シューベルト 「冬の旅」 ルネ・コロ
春はどこへ行った?ともかく寒いですなぁ。
一時あんなに暖かかったのに、おまけに連日の冷たい雨。みょうちくりんな天候に、体の温度計がおかしくなりそうであります。
寒いことをいいことに、今宵は千葉の地酒で熱燗を飲む。
画像は以前のものですが、内容はほぼ一緒。
お気に入りの「常滑焼」の酒器は、実に手に馴染み、右手が忙しいこと。
それはそうと、今日の首都圏の朝は、あらゆる電車が連鎖的に遅延してましたな。
人身事故、急病人、混雑による遅延とね。
推測するにですな、新入社員の配属が始まったこと、高校・大学の新学期の本格化、リクルーターの活動などが重なって、普段と異なる様相を呈しているのではないかと。
4月の半ばって、そういう時期。戻りたいな、あのコロに・・・・(オヤジのつぶやき)
寒さが戻ってきてしまったので、こちらもあのコロを思い出しついでに、「冬の旅」を登場させてしまおうではないか。
春が戻ってくる前に、大急ぎで「冬の旅」を、企画である。
こちらの急いた気持ちを察してか、この「冬の旅」は快速のすたすた歩きの忙しい旅立ちで始まる・・・・。
われらがワーグナー歌手、「ルネ・コロ」はもう引退して久しいが、今年70歳になる。
70年代の颯爽とした「ローエングリン」や「ヴァルター」は今でも伝説級の舞台姿。もちろん見たことないけど、数々の写真がそれを物語っている。
日本でも、「エリック」と「ローエングリン」以外は演じてくれたので、「トリスタン」以外は私も舞台に接することができた。
そんなコロの歌曲。「詩人の恋」は以前取り上げ、ヴァルターのような若々しさが嬉しい歌であったが、この「冬の旅」はジャケットが物語るように、後半はかなり疲れた旅人になっているように思う。
声が疲れているのではなく、人生の辛酸を舐めてしまった男のほろ苦さとでも言おうか。
そう、コロが引退前に演じたあのアウトローのような「タンホイザー」のそれを思わせる。
前半は、かなりの表現意欲で、驚くほど隈取りが濃いし、歌い飛ばすような勢いもある。
後半から、周りから浮いてしまう悲しい男をしっかりした声で歌いあげようとしている。
この冬に聞いたホッターはボソボソ声でありながら、そこに温もりの優しさを見出すことが可能だったけれど、コロのしっかりと意志をもった声は、かえって「誰の手も借りずにさすらってやる」ぞと、不気味な伴侶とともに旅立っていってしまうので、優しい手を差し伸べることができない。
ユニークな「コロの冬の旅」。
いつもお世話になっているeuridiceさんが、取上げていらっしゃいます。
ご紹介のコロ自身の言葉とともに、ワーグナー好き、テノール好きにとってなるほど、の記事です。
ちなみに、このCD、あるショップで500円で投売り状態のものを救出したが、コロの意志は、ドイツの体の不自由な子供たちへのチャリティーとのこと。
こんなに安く買って、どうもすんません。
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コメント
ほんとに寒いですね。
>ユニークな「コロの冬の旅」
リンクありがとうございます。
「冬の旅」は高校時代をはじまりに、ぼ〜〜っとですが、
あれこれ聴いています。他の冬の旅関連記事、目下メンテ中なので、
後でTBさせてください。
投稿: edc | 2007年4月18日 (水) 08時49分
euridiceさん、こんばんは。
TBもありがとうございました。たくさん聴いていらっしゃるんですね!
知らない「冬の旅」ばかりです。
私なんて、FDやホッターといった定番ばかりです。
少し冒険の旅も必要であります。さしあたり、ファスベンダーとシェーファーなどを聴いてみようと思ってます。
投稿: yokochan | 2007年4月18日 (水) 23時41分