シューベルト 「冬の旅」 ハンス・ホッター
先週の土曜日に行った銀座の居酒屋「三州屋」。「リベラさん」と「romaniさん」とで、昼から飲んでしまった訳ですが、すでにリベラさんが、刺身のB面をご紹介されていらっしゃるので、光栄にもA面サイドに陣取った私は、イキのいい刺し盛りを正面からご紹介。
<両方のページを並べて見てみると刺身が立体的に・・・、見えません(卍)。> by リベラさん
この店のご紹介は、別館くいしんぼう版にてご案内。
最近、私は居酒屋が好きでなりません。名の知れぬ居酒屋にふらりと入って、カウンターで焼鳥やポテトサラダを肴に一杯やる。新聞でもあれば手持ち無沙汰にならない。
適度に放っておかれるのが好き。
「居酒屋ライフ」なり、いや「居酒屋の旅」である。
そこで「冬の旅」の登場となる。むりむりの登場であるが、どちらもひとり旅で凍てつく冬がお似合い。
今年は冬がどっかへ行ってしまったから、この歌曲集の出番がなかった。
気が付くともうじき3月。少し寒が戻ったこともあり、大至急の登場でもあります。
今晩の「冬の旅」は、ハンス・ホッターがエリック・ウェルバと組んだ1961年のDG録音。
ホッターといえば、不世出のウォータンであり、私にとってもその二つはイコールになっているけれど、「冬の旅」の味わいも格別。
高貴で温もりある歌声は、孤独と慰めを見事に両立させているように思う。EMIのモノ録音も素晴らしいが、この録音もホッターの全盛期だけに全曲にわたってムラなく深みある声が響いている。
後年のCBS録音の文化会館ライブは、ぼそぼそとした独白のようで、人生を極めた達人の歌のようだったが、こちらの盤では声がまだ充分に美しい。
この歌曲集は、冒頭の「おやすみ」から絶望的な旅立ちが歌われる。
同じ「ミューラー」の詩につけた「水車屋」も悲劇的な結末に向かって行くが、冒頭の旅立ちは希望と元気に満ちている。
「冬の旅」は、
「よそ者としてやってきては よそ者のまま去っていく・・・・・」こんな出だしなのだから。
こんな辛い中にも、「菩提樹」の曲にくると、心からほっと一息つける。
こんな素適な曲を書いてしまったシューベルトって何者だろう。
最後は、ライアー回しの孤独な老人という、不気味な伴侶を得て、どこへ旅するのか・・・・。
私の「居酒屋の旅」はこうあって欲しくないなぁ。
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コメント
やややッ!
遂に出ましたネ、刺身A面(笑)。
そっかー、こうして見ると立体的に・・・、見えませんネ。
今度は鶴橋で立体写真に挑戦?
投稿: リベラ33 | 2007年2月27日 (火) 20時53分
リベラさん、こんにちは。
A面・B面が複数サイトで味わえるのも、ブログの醍醐味ですね(何のこっちゃ。。。笑)
大阪鶴橋、楽しみです。
投稿: yokochan | 2007年2月28日 (水) 11時55分
こんにちは。会社より失礼。
ホッターは考えてみたらオペラでしか歌は聴いたことないんですが・・・昔、まだホッターがご存命のころ日本のテレビの海外取材番組のドキュメンタリーで「野ばら」を歌ってました。びーーーーーっくりしました。ずいぶんご老体でしたがその頃はお元気そうでした。うー、ビデオに撮っておけばよかったす。
投稿: naoping | 2007年2月28日 (水) 14時16分
こんばんは。リスクを犯しながらのコメント、ありがとうございます。
中学生の頃、薄っすらとした記憶の中に、ホッターの来日公演のテレビ姿が残ってます。
ご指摘の日テレの番組は知りませんです。ビデオがあれば、お宝ものですわね。
投稿: yokocahan | 2007年3月 2日 (金) 03時19分