい!!
投稿: yokochan | 2006年10月22日 (日) 11時08分