アルウィン 交響曲第5番 ヒコックス指揮
音楽喫茶めぐり??という訳ではないが、たまたま遭遇したのがこちら。
国分寺駅から3分。クラシック音楽喫茶「でんえん」。
見た目、もう崩れそうな佇まいで、きゃしゃなドアに手をかけるのも躊躇してしまう雰囲気だけれども、ひとたび足を踏み入れれば、そこはこの手の音楽好きだけが感じ取る安らぎの世界。上品なご夫人(おばあさま)がひとり、注文を取り、一杯一杯コーヒーを入れてくれる。CDの操作も彼女。
芸術関連の本や、雑誌などもふんだん置かれ、素晴らしい世界。
グリュミョーとクレンツで、メンデルスゾーンのホ短調とニ短調の協奏曲を聴き、耳が洗われるような気分でありました。
国分寺市本町2-8-7 駅北口から約3分
さてと、「第5番シリーズ」、3月の3本目は、英国作曲家のウィリアム・アルウィン(1905~1985)の交響曲。
このあたりになると、あまりに未知の世界で、皆さん引いてしまいます。
でも英国コンポーザーとなると、私はすべてを聴かずにいられない。
このアルウィンはついこの間まで存命したわりには、保守的な作風。
でも、ウォルトンやティペットと同系列に考えるならば、かなりモダーンな雰囲気の音楽が多い。さらにでもでも、その音楽は抒情派のハウエルズ等に例えられるような美しさと優しさに満ちている。
超越的なまでに美しい「ハープ協奏曲のリラ・アンジェリカ(天使の羽)」はすでに弊ブログでもとりあげた。思うだけでもうっとりしてしまう曲。ナクソス盤もあるはず。
ロンドン響でエルガーやRVWのもとでフルートを吹いていたこともあるアルウィン。
ロンドンでの活躍を経て、後半生はサフォーク州のカントリーサイドで作曲に絵画(このジャケット)に、思い切り好きに暮らした。
最後の交響曲の第5番「ハイドリオタフィア」は、1973年のそんな時分に書かれた。
17世紀英国の心理学者・哲学者・植物学者等々のトマス・ブラウンの作品に感化されて作曲されたが、英文の解説を読んでもイマイチその辺のところがわからない?
曲は16分ほどだが、ちゃんと4つの楽章に分類できる。全曲を一つのモットーがつらぬいて使われていて、シベリウスの7番のような、簡潔ながら、作曲者が行き着いた彼岸の世界のような満ち足りた世界の音楽になっていて、しかも英国音楽好きを泣かせる「カッコよさ」と「抒情」の両立が成り立っている。最後の祈りに満ちた部分に達すると大きな感銘を受けること請け合い。
ヒコックスの素晴らしい全集から。
アルウィンは5曲の交響曲、あらゆる楽器のための協奏曲、室内楽曲、オペラふたつ、歌曲、映画音楽多数とかなりの多作家。オペラを是非聴いてみたいもの。
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コメント
こんばんは。
国分寺に音楽喫茶があるのですね。
また、仕事で近くに行った時に、是非立ち寄りたいと思います。
別の話になってしまいますが、今夜、デッセイ主演のルチア(「ランメルモールのリシュー」)がハイビジョンで放映されるようです。
もし、睡魔に襲われなければ、あの迫真の演技をまた見てみたいと思います。
投稿: romani | 2007年3月17日 (土) 23時08分
romaniさん、おはようございます。
国分寺は学生の町でもあり、こうした店が存続できるんでしょうね。
デッセイのルチアは彼女が封印したヤツですか!
あれはまさに迫真の演技ですよね!
投稿: yokochan | 2007年3月18日 (日) 05時57分