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2006年12月11日 (月)

ツェムリンスキー 「抒情交響曲」 シャイー指揮

Chailly_zemlinsky














  コンセルトヘボウ第5第音楽監督は、「リッカルド・シャイー」で、1988~2004年の16年間をつとめた。
楽団創立は1888年で、もう120年の歴史があるのに、5第目というのも少ない感じだが、それぞれが長きにつとめるのも、このオーケストラの特徴。自分達のシェフにとことん付き合って、お互いの個性の融和を見出して行く、ある意味伝統のようなものを感じる。

シャイーの就任は、当時以外だったし、初めて自国以外の音楽監督が選ばれたことで、このオーケストラの個性が変わっていくだろうと予見させたものだった。
その就任により、まずレーベルがフィリップスからデッカに変わった。レパートリーこそ当初慎重に売れ筋をなぞったが、徐々に近現代ものを取上げるようになり、個性豊かなシャイー・ワールドを築きあげてしまった感がある。

オーケストラの音は、重心が低かったこれまでと異なり、少し上の方に置かれるようになったし、音そのものは一点の曇りもなく明晰で曖昧さがない。
でもブレンドされた音の響きは相変わらず美しく、コンセルトヘボウならではと思わせる。

そんなコンビの最良の演奏が、一連の「ツェムリンスキー」演奏にある。

この曲を聴くたびに、「グレの歌」や十二音前のシェーンベルク、初期ウェーベルンらと同じ、めくるめく世紀末ウィーンの爛熟の音色に酔ってしまう。
「大地の歌」を強く意識して、ベンガルの詩人「ラビンドラナート・タゴール」の官能的かつ神秘主義的な詩につけた連作歌曲が交響曲と呼べるか否かは、マーラー以上にわからないが、冒頭の印象的な主題がモティーフのようになって全曲を支配していて、7曲の歌曲が非常に統一感があるように感じる。

シャイーとコンセルトヘボウは。こんな一種酩酊したような、世界をキッチリ・カッチリととらえ、少しビターな「抒情交響曲」の演奏が出来上がった。
バリトンは、ベルイマンの魔笛で有名となった万年青年「ハーゲゴード」、ソプラノは太っちょだけどppからffまで、驚異的な歌を聞かせる「マーク」。この二人はむちゃくちゃイイ。

「マゼールBPO、F・ディースカウ夫妻」のLPで開眼したツェムリンスキー・ワールドだけど、今思うと、頭でっかちかもしれない。シノーポリと並んで、シャイーの辛口の演奏は素敵すぎる。オーケストラが美しすぎる。

この曲の唯一の実演経験は、名古屋に単身いた頃、当時名古屋フィル音楽監督「飯守泰次朗」が取上げたもの。バリトンは日本の誇るウォータン「木村俊光」だった。
これが凄い爆演しとったがねぇ~。

いつもお世話になっている、「naopingさんの音源雑記帖」、「Niklaus Vogelさんの音楽鑑賞雑記帖」、このふたつの雑記帖でも「抒情交響曲」が熱く、少しエロく語られてますので、どうぞ。

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コメント

yokochanさん、こんばんは。ご紹介ありがとうございます!(…と言うより、恐縮ですm(_ _)m)
ここ数日のコンセルトヘボウ・エントリーを愉しみに拝読させていただいております。

> オーケストラの音は、重心が低かったこれまでと異なり、少し上の方に置かれるようになったし […]

まったくおっしゃるとおりと思います。もちろん私はシャイー&コンセルトヘボウのすべての録音を聞いているわけではありませんが(実演は2回聞くことができました)、その典型とも言えるのが、ワーグナーの管弦楽曲集ではないでしょうか?

飯守泰次郎氏の実演も聞いてみたいものです。シティフィルとやらないかな…と願っております。

投稿: Niklaus Vogel | 2006年12月12日 (火) 00時23分

Nikolaus Vogelさん、こんばんは。ジョルダンの演奏は未聴ですが、マゼール以来、この曲の録音が急増してますね。
飯守氏のワーグナーを中心としたレパートリーは、私の好きなジャンルばかりなのですが、このところのシティ・フィルの演目は今ひとつ。
来シーズンに期待したいところであります。

投稿: yokochan | 2006年12月12日 (火) 21時47分

こんばんは。
ご紹介ありがとうございます。
そうそう、ちょっとエロイでした。
この曲ホントにいいですよね~。この盤も持っていますよ。しかも飯守さんの実演を聴かれたなんて!実り多い名古屋単身赴任は読むたびに羨ましいです。

投稿: naoping | 2006年12月20日 (水) 23時43分

naopingさん、こんばんは。
ほんま、ええ曲ですね。あと、サロネンのFMライブを持ってますが、それもクールで素晴らしい演奏。高くて買えないエッシェンバッハも濃そうで魅力を感じます。てなわけで、次々に聴きたくなる曲であります。
名古屋時代は、CD購入も盛んで、誰も買わない英国ものは、私がみんな狩とってました(笑)。

投稿: yokochan | 2006年12月21日 (木) 01時36分

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