ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ヤンソンス指揮
某駅での待ち合わせをするために、その駅名で検索していたら「東京トイレマップ」なる面白いというか、恐ろしいというか、ここまでやるか、というサイトを発見した。
神経質なあなた、食事中のあなた、決して見てはいけません!!でも笑えます。
トイレで私が好きなのはホテルのトイレ。よっぽどの緊急事態でない限りは、ホテルを探して事をなします。そんな中でも「帝国ホテル」の別館地下のトイレの清潔さと、ゴージャスさには舌を巻く。(何も舌を巻く必要はないが)そこに潜んでいると時間の経過を忘れてしまう居住性の良さなのである。でも住んではいけません。
トイレ話とは無縁の作曲家「ショスタコーヴィチ」の第5交響曲を、ヤンソンスとウィーン・フィルでさわやかに聴きましょう。
もうミミタコの第5。昨年のメモリアルイヤーには何度演奏されたろうか。
複雑きわまりないショスタコの内面のほんの一面しか垣間見ることができないかもしれない曲(書いていて何がなんだかわからないが)
ヴォルコフの「証言」の分厚い本は、頭をクラクラさせながら読んだが、そのすべてがまんざらウソでもないらしく、ますます謎に満ちたショスタコなのだ。
息子マキシムは何も知らないのだろうか?是非息子の全集を聴いてみたいもんだ。
ややこしいことは抜きに聴けば、音楽的に聴きやすく充実した5番は、コンサートでも聴き栄えするし、ダイナミックレンジも広いから、オーディオ的な満足感も得られる。
こんなお気楽が一番いい。
それでも3楽章の悲しみの抒情に溢れた音楽には心うたれる。
1975年、ショスタコーヴィチの訃報に接したバーンスタインが、ザルツブルク音楽祭でロンドン交響楽団との演奏会に急遽この楽章のみを取上げた。それは祈りに満ちた壮絶なる名演であった。
ヤンソンスは、この曲に関してはもっとも安心できる指揮者のひとり。
オスロ・フィルとの録音もあるが、ウィーンフィルと97年にムジークフェラインでライブで再録音した。一昨年のバイエルン放送響との来日でも取上げ、圧倒的な感銘を受けた。
10年経った今また再度録音するかもしれない。
このウィーンでの演奏は、一昨年の解釈とほぼ同じ。テンポをゆったりと取り、タメも充分にとってオーケストラをしっかりコントロールしながら、鳴らし切っている。
でもそこは、ウィーンフィル。ところどころウィーンらしい弦の甘さや音の切り方が聴かれて面白い。
3楽章の美しい歌もいいが、終楽章のテンポの持っていき方が盛上げ上手のヤンソンスらしところで、わかっていながら乗せられて夢中になって聴いてしまった。
「いいぞ、マリス!」
このCDには、バルシャイが編曲し、後に作曲者自身が作品番号を与えた室内交響曲(弦楽四重奏曲第8番)が収録されていて、こちらの曲の方にこそ、ショスタコの魅力を感じてしまった。
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コメント
yokochanさん、こんばんは! この録音には弦楽四重奏曲第8番のバルシャイ版が併録されているのですね。これは購入しなければなりません! 今年に入ってDSCHの弦楽四重奏曲の世界に目覚めたのですが、その契機となったのが、DSCH自らのレクイエムと言われるこの第8番です。凄い曲であると思います。
すみません、メインの第5交響曲のことではなくて…m(_ _)m
投稿: Niklaus Vogel | 2007年2月12日 (月) 22時10分
こんばんは。
東京トイレマップ、面白そうですね。
私も何度か大ピンチに見舞われたことがトラウマになって、トイレの場所(とくに清潔なトイレ)にはうるさい方です。(笑)
概ね結論もyokochanさんと同じです。
ところで、このヤンソンスのディスクは、リリース当時賛否両論がありましたが、私はこの演奏好きでした。
ヤンソンスとウィーンフィルの相性の問題かもしれませんが、ここでは、うまく相乗効果がでているように思います。
投稿: romani | 2007年2月12日 (月) 22時37分
niklaus vogelさん、こんにちは。
私はバルシャイ版もそうですが、オリジナル四重奏曲も未聴なのでした。今回の試聴で、ミミタコ第5シンフォニーよりも、深いものを感じました。
ショスタコ室内楽の世界に足を踏み入れてみようかとも思い始めております。
投稿: yokochan | 2007年2月13日 (火) 12時23分
romaniさん、こんにちは。
外出先のトイレ問題は、どなたにも切実な問題ですよね(笑)
穴場をあまり宣伝してしまっても、イザという時に先を越されてたりしますし、穴場が人気スポットになっても汚れやすくなってしますし、シモの問題はなかなに悩ましいものがあります(爆)
ヤンソンスのショスタコは開放的でいずれも気にいってます。
投稿: yokochan | 2007年2月13日 (火) 12時30分
連投して申し訳ありません。
実は、マリス君のショスタコ全集がオランダの会社(ブリリアントではありません)から廉価再発売されるのだそうです。これを機会に購入しようかと思っております。一枚ずつコツコツと買い揃えてきた皆さんには申し訳ない様な心境です。そこでyokochan様にお願いがあります。ヤンソンス指揮ウィーンフィル盤の各楽章のプレイング・タイムをお手数ですが教えていただけますか?私はタコ5の演奏時間に物凄くこだわるヤツなのです。特に終楽章の演奏時間がとても気になります。速いのが好きなのです。遅めの終楽章で好きなのはバルシャイ盤ぐらいのもので、あとは皆速い演奏ばかりを聴いております。レニーにしろショルティにしろアシュケナージにしろ・・・
私事ですが、65歳になる父が、肝臓癌の可能性があったのです。一ヶ月ほど前に精密検査で医師にそういわれたのです。「肝臓の再検査を要す」と。ところが先日、再検査の結果がでたのですが、癌の可能性は無しでした。本当に良かったです。
投稿: 越後のオックス | 2009年4月17日 (金) 17時54分
越後のオックスさま、こちらにもありがとうございます。
まずは、お父様の検査の件、ほんとうによかったですね。
わたしなんぞ、突然の父の死で、気がつけば親不孝ばかり、後悔の念が募るばかりであります・・・。
ヤンソンス盤のタイムは、次のとおりですよ。
Ⅰ(15’43)、Ⅱ(5’17)、Ⅲ(14’27)、Ⅳ(10’55)
こんな感じです。ほどよいテンポではないかと。
オスロ盤は未聴ですが、86年のレニングラードとの来日ライブをFM録音してますが、40分のハイスピードでした。そのときは、チャイコの4番も演奏するというタフぶりで、そちらも40分くらい。
CDR化しましたが、1枚に収まってしまいました!
投稿: yokochan | 2009年4月18日 (土) 09時38分