パトリシア・プティボン 「フレンチ・タッチ」
「パトリシア・プティボン」この素敵な名前のフランスのソプラノをご存知だろうか。名前だけは、ずいぶんと洒落ていたものだから、以前から聞いたことがあった。苦労して入手したこのCDで実際聴いてみて、ビックリ。
完全に心を奪われてしまったよ。オヤジですから余計に。
まず見てちょうだい。このキュートなお姿。
そしてお姿ばかりか、その歌も抜群によろしいの。
彼女は1996年のデビューだから、まだキャリアは10年と若い。
ウィリアム・クリスティに見出され、当初からバロック系の歌を数々手掛け、その後モーツァルトやフランス・オペラにも進出し、ヨーロッパでは人気歌手の一人となっている。R・シュトラウスの諸役も歌っているから、これまた私のストライク・ゾーンを刺激してくれちゃうわけだ。
こうした経歴やレパートリーを見て真っ先に思い浮かぶのが、そう「ナタリー・デッセイ」さまである。プティボンはナタリーの妹分のような路線を走っているわけ。
そして、どちらも知的で考え抜かれた洗練された歌を聴かせてくれる点でも同じだ。
このCDは、グノー、マスネ、ドリーブ、オッフェンバッハ、シャブリエ、アーン、メサジュ等のアリアが15曲たっぷりと収められている。
1曲ごとに、感嘆し、ため息をつき、キュンとなりで、まさに一刻たりと聴き手を捉えて離さない魅力に満ちている。
優しく美しい声は、リリコの典型だが、コロラトゥーラのテクニックも完璧。
機械的にならず、血の通った暖かさがある。曲によっては、神妙にシリアスな歌唱を聴かせてくれるが、コミカルな曲では、一転はね飛び、はじけるようないきいきとした抜群の歌を披露してくれる。
まったくもってすごい。「オフェンバックのオランピアの歌」の超絶的な声による演技は、驚きを通り越して、楽しいという意味で度肝を抜かれる。
ナタリー・デッセイが、大人の女性を感じさせるのに対し、パトリシア・プティボンはお茶目な若い女性を感じさせる。
このCDの最後に、お楽しみのプレゼントがあり、お父さんはすっかりマイってしまったヨ。
彼女のCDはまだあまり多くない。クリスティやアーノンクールとの共演で、いまのところ、バロック・古典が主力。気になるのはその活躍に比べ、録音が途絶えていることか。
デッカの専属らしいが、ビジュアル路線に乗せてガンガン録音して欲しいもの。
来年5月、来日の報もあり、楽しみ楽しみ。
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コメント
こんにちは。さすがにJUNじさん、情報が速い。「小吉」ちゃんのクリップも見ました。名前は知っていたけど、確かに可愛い。声はナタリーのデビュー時よりもう少し線がハッキリしているような感じがありますね。
しかし、最近の歌手はたいへんダっ!声もそうだが演技、さらに容姿まで問われるんだから。巨漢ディーヴァっていったら横綱イーグレンとブリューワー位?
投稿: IANIS | 2006年11月 5日 (日) 08時24分
IANISさん、こんにちは。そうです「小吉」ちゃんですね。
聴く度に惹かれてしまいます。ナタリーとはまた別の個性も見出されそうで楽しみな「小吉」ちゃんです。
巨漢をあとあげるとすると、マークとヴォイト(少しダイエットしました)がいらっしゃいます・・・・。
投稿: yokochan | 2006年11月 5日 (日) 11時28分
こんばんは。
パトリシア・プティボン、素敵な名前ですよね。
私は今年のザルツブルク音楽祭のガラコンサートの映像で、初めて彼女の歌っている姿を見ました。
折れそうなくらい細身で、キュートで、たまりませんね。(笑)
確かにデッセイと共通するものを感じます。
来年2人とも来日するのでしょうか。
本当に楽しみです。
投稿: romani | 2006年11月 5日 (日) 18時45分
romaniさん、こんばんは。ザルツブルクのモーツァルト・ガラは見逃してしまいましたが、大物達に混ざって一際輝いていたみたいですね。
来年は姉妹(?)で日本にやってきます。嬉しいけれど、他にもすごい来日が目白押しなので、今から懐具合が心配です。
投稿: yokochan | 2006年11月 5日 (日) 21時42分
はじめまして。
プティボンの記事を発見しましたのでTB(2本)させて頂きました。プティボンにはチューリッヒの「後宮からの逃走」の映像に一発でKOされてしまいました(^^;)。以来、集めた映像、CDソフトを以下のURLに載せていますのでお暇な時に覗いてみて下さい。皆さんがおっしゃるように、とてもキュートで声の魅力に溢れるソプラノですね。ポストN・デセイの最有力候補です。
http://www.d1.dion.ne.jp/~kawaiys/sub44.htm
投稿: YASU47 | 2006年11月12日 (日) 23時08分
YASU47 さん、はじめまして。いやぁ、拝見しました。素晴らしすぎます。
私なんて、最近目覚めたばかりなのに、大先輩にお越しいただいて大変恐縮しております。私は以前レコ芸で見て以来、気になっていた彼女。
一時忘れ去っていたのに、某CDショップで発見して、次に購入しようと思っていたら、もうない! やっとの思いで地方ショップで手に入れ、すっかりはまりました。バロックのアリア集は一昨日、お茶の水でGETでした。
来年が楽しみでなりません。またいろいろお教え下さい。
ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2006年11月13日 (月) 23時06分