「ロメオとジュリエット」3作 小沢征爾指揮
あの頃は良かった・・・・・。
悔悛とともに、若き日々を思い起こすのもいいものだ。
音楽家も年を重ねて熟成して行くが、年を重ねて逆に面白みが薄れて行く音楽家もいるかもしれない。
ああ、こんなこと書いていいのだろうか!だからやめとく。これ以上は怒られそうだから。
今日は、小沢征爾のサンフランシスコ時代の名録音「ロミオとジュリエット」3作品。
すなわち、「チャイコフスキーの幻想序曲」、「プロコフィエフのバレエ音楽から5曲」、「ベルリオーズの劇的交響曲から愛の情景」、これらを1枚に収めたナイスなCD。
「この企画ずっとあたためていたんですよ。」当時のこのレコードの小沢のキャッチコピーだったように記憶している。
「ロメオ」は「ペレアスとメリザンド」と並んで、多くの作曲家が取上げた原作だ。
小沢もあと、グノーやディーリアスなども取上げたら完璧だったのに・・・・。まあ地味過ぎか。
70年代の小沢は、実に輝いていた。どんどんステップアップしていく様が、われわれ日本人にとって、頼もしくも誇らしく感じた。小沢本人は、それこそ日の丸を背負っていて意気込んでいた訳で、その努力たるや並みのものではなかったろう。
そんな時代の最良の姿が、この「ロメオ3曲」にあふれ出ているように思う。
一気呵成に聞かせるチャイコフスキーは、ティンパニの強打が凄まじく、両家の争いなどはかなりドラマテック。でも味付けがアッサリしていてもたれないのは小沢ならでは。
プロコフィエフでは、弾むような独特のリズム感が素晴らしく、オケも乗せられて熱演。
一番いいと思ったのが、ベルリオーズの清冽な演奏。どこまでも流れるように、なめらかに拡がる歌。でも情熱は失ってはいない。
そう、小沢のベルリオーズは素晴らしい。今こそベルリオーズを再び取上げて欲しいぞ。
1972年、カリフォルニアでのDG録音。
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コメント
1969年のトロント交響楽団との来日公演を当時のTV放送で見ました。カッコよかったですよ、あの頃のオザワは。音楽もイキイキしてた。でもねェ、今はちょっと…。
投稿: einsatz | 2007年3月 9日 (金) 01時37分
1969年のトロント響ですか!私がクラシックに目覚めた年ですが、全然記憶にありません。
ボストンに長く居すぎたんですかね?サイトウ・キネンオケのせいですかね?どうにもこうにも・・・・。
ボストンを10年くらいで切り上げて、パリ管10年なんて具合にミュンシュっぽくいけばよかったのに・・・と思います。
投稿: yokochan | 2007年3月 9日 (金) 22時20分