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2007年1月31日 (水)

コルンゴルト 左手のためのピアノ協奏曲 シェリー&バーメルト

Hachi_2 秋田県北部の街「大館市」に出張してきた。

昨年秋から継続する仕事ができ、真冬のこの時期も意を決して赴いた。
ところがですよ、雪がな~い。しかも暖かい。へたすりゃコートいらない。
雪深い地域なのに、先だっての札幌に続きなんだこりゃのサプライズ。
北海道は、今になって「つじつま合わせ」のように雪が降っているけど、秋田はそうではなかった。

忠犬ハチ公の生まれた里。駅前に鎮座する本場のハチ公。こちらの方が渋谷よりふくよかな顔だち。

Korngold_piano_con_3                         

今年は、ウィーン生まれの早熟の作曲家「エーリヒ・ウォルフガンク・コルンゴルト」の没後50年と生誕110年(1897~1957年)。
まったくといっていいほど話題にならない。
モーツァルトを意識して「ウォルフガンク」と名付けられ、実際、神童と呼ばれ、10代でオペラまで書いてしまった。
以前のブログでも書いたが、ナチスの登場で不遇をかこち、アメリカでひっそり亡くなっている。

その作品は相当数あって、私なんぞまだその一部をかじったにすぎないが、その音楽は一言でいうと「ロマ(ンテック)・カッコいい」??
 マーラーの流れを汲む新ウィーン楽派風でもあり、アメリカで身につけた映画音楽風でもあり、といったところ。
誤解していただきたくないのは、それらが決して安っぽい音楽ではなくて、むしろウィーンの爛熟文化末裔として、その後継者として生きざるをいなかった宿命としてのロマンに満ちていることだ。

 「軍隊行進曲」
 「チェロ協奏曲」  Vc:ピーター・ディクソン
 「弦楽オーケストラのための交響セレナード」
 「左手のためのピアノ協奏曲」  
  
         
 Pf:ハワード・シェリー
    マティアス・バーメルト指揮BBCフィルハーモニック

こんなラインナップのCD。行進曲は3分そこそこの付けたしのような音楽。
「チェロ協奏曲」は単一楽章の13分ほどの曲だが、のっけから印象的な甘い旋律が奏でられ、うっとりとさせてくれちゃう。この曲はマジ泣かせてくれます。

「セレナード」はウィーンに帰郷して書かれ、1950年になんと「フルトヴェングラーとウィーンフィル」によって初演された30分あまりの大作。
これまた実にカッコいい曲だが、第3楽章のレントはマーラーを思わせるような連綿とした美しい楽章である。ウィーンに帰省し楽壇に返り咲くかに見えたが、意外にもウィーンの反応は冷たかった・・・・・。

「左手協奏曲」も単一楽章ながら、これも30分を要する作品で交響曲のよう。
レフトハンド協は数あれど、この曲ほど、片手で弾いてるなんて思わせない曲はないかもしれない。かなり大胆な和声で始まるが、すぐに美しい「コルンゴルド節」が始まる。
例えていえば、ラフマニノフのパガニーニ変奏曲に似ているかもしれない。
 1924年に初演されたあとは、作者没後の1961年に一度演奏されたきり。
その後今回のBBCフィルがG・グラフマンのピアノで1985年に復活させている。

このCDはスイス人指揮者「バーメルト」によるもので、彼はコルンゴルドの使者といってもいいくらい録音が多い。N響にも客演したことがあるが、その時はありきたりのプログラムでさっぱりだった。実に雰囲気豊かで、愛情こもった演奏に思う。

今年は皆さん、コルンゴルトを聴きましょう。
手始めは、ヴァイオリン協奏曲あたりからどうぞ。

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コメント

こんばんは。
コルンゴルド没後50年&生誕110年記念行事(ってあるの?)に参加します♪
コルンゴルドといえば前にBSで放映されていた「死の都」の耽美と官能性に衝撃を受けました。T・ケルルのテノールも見事でした。
それから「コルンゴルト・神童の冒険・ポートレートとコンサート」という市販DVDでお勉強(^^;)。あ、「死の都」はラインスドルフ/ミュンヘン放響/ルネ・コロ盤のCDも聴き応えがありますね(1975録音)。
iPodには「リュートの歌」を入れて子守唄代わりに聴いています。
今年はもっといろいろ聴いてみたい作曲家です。

投稿: YASU47 | 2007年2月 1日 (木) 00時09分

YASUさん、コメントありがとうございます。
せっかくの記念年(?)ですから、「死の都」ぐらい日本でも上演すればいいんですが、今年は椿姫にバラの騎士にタンホイザーのあたり年のようです。ご指摘のDVDは、知りませんでした。是非私もお勉強に加わりたいと思います(笑)

投稿: yokochan | 2007年2月 1日 (木) 06時36分

こんばんは。コルンゴルトと来たらコメントしなくては。しかしこのCDは未聴(!)。コルンゴルトはオペラと映画音楽は得意なんですけど、他は交響曲とヴァイオリン協奏曲以外はほとんど聴いてないかも・・・。ということで、私も没後50年&生誕110年記念行事に参加しようっと。(どーやって?)

投稿: naoping | 2007年2月 2日 (金) 00時21分

naopingさん。しっかりお出でくださいました。ありがとうございます。
コルンゴルドはもっと聴かれていいですよね。
国内盤がほぼ全滅状態なので、内容を把握するまで大変です。
ハリウッドのイメージで軽んじられてるんですかね。こんなメロディ・メーカーなのに。
没後50年・生誕110年記念行事は、思い出したように実行いたします。

投稿: yokochan | 2007年2月 2日 (金) 23時20分

再度、こんばんは。
yokochanさんの記事に刺激されてこちらも拙文をアップしたのでTBさせて頂きました。

投稿: YASU47 | 2007年2月 4日 (日) 01時32分

YASUさん、こんにちは。
おお「死の都」を取上げられましたね。

コルンゴルド記念行事を盛上げましょう。

投稿: yokochan | 2007年2月 4日 (日) 13時53分

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昨年は生誕250年のモーツァルトに明け暮れた一年間でした。今年はぐっと地味にエー [続きを読む]

受信: 2007年2月 4日 (日) 01時28分

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