ブラームス セレナード第1番 アバド
今日はいい天気。日差しは暖かいけど、空気はちょっと涼しい。
思い切り深呼吸すると、ほんとに気持ちがいい。
こんな秋晴れに日は、月曜にもかかわらず、ブラームスがいい。
ブラームス25歳(1858年)の若書きの作品11のセレナードを聴く。
ほんの少しあとに作曲された、管楽のための2番と対をなすこの1番は、フルオーケストラのために作られた。
全6楽章、若いとは言え、全編どこをとってもブラームスそのものの音がする。
明るい活気に満ちた1楽章から泣かせる。今日のような天気のいい日に、草原に大の字に寝て聞いて見たいような曲だ。ほんとにいい曲なのだ。
3楽章のアダージョの静やかな様子は、後年の交響曲の緩徐楽章そのもの。
内省的だが、もう少し青臭く、回顧的でなく、今青春を愁う様子が感じられる。
哀愁にみちたメヌエットやスケルツォ、快活な終楽章。
後年の重苦しい北ドイツ的な雰囲気は皆無なのだ。
アバドが81年に音楽監督になる前のベルリン・フィルを指揮した演奏は、アバドの気質にピッタリあった曲だけに悪かろうはずがない。
どこまでも明るく、屈託がない。リズムは弾み、音楽は次から次へと進み、旋律は晴れやかに歌われ、決して低回しない。
まだカラヤンが頑張っていた時期だが、そろそろコンビに隙間風の吹きだした頃。
アバドの明るい色調の音楽作りに、ベルリン・フィルが嬉々として楽しそうの取り組んでいるのがよくわかる。このコンビの超名作、第1回目の2番の交響曲を思い起こすような素敵な演奏がこれである。
デビュー間もないアバドとベルリンのセレナード2番も、滴るような美演。
今年、アバドは「マーラー・チェンバー」とこの1番を演奏するはず。
若さにどんどん逆戻りするかのような、マエストロ。聴いてみたいもの。
| 固定リンク
コメント
今晩は。このCD、私も持っております。
曲も演奏も大好きです。
他の指揮者の演奏と聴き比べてみたいとおもっておりました。ところがベルティーニもスラトキンもMTTも廃盤。チクショーと思っておりました。
ところが今日レコード芸術を立ち読みしたら
MTTのセレナード2曲とメータの家庭交響曲が再発売されると言うではありませんか!
父の容態もよくなっておりますし、こんなにいいことばかり続いていいのかと怖いほどです。
しかも最近面白い女性と知り合いました。相性はいいです。今度はうまくいくかもしれません。ブログ主様が
仰っていたようにジークムントの春はくるものなのですね!(嬉し泣き)
パトリシアさんについては明日書かせていただきます。
投稿: 越後のオックス | 2009年11月 1日 (日) 20時55分
越後のオックスさん、こんばんは。
ブラームスのセレナードは、若書きの交響曲のようで、私も好きな2曲です。
2番は、これまたシュナイト&神奈川フィルが素晴らしかったですし、おまけにそのコンサートではシューマンの2番という超名演もありました。
アバドは、マーラーチェンバーと再録音しておりまして、そちらも室内楽的ともいえる緻密でかつ伸び伸びした演奏ですよ。
相性よさげな女性との出会いですか!
いやぁ、若いってうらやましいです。
私なんぞ、春過ぎて、秋真っ盛り。冬の姿もチラチラしてますよ。
春は一気に花開きますから、これからですよ!
投稿: yokochan | 2009年11月 1日 (日) 21時21分
今晩は。MTTのブラームス・アルバムをhmvに注文いたしました。2枚組で、ブラ・シェンもカップリングされています。ただ問題なのは、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番のシェーンベルク編曲版に、おまけで入っていたはずのバッハのオルガン独奏曲2曲が入っていないらしいのです。困りましたねぇ・・・・
投稿: 越後のオックス | 2009年11月 3日 (火) 00時59分
越後のオックスさん、こんばんは。
再発ものの難点は無用なカップリング替えですよ。
いつも腹の立つのは、復活はいいけれど、こっちをとれば、あちらがなくなる、またはまた付いてくるダブりとかですな。
本来のオリジナルは、演奏者が考えたカップリングであり、全体で1枚の作品なのですからねぇ。
投稿: yokochan | 2009年11月 3日 (火) 19時32分