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2006年11月30日 (木)

「ドーン・アップショウ」 ソプラノ・ポートレート 

Upshaw めっきり寒くなってきたけど、まだコートを羽織るのも我慢できるくらい。
仙台・福島・栃木と周ってきたが、拍子抜けするほど暖かい。

今日は、温もりのあるソプラノの歌声が聴きたくて、愛聴盤の「ドーン・アップショウ」のベスト盤を取り出してみた。
アップショウと言えば、一時期、流行った「グレツキの悲しみのシンフォニー」を思い起す人も多いかもしれない。今はグレツキはどうしちゃったんだろう?
このアルバムの最後にも、その第2楽章が収められていて、あらためて聴いてみると反復繰り返しの単純な美しい旋律の中に、深い悲しみと慰めが込められいて心を打つ。
今を時めく「ジンマン」が指揮しているのも驚き。
ここで聴かれる「アップショウ」の透明な歌声は、シンシンと降り積もる純白で静謐な雪景色を思わせて、ちょっと参ってしまう。

アップショウは生粋のアメリカ娘。1984年のデビューだからもうベテランだけど、いつまでも私の印象は若々しく、しなやかな雌鹿のようなイメージが強い。
レヴァインに認められ引き上げられ、メトの売れっ子から、モーツァルトのスーブレット系を得意にする歌手として、本場でも大活躍した。今は、フランス物も素晴らしく、現代音楽まで幅広くこなす、ユニークな立場を確立している。

一番最初に彼女の声を聴いたのは、NHKで放映されたメトの「ナクソスのアリアドネ」での「エコー」役。指揮が巨漢レヴァイン、でかいノーマン、盛りを過ぎてしまったキングなどの強烈な個性のなかで、アップショウは羽毛のように軽やかで優しいタッチの歌声を聞かせていて、すぐに好きになった。
バーバラ・ボニーやシルヴィア・マクネアらと同系列の、すっきり・さわやか・クリア路線なのだ。それでいて、抜群の歌唱力とテクニックがある。

ベスト盤なだけに幅広く彼女のレパートリーが楽しめる。
モーツァルト、シューベルト、ウォルフらの本格歌曲、カントルーブ、ストラヴィンスキーなどの民族的な歌、前述のグレツキ。そして一番素晴らしいのが、アメリカもの。
コープランド、ミュージカルもの、中でもバースタインの「キャンディード」は、まったく手の付けようがないくらい素敵。悲しんだり、喜んだり、感情の起伏が彼女のきめ細かで生き生きとした歌で手に取るようにわかる。もの凄いテクニックに、身も心も奪われてしまいそう。
この曲は、そう「ナタリー・デッセー様」も得意としているが、英語の言葉の明晰さでは、アップショウの方が勝っているから凄みがある。

さあ今晩もイイ夢が見れそうだ。

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