バッハ ゴールドベルク変奏曲 ペライア
昨日は、名古屋に出張、そして大阪もこじつけ出張を作成し、晩に大阪入りし千秋楽を控えた「EINSATZ」に向かった。
ホテルから、北新地まで向かう途中、茶屋町あたりのイルミネーション。
今年は、どこの街に行ってもこんな美しい光景がたくさん溢れている。
省エネによる電力削減なんて昔の話なのかな、原油高なのに・・・。
「前向き閉店」を1週間後に控えたアインザッツで、常連の方々と再びお会いすることが出来ました。初めてお会いするのに、以前からの知り合い感覚になってしまうところが、音楽が取り持つ楽しい出会いと言えましょう。
こんな出会いと、語らいの場を提供してくれた「アインザッツ」さん、マスター、ありがとうございました。画像は店内の一隅。いいでしょ。
皆様、楽しいひと時をありがとうございました。
このところ、ヘヴィーな曲が続いたので、おやすみ前の1曲は「ゴールドベルク変奏曲」を聴く。
1741年、バッハが不眠のロシア大使のために書いた、アリアを前後に挟んだ30の変奏曲。
この曲といえば、「グレン・グールド」の2度にわたる録音があまりにも有名。ことに晩年の2度目のものは、聴くわれわれを呪縛してしまう個性的な演奏で、これを聴いてしまうと普通のピアノ版による演奏がユルく感じてしまうから困る。
グールドと同じCBS(ソニー)にペライアが録音したこの演奏は、いくつも聴いたわけではないけど、グールドとはまったく異なるステージにあって、これはこれで素晴らしいと思わせる1枚。すべてが自然で美しい。繰り返しを忠実に行っているため73分もかかっているが、全然長く感じない。3曲ごとにカノンが入りかなり緻密な構成で作曲がされているが、ペライアのピアノには、そんな難しいことは少しも感じさせない。
どちらかといえば低音は押さえ気味で、明くるく軽い印象を与えるが、ひとつひとつの音の粒立ちの良さは実に新鮮で飽きがこない。
以前、アバドとヨーロッパ室内管と一緒に来日し、ベートーヴェンのチクルスを演奏した時、私は2番の協奏曲を聴いた。第2楽章でペライアが作り出した繊細で壊れそうな響きに息を飲んだ憶えがある。
あれからすいぶん時がたったが、そのイメージはだいたい当てはまるし、それ以上に余裕のようなものが感じられ、青年が熟年になったような印象をもった。
最後にアリアが再び弾かれる時、全曲を締めくくる満足感とともに、「さあこれで、おやすみ」的な気分になるものだが、今日のペライアの素敵な演奏に目が冴えてしまった。
発泡酒1本にとどめ、プチ休肝日と決め込み、コーヒーなんて飲んじまったものだから、余計に眠れない。どうしてくれる、バッハさん・・・・・。
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コメント
こんばんは。
この曲をピアノであればグールドの新盤かこれをよく聴きます。ペライアのピアノは自然でふくよかです。
この音楽を昔、なんとか伯爵のオヤスミ用音楽として知りましたが、CDを入れるくらいのソリストの演奏は気合が入っていて、眠れないものが多くて困ってしまいます。
投稿: 吉田 | 2006年12月14日 (木) 23時48分
こんばんは。ピアノは私もそのふたつに、ゼルキンの新盤です。
チェンバロだと何だか違うカテゴリーの曲だと思ってしまいますが、こちらの方がオヤスミ系の音楽かもしれませんね。
投稿: yokochan | 2006年12月15日 (金) 00時52分
先日は誠にありがとうございました。楽しいひとときを過ごさせていただきました。常連様につきましてはこれからも連絡を取らせていただきお付き合いいただきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。「東京サミット第2弾」も年明けにはぜひと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
投稿: einsatz | 2006年12月15日 (金) 02時18分
今晩は。
昨日は痛飲してしまい、JUMじさんのホームページは今日になって読んでます。僕はチェンバロでこの曲を聴く習慣がなく、全部ピアノです。グールドの新盤、フェルツマン、ヒューイット、それにペライア。
ペライアは、安らいで聴けるのが好きな点。正面から立ち向かうときはグールドなんでしょうが・・・。
投稿: IANIS | 2006年12月15日 (金) 19時50分
先日はありがとうございました。久々に楽しくてつい、ハジケ過ぎてしまったかもしれません。あの晩のテンションはご迷惑でなかったでしょうか。
アインザッツは無くなってしまいますが、また大阪へお越しの際はマスターを強制連行していーい味出している居酒屋にでも行きましょうね。
また再会をお待ちしております。
投稿: リベラ33 | 2006年12月15日 (金) 20時25分
einsatzさん、こんばんは。先日は大変お世話になりました。
こちらこそ、引き続きお付き合いのほどお願いいたします。
「東京サミット」楽しみにしてますね。
来週も大阪入りしますので、本当の最後の訪問を楽しみにしてます。
投稿: yokochan | 2006年12月15日 (金) 23時25分
IANISさん、こんばんは。年末は酒をとるか音楽をとるか悩ましい日々が続きますね。たしかにグールドとペライアの聴き方の違いはおっしゃる通りです!ヒューイットやフェルツマンも気になりますね。
投稿: yokochan | 2006年12月15日 (金) 23時28分
リベラさん、こんばんは。先日はこちらこそ、ありがとうございました。
ほんとに楽しかったです。腹抱えて笑いました。
大阪で今後もお付き合いくださいまし。
次週も大阪入りしますが、ミナミで遅くなりそうです。einsatz入りも遅くなるかもしれませんのでお会いできないかもしれませんね。
投稿: yokochan | 2006年12月15日 (金) 23時32分
こんばんは。
先日、大阪では大変お世話になり、ありがとうございました。
また、シュタインの映像拝見しました。
素晴らしかったです。
とくにプライのオケ伴のシューベルト、絶品ですね。
宝物になりそうです。
また今度は是非名古屋サミットなどを・・・。
楽しみにしております。
投稿: romani | 2006年12月20日 (水) 00時13分
romaniさん、こんにちは。こちらこそお世話になりました。めちゃめちゃ楽しかったです。
永遠の青年プライ、若いですよね。楽しんでいただきうれしいです。
名古屋サミット、いいですね。名古屋にも環を広げましょう。
投稿: yokochan | 2006年12月20日 (水) 12時52分
お早うございます。
編曲もののバッハに目がない寂しがりやの越後のオックスです。私はグールド新盤やレオンハルトやアンドラーシュ・シフで聴いています。でも一番好きなのはバイオリニストのシトコヴェツキーが弦楽オケ用に編曲したゴルドベルクですね。ブランデンブルク協奏曲の3番や5番や管弦楽組曲第1番を思わせる陽気で快活で華麗な音楽に生まれ変わっています。シトコヴェツキーはピアノ三重奏版ゴルドベルクも録音しているはずですが未聴です。どんな編曲をしてもバッハの音楽に聴こえるのがバッハのすごいところだとおもいます。
投稿: 越後のオックス | 2009年10月31日 (土) 05時03分