バッハ カンタータ第147番「心と口と行いと生きざまをもって」 ガーディナー
昨晩は、大阪のミナミとキタを堪能した。
毎度お馴染み、島之内の日本料理店「太庵」で気のおけない方々と、正統和食を極めておいしくいただいた。(別館にて近日公開)
ついで、北新地に移動し、オネイサン達との会話を楽しんだ。
が、ここで沈没はできない。
最終日1日前の、「アインザッツ」へ行かねばならぬ。日の変わる直前に飛び込んで、マスターと楽しく会話し、一杯やれた。
「アインザッツ」さんのおかげで、大阪の夜がどんなに楽しかったことか。そして何より、マスターや、東西名ブロガーさん、楽しき音楽愛好家さん達と知り合うことができたこと。
ほんとうにありがとうございました。名残惜しみながら、店を出てビルを見上げた。
とても寂しい気持ちと感謝の念が湧き上がりました。マスター頑張ってよ。
大阪の宿泊地にあったクリスマスツリー。
どこに行ってもツリーやイルミネーションだらけ。
クリスマスが終わるとあっという間に姿を消してしまう。
どこへいっちゃうんだろ。捨てるんならくれ!
大量にあるバッハのカンタータの中から、クリスマス前に相応しい1曲。
長たらしい邦題だが、原題を見るとシンプルだが、約せばこんな感じになるんだろう。日本語のニュアンスの豊富さには感謝しなくては。
もともとは、降誕節第4日曜(12月20日頃)のために書かれた曲を、転用の父でもあったバッハは、ライプチヒ時代、かの地では降誕節にカンタータ演奏が禁じられていたこともあって、7月の「マリア訪問の祝日」用のカンタータとして再利用したらしい。
「マリア訪問」とは、天使ガブリエルから、イエスの受胎を告知されたマリアが、洗礼者ヨハネ(かのサロメにより首を取られてしまったひと)の母エリザベトを訪問し、祝福された日をいうらしい。
こうした祝日用だから、曲は明るく希望に溢れた光に満ち満ちている。
そして、2部構成のそれぞれ最後に置かれた有名なコラールの部分になると、聴いていてジワリとこみ上げる感動に満たされることになる。
かのリパッティが弾いて超有名になったピアノ曲「主よ、人の望みよ、喜びよ」であります。
リヒターの禁欲的で厳しい表現になれてしまった世代からすると、ここに聴くガーディナーの造り出すバッハは、開放的で軽やかだ。音は内にこもらず、外へ、天へと広がっていくようだ。こうしたいわば優しいバッハならば、深刻にならずに毎日付き合える。
歌手達もどちらかといえば、軽くマイルドな歌声の人が選ばれている。
なかでも、ロルフ・ジョンソンのテノールとヴァーコーのバスは素晴らしい。
それにしても、バッハのカンタータをすべて制覇することは、ハイドンの交響曲を制覇する以上に至難の業だろうな。
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コメント
年末のお忙しい中、ご来店いただき誠にありがとうございました。クローズぎりぎりに再度お会いできて本当に嬉しく思います。yokochanさんにはオープン当初からおいでいただき感謝の気持ちでいっぱいです。今後もこれまで以上にお世話になるかと思いますので何卒よろしくお願い致します。
投稿: einsatz | 2006年12月23日 (土) 13時28分
einsatzさん、こんばんは。先日はありがとうございました。
最終日にお邪魔できなかったのが残念です。きっと盛り上がったんでしょうね。こちらこそ、よろしくお願いします。(密かな野望もあることだし)
大阪に伺ったさいには、遊んでください。
新しいビジネスの創作、応援してます。
投稿: yokochan | 2006年12月23日 (土) 21時33分
yokochan様今晩は。バッハのカンタータは大好きです。オランダの新興レーベル、ブリリアントクラシックスが155枚組のバッハ大全集を激安価格で出しましたので、その全集に収録されている演奏で毎日のようにバッハのカンタータを鑑賞しています。ペーター・ヤン・ルーシンクというオランダの指揮者の古楽器オケによる演奏で少し素朴で鄙びた感じがしますが、なかなかいい演奏です。147番はリヒターの居ずまいを正したくなるような謹厳な演奏とは対極に位置する演奏かもしれません。教会カンタータだけで60枚という膨大な枚数ですので何時になったら聞き終えられるのか自分でも見当がつきません。
ガーディナーは私が最も好きな指揮者です。もっとも彼が得意とするバロックもベルリオーズも合唱曲もイギリス音楽も全部聴いてはおらず、ライブも聴いたことがない情けないファンですが。彼を好きになったキッカケはベートーヴェン交響曲全集を大学時代の94年に購入して聴いたことです。某匿名掲示板では「せかせかと速いだけで全然面白くない」とか「技術的に上手いことは認めるがその割りに感銘を受けない」とか酷いことを書かれたりしておりますが、第5はカルロスよりも(!)好きですし、ワルターやレニー&ウィーンフィルで聴いてもよく分からなかった第9第3楽章の素晴らしさを私に教えてくれた演奏なのです。自分にカツを入れたいときはガーディナーのベートーヴェンの交響曲の全曲をきくことにしています。9曲の交響曲をムラ無く高水準で演奏しているのには驚く他ありません。多分yokochan様がアバドを愛するのと同じくらい私はガーディナーを愛していると思います。取り留めの無い書き込みで申し訳ありません。
投稿: 越後のオックス | 2008年10月18日 (土) 21時30分
越後のオックスさま、こんばんは。
過去記事を丹念にお読みいただき感謝いたします。
自分で今読んでも、あんなことがあったな、とかバッハはいいなぁとか、なんでソフトバンクなんだろ?とか思い起こすことができて意義があります!
ガーディナーはお好きなんですね。
彼のバッハやモーツァルトはよく聴いてます。
それとマノン・レスコーやトロイ人などの録画も楽しみましたし、エルガーやホルストもしかりです。
最近メジャーレーベルでの活躍がありませんが、芸の深い味のある指揮者だと思います。
私のアバド好きも相当ですから、越後のオックスさんのガーディナー好きも押して知るべしですね。
ベートーヴェンはいくつかFMで聴きましたし、ウィーン響との第9のエアチェックライブをCDRにして楽しみました。
来日が望まれる指揮者ですね。
投稿: yokochan | 2008年10月18日 (土) 23時18分