チャイコフスキー 交響曲第5番 ケンペ指揮
今日は、昨日の大雨とうってかわって朝から晴天。空気が澄んで気持ちいい、はずが、風が強く気温も20度近くまであがり、春一番の陽気!!
何じゃこれ? 季節感がないにもほどがあるし、連日猫の目のように天候がかわる。
仕事の途中で、寄り道した「竹芝桟橋」から見た「お台場」。変だけどいい天気。
バイロイトのテーレマン・リングも「ジークフリート」。いよいよ、ヒーロー登場。今年は昨年まで、同じティーレマンの元で「タンホイザー」を歌っていた「ステファン・グールド」がチャレンジ。これが実によろしい。
少し破滅型のヘルデンだけど、このところなかったタイプで、何度も言うが軸足が少し過去に向いたティーレマンの音楽にピタリとあっている。
先日の新国の「フィデリオ」を観たのもこの人が出演するから。
同じ新国のリングで健闘した「リンダ・ワトソン」のブリュンヒルデも驚くほど立派だし、チョイ役の藤村さんもファンとしては嬉しい歌唱。
ジークフリート後、チャイコの5番を聴くという離れ業。
更新もズルして時間を遡ります。バイロイト放送のおかげで忙しいのだ。
もうほとんど、国民行事のオリンピック状態。
放送が終わったら寝りゃいいいいものを、そうは行かぬ、つらいが楽しい。
ケンペがバイエルン放送響を指揮したライブは、亡くなる前年1975年。
NHKでも放送されたはず。放送局音源だけに、ヘラクレスザールの素晴らしい響きをとらえた録音は、最近のものと遜色ない。ともかく音楽的。
ケンペの作り出すチャイコフスキーは、4楽章がきっちりバランスよく、姿形がとてもきれいだ。ドイツ人にドイツのオケだ、なんだかんだいう前に、虚心に耳を傾けたい。
チャイコフスキーってほんとに、しっかりした音楽を書いたんだなぁ、と実感できる。
同時期のカラヤンとベルリン・フィルのチャイコフスキーが、音の練磨と劇性に磨きを掛けていったのに比べ、ケンペは書かれた音符ひとつひとつをしっかり鳴らしながら、チャイコフスキーの音楽が自ら語りだすのに任せてしまっているような趣きがある。
2楽章なんてお涙ものでなく、普通に緩徐楽章しているし、終楽章も仰々しさがなく潔い。
バイエルンの明るく、積極的な音もいい。
当時、「放送響はクーベリック」、「フィルハーモニーはケンペ」、「シュターツオーパーはサヴァリッシュ」、「放送菅はアイヒホルン」といった具合にミュンヘンは名指揮者の坩堝だった。今とくらべて、スゴイ時代だなぁ。
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