R・シュトラウス オペラと歌曲 ナタリー・デッセイ
大晦日にR・シュトラウスの歌を聴く。
以前はシュトラウスといえば、オーケストラ曲ばかりだったが、このところオペラや歌曲に強く惹かれて、始終聴いている。
特にオペラは、筋立ても優れているし、洒落て軽やかな羽毛のような音楽や、豪華絢爛たる響き、叫び・むせる音塊、これらに酔いしれる。
こんなバラエティー豊かなシュトラウス・サウンドが楽しめる、そこに歌が乗っかるものだから、私にはもう応えられない。
今日のCDは、大好きな「ナタリー・デッセイ」を中心に、「フェリシティ・ロット」「アンジェリカ・キルヒシュレーガー」「ゾフィー・コッホ」「トマス・アレン」らの名歌手たちも登場して、華を添えている。
「ナクソスのアリアドネ」「アラベラ」「ばらの騎士」「ブレンターノの詩による歌曲」
このオペラ3作は、私のフェイバリットだし、「ナタリー」もアリアドネ以外録音してないので、貴重なものだ。
この中で、最高に素晴らしいのはツェルビネッタ!! グルヴェローヴァも素晴らしいが、ナタリーも特筆大に素適すぎる。テクニック的に完璧であるのは、彼女だから当たり前のこと。でも機械的・無機質的なものとは全く次元が違う。
感情の襞に染み入るような、かつ人間の声の魅力に満ち溢れた歌声なのだ。清らかな清水を思わせるクリーンで清潔な声。
そして何より、女性的なのがいい。聴いてるオジさんは、キュンとなってしまうのだ。
ばらの騎士では、お決まりの陶酔的なムードに酔いしれることになる。
ウィーンのほの甘く、新鮮な白ワインなどを傾けながら聴くとよい。
EMIお得意のパッパーノは、神妙に指揮しているが、それ以上のものを感じなかった。
この人のワーグナーもそう。何故ハイティンクを起用しない。
不満はこれのみ。取り巻きの歌手達も文句なしで、ジルヴェスターに聴くR・シュトラウスは私を幸せな気分に浸らせてくれた。
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コメント
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
ジルヴェスターの三重唱、良かったです。
数年前までは、カラヤンお得意のシュトラウスをサイモンがここまで官能的に振ることができるなんて思わなかったもんなぁ。昨年はウィーン国立歌劇場再建50周年でのキルヒシュラーガーのオクタヴィアンに心を奪われたのですが、ラトル夫人のコジェナーがそのアンゲリカの向こうを張る素晴らしさ。メゾは人材豊富です。でも、ジュネーヴのカサロヴァはいくら声が良くても、体型がスリムじゃないから、オクタヴィアンにはむかないか・・・。
内田のモーツァルトも曲こそ違え、あのサントリーの感動が甦ってきました。凄いです。それと、蛇足ながら、あれだけステージに乗っている楽員たちの間をどうやってピアノを運ぶのだろうと思っていたら、ステージのはり出しが下に下がっていくんですね。なるほど、ドイツ人の発想は合理的だと感心しました。
投稿: IANIS | 2007年1月 1日 (月) 10時02分
IANISさん、こんばんは。そして遅ればせながら、あけましておめでとうございます。ネット環境から離れておりました。
ラトルのジルヴェスターは、素晴らしかったですね。
実は、数年前のアバドのシュトラウスのジルヴェスターの二番煎じだ、と思い新味がないな、と決め付けてましたが、歌手の素晴らしさも相まって、ばらの騎士は見事なものとなりました。
そしてなによりも、内田さんのモーツァルト!!
コンセルトヘボウとの超演が蘇えりました。
あのピアノの登場、私もアングリでした(笑)
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: yokochan | 2007年1月 5日 (金) 00時04分