ワーグナー 「ローエングリン」 アルミンク指揮 新日本フィル
アルミンク 新日本フィルの「ローエングリン」、セミステージ上演を聴いた。開演前、アナウンスが入り始め、またマナーのご注意かと思いきや、オルトルートとローエングリンの調子が悪いけど皆さんのために歌いますって!
来たぁ~、またかよ。
以前というか昔、NHKホールでバレンボイムがパルシファルをコンサート形式でやったとき、パルシファルのエルミングが不調で降りてしまい、代役が今日のアナセン。その時は大物たちに囲まれ譜面をみながら四苦八苦だった記憶あり。
その後、立派になってローエングリンとして、日本に帰ってきたが、因果は巡るか?
そういゃあ、エルミングもアナセンもデンマーク人なんだ。
果たして、いや、立派になったのはお腹だった。腹だけが出る中年太りか?、それとも腰でも悪いのか? もしかしたら腰痛持ちかもしらん、コルセットでもはめてるかもしらん。
第1幕の登場の場面は、白鳥役のダンサーに伴われて客席から登場したが、舞台にあがると、アレレ?のお姿。ディーナーのエルザが背が高いから蚤の夫婦みたい。
な~んてことばかりじゃかわいそうだから、声を褒めましょう。
不調なりに、よく歌っていた。最初はヒヤヒヤしたけど3幕は頑張った。力強い声でもなく、美声でもないが、素直な声に好感。
ディーナーはよかった。ビジュアル的にも良いし、歌いなれた役柄か余裕も感じられた。ジークリンデなんかよさそうな人。
でも今日一番よかったのは、伝令司の石野繁生。
このオペラの第一声を決める、以外と大事な役をびっくりするぐらい立派な声で決めてくれた。ホールに響き渡る朗々たる声は、海外組以上だった。
ハノーヴァーの歌劇場で活躍する人らしいが、最近ドイツで活動する日本人歌手の素晴らしさには嬉しい限り。
ハインリヒは若いコニェチュニというポーランド系の人。この人も立派な声の持ち主で、盛んな拍手を浴びていたか、声域はバリトンに近く、高貴な王様というよりは、テルラムントかアルベリヒのようなワル役がお似合いに思った。ちょっと苦手なタイプ。
テルラムントのレイフェルクスは文句なし。ハインリヒとの声の対比が先ほどの印象でちょっとイマイチ。オルトルートのペーターザマーというメゾ、きっといい歌手なんだろう。
存在感のある人だったが、声が出ず気の毒だった。
てな具合に、歌手は凸凹あった。それを強く意識してかアルミンクの指揮はかなりオーケストラを押さえていた。ピットじゃなく剥き出しだから余計にそうかもしれないが、不調歌手の場面では、かなりオーケストラを制していて、全体を見通す鋭い能力に感心しながら聴いていた。もっと鳴らしていいと思う場面もあったが、もともとはそういうタイプじゃないのかも知れない。初めて聴くこのイケメン指揮者。普段はどうなんだろ。
最後、グラールの物語をアナセンが頑張ったあとの、アルミンクはテンポをかなり引っ張って、じっくりしたエンディングを築きあげた。あんな最終音は初めて聴いた。よかった。
休憩中、女性ファンが、「ローエングリンの役をアルミンクが変わればいいのに」って言ってた。
なるほど、イケメンは得だな。(チクショー)
演出は限られた空間の中では上出来のものかと。
ただし、合唱が当初、私服とタキシード(たぶん貴族と平民?)だったり、最後は会場で販売してたスカイブルーのローエングリン長袖Tシャツを全員が来こんでいたのは奇妙。
最後に新日フィル。あぶないところもあったけど、たいしたもの。実によかった。
お客さんも、私のまわりでは最初オヤスミの方が結構いたけれど、途中から音楽とドラマに引き込まれた様子で、みな真剣に聴き入っていた。
カーテンコールも熱烈なもので、錦糸町が熱くなった。
今朝まで、 久しぶりの大阪。
大阪に行けば、先進国首脳猥談に参加するのがしきたり。
期末で多忙ななか、お時間を頂戴したのが、LさんとT女史の両理事。
おまけにL理事お膝元のお店でたっぷりと音楽と酒、そしてマスターの手料理三昧。アインザッツ亡きあと、なんだか嬉しいお店。
ワーグナーもたくさん。大阪にまた憩いの店が出来そうです。
理事のお二人ありがとうございました。
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コメント
先日は辺鄙な所までわざわざありがとうございました。でも、田舎町なりに味のある所だと思います。あの辺りも結構ディープ大阪を楽しめるので、もしまた機会がありましたら。
ニフティのページ、設定してみました。なるほど、自分の画像をテンプに取り込めました。まだなんにも記事はありませんが、大好きな、ストコフスキーとオーマンディのツーショットテンプに大満足デス。
投稿: リベラ33 | 2007年3月25日 (日) 10時51分
祝日と週末しか公演がないので、行きたかったけど、パスしました。2004年にサロメに行きました。女性はヘロディアスのシリアもサロメ役のソプラノも目にも良しでしたが、男性はなんといってもアルミンクが、若くて、かっこよかったです。
>蚤の夫婦
ローエングリンとエルザ、凸凹だったんですね。やっぱり興醒めかも・・・エルザ役のソプラノはコジ・ファン・トゥッテ(アバド指揮2000年フェラーラ)をテレビで見たことがあって、なんという大女なんて思ってました^^l
投稿: edc | 2007年3月25日 (日) 18時08分
リベラさん、よいお店をご紹介くださいました。
ディープ大阪、結構好きですので是非ご案内ください(笑)
ニフティのココログは、テンプレート設定が容易なのでいいです。
まあ自己満足の世界ですが・・・。
投稿: yokochan | 2007年3月25日 (日) 20時49分
eurideiceさん、こんばんは。
アルミンクは確かにかっこいい。
でもアルミンクより、昨日エルザは背が高かった!
舞台って難しいもんです。
アルミンクは9月に「こうもり」を演奏会形式で取上げるらしいです。
投稿: yokochan | 2007年3月25日 (日) 21時18分
こんばんは。
このコンサート、私も行きたっかたのですが、時間が合わず断念してしまいました。
ところで、大阪のsakura、私も行ってみたいと思います。
出張の日程があえば、是非ご一緒しましょう。
ところで、このエントリーだけフォントが大きいように感じましたが、気のせいでしょうか(笑)
投稿: romani | 2007年3月25日 (日) 22時20分
こんばんは。なんだかんだで、いいコンサートでした。
SAKURA、なかなかに味のある店で、お料理の方もなかなかでした。
やはり大きいですか?自分のPCで見るととおんなじなんですが、入力の時に変だな?と思ったのです。
コンサートの時は、帰りの道中が長いもので、携帯で原稿を打ち、それをPCにメールして、ワードに貼り付けて使用してます。
ですから、時おりフォントがめちゃくちゃになってしまうことがあります。
お見苦しくて申し訳ありません(笑)
投稿: yokochan | 2007年3月25日 (日) 23時49分