メンデルスゾーン 交響曲第5番「宗教改革」 ハイティンク指揮
メンデルスゾーンには関係ないけれど、毎度行く浅草での仕事帰りの昼食は「浅草ラーメン」。「しょうゆらーめん」 発祥の地は浅草といわれているらしい。
その伝統を受け継ぐ店のひとつ「与ろゐ屋(よろいや)」で醤油ラーメンを。
かつおだしのあっさり味に柚子が効いていて、とてもサッパリといただけましたぁ。
さて、メンデルスゾーンである。そして「5・5・5シリーズ」はまだ続いていた。どこまでいけるか<ゴーゴーゴー>
裕福なボンボン作曲家メンデルスゾーンも薄命の人(1809~1847)。
音楽の歴史にたら?れば?が許されるなら、「モーツァルト」「シューベルト」と並んで、ものすごい名作がさらに残されていたろうな。
「宗教改革」と呼ばれる5番の交響曲は、メンデルスゾーン20歳の作品。
作品出版別に番号が付けられたため、最後の交響曲のようにも思われるが、1→5→4→2→3、という順番が作曲順。その前にも13曲の弦楽のためのシンフォニアがある。
1830年、かの「マルティン・ルターの宗教改革」300周年の記念行事に向けて作曲されたが、実際はカトリック教会の反対や、ベルリン市の財政難などで行事は中止になってしまい、初演が流れ数年後まで演奏は持ち越さることとなった。
第1楽章にドレスデンの教会で歌われていた「ドレスデン・アーメン」が神妙な雰囲気で用いられているほか、第4楽章ではルター作のコラール「我らが神は堅き砦」が登場する。
こんな具合に記念行事を意識した作品である以上に、ユダヤ系でありながら、銀行家の父の改宗で熱心なプロテスタント信者になったメンデルスゾーンの篤い宗教心から生まれた作品なのであろう。「マタイ受難曲」の復活や「エリア」をはじめとするオラトリオの作者ならではの思いである。
1楽章のドレスデン・アーメンは、そう、先週楽しんだ「そのまんまパルシファル」の旋律。
中間のふたつの楽章も美しい旋律美とリズムにあふれているし、終楽章の最後にコラールが高らかに歌われるところは感動的。
このコラールは賛美歌「神はわがやぐら」(269番)そのもの。
ハイティンクとロンドン・フィルの演奏はこの曲の理想的なものと思う。
2番以外をLPOと録音したが、いずれも伸びやかで、少しくすんだオケの響きがやさしく、メンデルスゾーンにピタリとはまった名演揃い。
コンセルトヘボウと一体化した指揮者だが、LPOとのコンビも充実した演奏ばかり。
このコンビのベートーヴェン全集の復活を強く望みたい。
久々に聴くメンデルゾーンは、実に気持ちがよかった。旋律の宝庫で、その爽やかさに抜けるように天気の良い寒空にむかって思い切り伸びがしたくなった。
「5・5・5」シリーズは「チャイコフスキー・シューベルト・マーラー」、「ベートーヴェン・シベリウス・V=ウィリアムズ」がバックナンバー。今回あと2曲は・・・・・。
| 固定リンク
コメント
こんばんは(^^
いいですよね、この宗教改革は大好きな作品なのです。特にドレスデンアーメンと、あたたかみのある第2楽章は素晴らしいですね。知りませんでしたが、ドレスデンアーメンはパルシファルでも登場するのですね。これはメモしておきます。私はアバド/ロンドン響で聴いています(^^
投稿: stonez | 2007年2月15日 (木) 01時27分
Stonezさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私も実は、パルシファルの旋律にハタと気付いたのが今回でした。
いい音楽ですよね、これは。アバドも聴いてますよ。メンデルスゾーンには、ロンドンのオケがお似合いのようですね。サヴァリッシュもロンドンのオケで全集入れてますし。
投稿: yokochan | 2007年2月15日 (木) 23時03分