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2006年11月17日 (金)

J・ロッホラン指揮 日本フィルハーモニー 演奏会

Nihon_phill_1 今日は日本フィルの定期公演を聴いた。コンサート続きなので、自制をしなくては、と思いつつも、英国指揮者に英国プログラムの魅力には打ち勝てず、聴きにいってしまった。

     エルガー ヴァイオリン協奏曲
                      Vn:川久保賜紀

             ホルスト 組曲 「惑星」

どうだ!といわんばかりの、英国音楽の王道プログラム。
ホルストはともかく、エルガーは反射神経が刺激され、聴く前から、よだれが出そうな状態。

スコットランド生まれの指揮者のロッホランは、以前より日フィルに客演し、それこそエルガーの交響曲などを指揮していたらしいが、何故今まで聴いてなかったのか、残念。ともかく初めての指揮者。
バルビローリ亡きあとの「ハルレ管」の主席をつとめ、バンベルク響の指揮者にもなった。
レコードデビューは、ブラームスの交響曲のシリーズだったと記憶するが、70年台当時の私はイギリス産のブラームスなんて、見向きもしなかった。でもなんといっても、エルガーの素晴らしい交響曲の録音を残していて、その人のエルガーが聴けるのだ。

最愛のエルガーの管弦楽作品はどれもたまらなく好き。交響曲にエニグマに序曲、そしてヴァイオリン協奏曲!! 初めて生で聴くだけに期待もひとしお、惑星より、こっちの方が楽しみだった。3楽章からなる50分あまりの長大作品だが、おおらかで、ノーブルかつ熱い情熱にも満ちていて、そう、どこをとってもエルガーそのものなのであります。第2楽章の抒情の雫は震えるほどだし、冒頭の主題が終楽章の終わりに現れるエルガーお得意の回顧シーンは、ここでも感動的。

Tamaki_kawakubo 川久保賜紀さんのヴァイオリンには、猛烈に感動した。小柄で華奢な彼女がこんな大曲をどう弾きこなすのだろう?最初は何となく手探りの雰囲気もあったが、徐々に熱を帯びてきて、体全体を揺らしながら、音楽に没頭してゆく。
オケだけの場面でも、音楽を体で感じて気持ちよさそうに乗っている。
2楽章での切々たる歌には、こちらも胸が切なくなってしまった。
圧巻は、終楽章。速いパッセージの連続する難曲を軽々と弾きまくる。
それは、無機的な技術一辺倒なものではなく、歌と情に満ちたエルガーの音楽の素晴らしさと彼女の情熱的で、豊かな表現力が見事に結びついた幸せの瞬間だった。最後の方は、感激が波状攻撃のように押し寄せてきて、ドキドキのしっぱなし。
オーケストラもエルガーを極めた指揮者に導かれ、渋いながらも充実したサウンドを聴かせてくれた。最高のエルガーが聴けて、前半で満足の極みに。

後半は、大半の聴衆とは逆に、自分にはオマケみたいに思っていたが、どうしてどうして、すげぇナイスな演奏。(ひねくれた私、素直に惑星も好きと言えばいいのに)
派手なところはなく、カッチリとまとまった惑星。土星がすこぶるよかった。

苦言をひとつ。舞台側面のLA席だったので、真横からオーケストラを眺める状況。
お隣の方、エルガーでは、死んだようにしていたのに、惑星になったら、身を乗り出し、活躍する打楽器群を覗き込んだり、木星のあの場面では、連れに合図をだしたり、ともかくきょろきょろと落ち着きがない。こちらの視野にその動きが入るものだから、気になってしょうがない。裏拳でもかましてやりたくなった。
コンサートは楽しいけれど、逃げようのないこんなハプニングを思うとツライものがありますな。

Kawakubo_l 本日、お気に入りに追加! 川久保賜紀ちゃん。

   

Dsc00402 サントリーホールのカラヤン広場のツリー。
今年もこんな季節になった。

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コメント

川久保賜紀、よかったでしょう!僕も今年、りゅーとぴあの東京交響楽団定期で、ショスタコーヴィチの協奏曲(実を言うとあんまり面白くない曲だと思っていたのですが)の素晴らしい演奏を聴いて、ファンになりました。エルガーの協奏曲はコンサートのプログラムになかなか乗らない曲なので、JUNじさん、得をしましたね。

投稿: IANIS | 2006年11月18日 (土) 08時42分

IANISさん、おはおうございます。
そうです、彼女、小さな体から音楽がにじみ出てまして、そうした意味でのビジュアル系でもありました。
エルガーのこの曲に彼女はピッタリでしたよ。そして、つくづくいい曲。

投稿: yokochan | 2006年11月18日 (土) 09時54分

こんにちは。
うー、エルガー&ホルストときたら行くしかなかったんですが、自分で約束を入れてしまい行けなくてちょっと後悔。エルガー良かったみたいですね。
サントリーは私は舞台横から見る席大好きで最近はいつもそこらへんを選んで買っています。でも、ヘンな客が近くにいるといいコンサートでも本当にソンした気分になります。
サントリーもクリスマスっぽくなってきたようですね。

投稿: naoping | 2006年11月18日 (土) 12時55分

naopingさん、こんにちは。そうです、こんなプログラム組まれたら行くしかありませんでした。そしてエルガーは、大満足の出来栄え。
それにしても、隣りのおっさん、鬱陶しかった!
サントリーホールは、来年半年くらい、工事休場するんですね。

投稿: yokochan | 2006年11月18日 (土) 21時08分

こんばんは。
このコンサート、私も是非行きたかったのですが、どうしても都合がつけられなくて断念しました。
エントリーを拝見して、ますます後悔しております。(笑)
川久保さんは2年ほど前に読響でハチャトゥリアンのコンチェルトを弾くはずだったのですが、直前に手を怪我したとかでキャンセルになってしまいました。
それで次に機会があればと狙っていたのですが、何としても行けばよかった・・・。

隣の人の件ですが、こんな人って絶対いますよね。
本人は、どんな状況になっているか、まったく分かっていないんだと思います。
いい年をした大人を前にしてどうかと思いますが、ホールで事前にアナウンスするとかしてもらった方がいいかもしれませんね。

>裏拳・・・
ときには必要かも・・・(爆)

投稿: romani | 2006年11月18日 (土) 23時15分

romaniさん、こんばんは。
いいでしょ、このコンサート。隣人を除けばパーフェクトでした。
川久保嬢は、ハチャトリアンなんてのもすごくよさそうですね。
後期ロマン派系がお似合いの彼女だと思います。

最近、「身を乗り出したりせず、周りのお客様にご配慮ください」とかいうアナウンスをどこかのホールで聞いて、何もそこまで、と思ったのも束の間・・・・。有名曲のコンサートには起こりうる出来事ですので、そんなアナウンスも必要かも、ですよね。

投稿: yokochan | 2006年11月18日 (土) 23時49分

 11月は京響の全国ツアーを追っかけておりまして(Kitaraまで行ってきました)、それがなければ是非聴きに行きたかったところです。ヴァイオリン協奏曲はチェロ協奏曲に比較して人気はイマイチですが…わたくしはむしろヴァイオリンの方が好きです。もちろんチェロの方も大好きですが、こちらは聴く前に相当の覚悟がいるものでして…。

 ヴァイオリン協奏曲は残念ながらナマでは一度も聴いたことがありません。あまり採り上げられないでことでしょうし、惜しいことをしました。

投稿: 旧 Cafe ELGAR 店主 | 2006年11月26日 (日) 17時43分

「旧Cafe ELGAR店主」さま、こんばんは。
キタラに行かれましたか!いい雰囲気のホールでしょう。実は私も、札幌出張が入れば、札幌で京響を、と目論んでたんです。
次月に延びてしまったため、逆に日フィルの素晴らしいエルガーが聴けました。
私もどちらかというと、ヴァイオリン協奏曲の方が好きです。長いけれども、よりノーブルで田園的で思い切り浸れます。

投稿: yokochan | 2006年11月26日 (日) 23時16分

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