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2007年2月15日 (木)

「ジェイムズ・キング」 アリア集

Boots_bear これ何だと思います?
女性ならすぐおわかり。男性社会には縁のない「ブーツ・ホルダー」。
あまりのカワユサに写真撮ってしまいました。ブーツのフォームを維持すると共に消臭効果もあるすぐれものの「くまさん」。
いいなぁ。女性は。オヤジの革靴には「くま」ではなく、虫が似合う。
イカンことだ。オヤジももっとかわゆく、お洒落にならなくてはなりませぬ。

niklaus vogel」さんの「オペラ・マンスリー」企画に突如参加!

Jking われらが「ジークムント」、「ジェイムズ・キング」はいつ聴いてもカッコイイし、ヒロイックだ。舞台姿も実にサマになっているし、悲劇的なヒーローを歌うに相応しい声と容姿だ。

でも、衣装を脱いだキングは、アメリカの大規模農場の農夫のようなオッサンを思わせる。いや、カウボーイとも言えるかも。

一昨年、80歳で亡くなってしまった「ジェイムズ・キング」。
私のような世代にとって、永遠の「ジークムント」である。あまり器用な歌手ではなかったが、ワーグナーとR・シュトラウスにおいて、この人をおいては語れぬ超素晴らしい役柄がある。先の「ジークムント」に、「パルシファル」、「バッカス(アリアドネ)」、「皇帝(影のない女)」、「アポロ(ダフネ)」あたり。
一方、イタリア物も得意にしていて、直情的な役柄は、小回りのなさが妙に真実味を醸し出して、ド迫力の歌唱を聞かせる。「ピンカートン」「カラフ」「オテロ」「サムソン」・・・・。

 ベートーヴェン 「フィデリオ」から       ワルベルク指揮
 ワーグナー   「ローエングリン」から    アイヒホルン指揮
               「パルシファル」から        〃
           「マイスタージンガー」から  ワルベルク指揮
 R・シュトラウス 「影のない女」から      アイヒホルン指揮
 ヴェルデイ    「オテロ」から         ワルベルク、アイヒホルン指揮
           デスデモナ:ベーレンス   イャーゴ:グロソップ
       
キングお得意の数々が、渋い指揮者とミュンヘン放送管弦楽団のいずれもライブでの演奏で収録されていて、あまりの素晴らしさに一気に聴いてしまった。
「オテロ」での共演者を見ていただきたい。カラヤンのもとでイヤーゴを歌ったグロソップはやや時代がかった表現が残るが、キングの破れかぶれ的なオテロは、ドミンゴのような優等生オテロとも違った、悲劇を一身に背負って、「もうしょうがねぇ~!」というような切迫感と悲劇性をその声で見事に表現しつくしている。たまらん!!

シュトラウスにも鳥肌が立つほど感銘を受けたし、ワーグナー、ことにパルシファルはすばらしすぎ!
全曲が放送ライブで、観客の盛大な拍手も収められていて、こちらも気持ちいい反応に嬉しさを禁じえない。

それにしても、この「オテロ」はいい。「すごいよ、すごすぎるよ!」

   

           

 

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コメント

yokochanさん、こんばんは。「オペラ・マンスリー」へのご参加ありがとうございます!(仲間意識の押し売り(爆)。あ…ご紹介文が追記されている…ありがとうございます!)

さて、ジェイムス・キングのこのアリア集、もったいないことに実はまだほとんど聞いていません(汗)。(廃盤が怖くて、昨年入手しているのですが…。)しかし、俄然楽しみになりました。この悲劇のヒーローの歌唱にすぐにでも浸りたい気分になりました!

ところで…話はまったく変わるのですが、深夜に小腹がすいたところで、yokochanさん別館のエントリーが多いような…(笑)。いつも「ああ美味しそう!」と拝読しながらよだれが垂れていないことを確認しています(爆)。

投稿: Niklaus Vogel | 2007年2月16日 (金) 01時11分

Niklaus Vogelさん、おはようございます。
緊張しながら、マンスリー参加しました。とかいいながら、クマさんなんぞ、紹介してますが(笑)

このキングのCD、私も昨年購入したもので、満を持して聴きました。
びっくり、満足の歌唱でした。あらためて、キングのイタリアものが聴きたくなってます。

別館のネタはたくさんあるんですが、2本のブログを同時更新するのって大変なものですね。ご覧いただき、感謝いたします。

投稿: yokochan | 2007年2月16日 (金) 08時44分

いつも楽しみに拝見しつつも、なかなかツッコミが入れられないネタなので(オペラあまり観ないもので。。。)、ロムっています。
yokochanさんのブログはオペラ系のが多くて(特にR.シュトラウスとワーグナー、どちらも今入れ込みつつある作曲家だけあって)、本当に楽しませていただいています。この前の「ダフネ」、本当に聴きたかった。
名古屋にはオペラ劇場はあるのに実質の稼働率はほとんどないのが現状です。まあ、聴衆がいないのでしょうが。

今日もロムっていましたが、キングの歌と言えば、私はバーンスタインとのマーラー:「大地の歌」を思い出しますね。
彼の芸格はワーグナーにありですか。。記憶にとどめとおきます。

投稿: ピースうさぎ | 2007年2月16日 (金) 22時35分

ピースうさぎさん、こんばんは。
ワーグナーとシュトラウス、両リヒャルトのへんてこ記事をご覧いただいて感謝です。自分でも、バカだなぁ~、と思うことしきりですが、やめられないんです。麻薬ですな、こりゃ。

名古屋に住んでいたことがあります。当時は飯守さんが名フィルにいましたので、ワーグナーを結構聴きました。
楽しい思い出です。

キングのワーグナー、ぜひお聴きください。はまりますよ。

投稿: yokochan | 2007年2月16日 (金) 23時12分

yokochanさま こんばんは

ジェームズ・キング、私も大好きです、レオニー・リザネクとのデュオコンサートというのがあって(私のブログで紹介していると思います)、「トスカ」「道化師」も歌っておられます。キングさんは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私は大好きですね~。
このCDは知りませんでした、早速探してみます~
ミ(`w´彡)

投稿: rudolf2006 | 2007年2月17日 (土) 21時52分

こんばんは。このCDは・・・(すぐに調べる)廃盤にはなってない廃盤にはなってない!オゲ、まだ間に合う。えーん、昨日ジェイムズ様のローエングリンを買ったばっかりなのに。なんで最近こんなに人気が再沸騰しているの・・・? 私たちでキング友の会でも作りますか?(何か別の宗教団体みたい?)

で、熊はカワユス。

投稿: naoping | 2007年2月18日 (日) 00時27分

rudolfさん、こんばんは。
えぇっ、リザネックと言えば、兄・妹のコンビですね。
その二人のトスカ、キングのカニオ・・・・。極めて聴いてみたく存じそうろうです(笑)
 本文でも触れましたが、オテロ、すごいです。
デル・モナコは別格として、もうドミンゴ聴けません。

投稿: yokochan | 2007年2月18日 (日) 00時42分

naopimgさん、こんばんは。
入手まだでしたら、お早くお買い求め下さい。昨今の「J・キング」ブームで入手困難になりこと必須ですよ(笑、煽り過ぎ・・・)
陰りある、悲劇のヒーロー突っ走りのキングは日本人受けするキャラなのかもしれませんね、会長!

くまさん、いいでしょ。

投稿: yokochan | 2007年2月18日 (日) 00時47分

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