バルトーク 「青ひげ公の城」 ハイティンク指揮
新聞屋さんにもらったチケットで、マリンスタジアムに。
今日は暑いくらいの陽気で、海が見えるスタジアムはほんとうに気持ちよかった。
最初のビールのおいしかったこと!
地元「ロッテ対ソフトバンク」、親子ともに「ベイスターズ」ファンだけど、浮気先は私が「ロッテ」、息子が「ソフトバンク」ということで、本日は親子対決に。
試合は、最初からソフトバンクの強力打線が炸裂し、ソフトバンクペースに。
もう飲むしかないね、お父さんは。
食べたのは、「Cheese Steaks」のステーキ・サンド。フィラデルフィアの味ということだけど、よくわからない。
でもフランスパンにとろけるチーズにバーベキュー味の肉がぎっしり詰まっていて、ほんとうにおいしかった。
ビールに最高!
あとは、本格インドカレーの店で、タンドリーチキンを。
居酒屋状態のマリスタでありました。
バルトークの唯一のオペラ「青ひげ公の城」は、1時間のコンパクト作品ながら、独特なハンガリー語を前提に書かれているため、他国語での上演がなかなか難しいらしく、舞台ではあまりお目にかかれない。
おまけに、1時間上演で、あと何をセット上演するか?
難しい1時間であろう。
1911年の作。原作は童話作家のペロー、台本はバラージュというハンガリー人。
わけわからんハンガリー語による歌唱つきだが、オケコンやマンダリン、協奏曲などが楽しめれば、このオペラはどこをとってもバルトーク。聴きやすい音楽であろう。
「孤独な青ひげ公は、ミステリアスな人物で、今日も青ひげ公に見せられた女性ユディートが城に着いて来る。女はどこまでも着いて行くという。城に入ると7つの扉があり、その扉をひとつひとつ開いてゆくが、それぞれ武器や宝石、花園、太陽に輝く肥沃な土地・・・などが現れるが、みな血ぬられている。
最後の7番目の扉から、3人の女たちが出てくる。かつて青ひげ公が愛した女たち。
ユディートは惨めになるが、今度は自分が4番目の女となり7番目の扉に消える」
変な物語。隠した性癖をもった男に尽くしてしまう女・・・・。なんだかねぇ。
7という数字は、意味深い。7の前の6は不吉な数字で、悪魔の数字とも言われるらしいし、7が揃って安息があり、完璧になるという。
でも音楽は、素晴らしい。第5の扉(肥沃な領地)を開いた時の輝かしい音楽をピークにして前半はクレッシェンド、後半はディミヌエンドしていく緻密な構成で、扉ひとつひとつの音楽がそれぞれに個性的で楽しめる。
ユーディト:アンネ・ゾフィー・オッター 青ひげ公:ジョン・トムリンソン
ベルナルト・ハイティンク指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クールで蒸留水のような声のオッターは、以外にこの役にピッタリ。そしてワーグナーでも歌うかのようなトムリンソンも実に立派な声で感心してしまう。
ちょっと立派すぎて、ちょいワル臭さがあってもいいかも。
それでもって、ハイティンクのキッチリした指揮のもと、ベルリンフィルの舌を巻くようなうまさと豊穣さ。
あとの贅沢な悩みは、この演奏が洗練されすぎていること。こうした変な男と女の物語には、土臭さも必要では・・・・。
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コメント
CDで聴いたことはないのですが、映像は二つ観ました。映像自体はそれほどどうということもないですが、音楽はけっこう好きです。五番目の扉、青ひげ公がその広大な領国を見せる場面の音楽、もの凄く壮大、重厚で、天地創造という感じで、心が煽られてしまいます。こういう傾向の音楽に弱いみたいです・・・
投稿: edc | 2007年4月 2日 (月) 11時03分
eurideiceさん、こんばんは。
ふたつの映像のうち、ショルティのものは、NHKで放送され、モノですがライブラリーにあります。シャシュはいいですが、あまり記憶にない演奏でした。
でもおっしゃる第5の扉の場面、私もゾクゾクします。
そう、ワーグナーの世界が思い浮かびます。
今回の視聴の聴き所は、まさにそこに定めてました。
投稿: yokochan | 2007年4月 3日 (火) 01時02分
>こうした変な男と女の物語には、土臭さも必要では・・・・。
同感です。
ワタシの聴いたプーレーズ盤も洗練された響きでした。もうちょっと血生臭い感じが欲しい気もします。
それにしてもバルトークの音楽は圧倒的ですね。
投稿: しま | 2007年4月 3日 (火) 01時40分
しまさん、こんばんは。コメントありがとうございました。
ココログメンテと出張が重なり、遅くなりました。
ブーレーズも血生臭さとは縁遠い指揮者ですよね。
でも、どんなスタイルの演奏でも受け入れられる、そんな素晴らしい音楽ですね。
投稿: yokochan | 2007年4月 6日 (金) 00時02分
今晩は。
私は自分で買ったレヴァイン盤と図書館で借りたハイティンク盤を聴きました。レヴァイン盤はプロローグにハンガリー語の語りが入っています。ドイツ語と中国語を合わせた様な不思議な響きの言葉ですね。演奏はアダルトな芸風のハイティンクのほうがいいでしょう。レヴァイン盤は響きが明るすぎるように思います。ミュンヘンフィルを指揮しているのに・・・ミュンヘン時代のレヴァインはメトでオペラをやるときのような闊達さが無かったような気がします。健康面で問題を抱えているようですが、ボストンで頑張って欲しいものです。
ステーキサンド、本当に美味しそうですね。
投稿: 越後のオックス | 2009年5月15日 (金) 00時43分
越後のオックスさま、こんにちは。
レヴァイン盤は未聴ですが、そうせっかくのミュンヘンなのに残念ですね。
いまのティーレマンの腰の重さとは大違いのレヴァイン時代です。
ハイティンク盤も原語語り入りで、雰囲気バッチリですよ。
ステーキサンドはおいしいですが、今年はマリーンズもベイスターズもへなちょこです・・・・
投稿: yokochan | 2009年5月16日 (土) 13時11分
yokochan様今晩は。
私としたことがとんだ勘違いをしておりました。ハイティンク盤は、ハンガリー語の語りが入っているのですね。図書館で借りて聴いたのがかなり以前なので忘却してしまっていたようです。レヴァイン盤は、凄まじくテンポが遅いようです。演奏の前と後に入る拍手を引いても65分くらいかけて演奏しています。一時間を切る演奏のほうが多いようですね。
私は速めのテンポでスカッとやってくれると曲の良さが理解できる傾向が強いようで、パルシファルなんかケーゲルの快速演奏とめぐり合わなかったら未だに訳のわからない長大な作品だと思っていたかもしれません。あらかわバイロイト、私も行きたかったです。プレイング・タイムがケーゲル盤とそっくりなので記事を読んでいてそそられてしまいました。
青ひげ公はショルティやケルテスやインバルやオールソップなども聴いてみたいですね。市立図書館にあるハイティンク盤とサヴァリッシュ盤ももう一度しっかり聴いておきたいです。EMIといい、グラモフォンをいい、どうしてああいう名演を廃盤にしてしまうのでしょうね・・・
投稿: 越後のオックス | 2009年5月17日 (日) 19時00分
今晩は。過去ログに書き込み失礼いたします。最新の記事もいつも楽しく読ませてもらっております。
レヴァイン盤が期待はずれだった事は以前も書きましたが、今回は大当たりCDにめぐり合えました。ドラティ指揮ロンドン交響楽団のマーキュリー盤です。ブリリアントから比較的最近再発売されたものです。これは演奏も音質も素晴らしいの一語に尽きます。1963年のステレオ録音ですが、「最新録音なんじゃねーの?」とツッコミたくなるほどの音質の良さ。そして精緻にしてホットなドラティの指揮。レヴァインが66分かけて演奏している全曲をドラティは52分ほどで振っています。ヤーノシュ・フェレンチクのフンガロトン盤はもっと速いようですが。このドラティ盤の唯一の弱点はハンガリー語のあの朗読が入っていないことでしょうか。巧みな朗読が収録されていればハイティンクやケルテス並みの名盤でしょう。このCD、ベルクのヴォツェックからの三つの交響的断章がおまけに収録されているのも魅力ですね。こちらのほうのドラティのエネルギッシュな演ぶりもなかなかの聴きものです。
投稿: 越後のオックス | 2009年11月11日 (水) 21時26分
越後のオックスさん、こんばんは。
そうですか、ドラティはそんなに素晴らしいのですか。
しかもベルクですか。
こりゃ、そそられますな。
私は、サヴァリッシュも欲しいのですが、ゲルギエフを聴いてみたいのですが、CDが高いのです(笑)
なぜかというと、新国リングで気に入った、ウシャコワが歌っているからです。
投稿: yokochan | 2009年11月11日 (水) 23時54分