ウォルトン 「ベルシャザルの饗宴」 プレヴィン指揮
先だっての秋田・大館出張の帰りは、花輪線で盛岡経由だった。
昼過ぎに盛岡に降り立ち、昼食は「冷麺」。
大好きな「ぴょんぴょん舎」に向かい、焼肉・冷麺セットにカルビを追加し、昼から一人焼肉。とひゃー!! うまいことこのうえなし。
神を恐れぬ豪華な饗宴に神の鉄槌が下される。
旧約の時代、ユダヤ民族のバビロニア捕囚の頃、バビロニアの偉大なるネブガドネザル王の子「ベルシャザル王」は豪奢を好み、その配下1000人のために酒宴を設け酒をたらふく飲んでいた。
酒も進み興が乗った王は、先代がエルサレムの神殿から奪ってきた金銀の器を持ってこさせ、自分や妻、大臣らにその器をもって酒を振舞った。すると突然、人の手の指が現れて壁に言葉を描いた。「メネ、メネ、テケル、ウバルシン」。
恐怖に取り付かれた王は、国中の知識人たちに褒美をちらつかせ、解読を迫ったが、誰も読めない。妻の進言もあって呼ばれたのは、ユダヤ人「ダニエル」。
ダニエルは、「神が、王の治世を計かり終わりにすることにしたこと、器量なしとしたこと、国も分割されること」と読み証し、見事褒美をえるが、その晩、王は死んでしまう。
こ~んな、「目には目を」的な、自己責任的な厳しい物語をもとにつくられた詩に作曲したのが、「ウィリアム・ウォルトン(1902~1983)」である。
1931年、作曲者20代の作品ながら、充実したオーケストレーションとドラマテックな合唱を駆使した絢爛たる大叙事詩である。
旧約にイメージした詩であるから、バビロニアの栄華と豪華な宴が底抜けに明るく描写されるし、神の文字の場面ではかなり怪しいムードが充満する。最後は神を称えるポジティブな意味での豪奢な眩いサウンドに覆われ、ウォルトン特有のカッコよさも充満して曲は華々しく閉じられる。
後年、映画音楽の分野でも大活躍したウォルトンの名作。
プレヴィンはLSO時代もEMIに録音していたが、ロイヤル・フィルと同楽団の自主制作レーベルに85年に再録音した。
狂言回し的なバリトンに私の好きな「ベンジャミン・ラクソン」、これが素晴らしくブリリアントな歌声。そして、こうした曲をわかりやすく、無駄なく聞かせる才能はプレヴィンならではのもの。RPOも実にうまいし、音色が明るくてイイ。
最後のクライマックスなんぞ、相当に興奮できる。演奏会で演ったらさぞかし盛り上がるだろうに。
そして、飲み過ぎ・食べ過ぎにご用心。自重せねば・・・・。
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コメント
あー、先を越されてしまいました。私もこの曲好き。
ウチにはこの曲はショルティ&ラクソン盤とリットン&ターフェル盤がありますよ。この曲はめっちゃカッコイイですねぇ。一回だけ実演聴きに行ったことがあります。どこの定期だか忘れたんですが・・・サントリーホールでした。RVWのチューバ協奏曲かなんかと2本立てだったす。
ぴょんぴょん亭って有名なんですか?盛岡出身の友達に聞いてみようっと。
投稿: naoping | 2007年2月 5日 (月) 22時39分
へへッ。お先でしたぁ。内容は薄いかもしれませんが、やけたらカッコいいですねぇ。実演聴いたことあるんですね。うらやましい。おそらく、秋山和義と東京ロマンティカ、じゃなくて東響ですよ。わたし悩んだんですもの。
ぴょんぴょん舎の冷麺は相当いけますよ。最近首都圏に上陸し、「川崎のラゾーナ」や銀座にも冷麺のみの店舗で出店してますよ。
名前がいいし、味もいいから、イオンが目をつけて、盛岡じゃあ、イオンのSCに入ったりしてます。いいですよう。
投稿: yokochan | 2007年2月 6日 (火) 00時59分