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2007年4月 9日 (月)

ワーグナー IN ドレスデン 若杉弘 指揮

Wakasugi_wagner 今日の東京地方の天候は春の初めのに逆戻り。
寒いし、晴れたと思うとにわか雨。
こんな嫌な月曜でも、酒は飲んでしまう。

11時過ぎにほろ酔いで帰還し、音楽が聴きたい。

こんな時は、大好きな音楽で、しかも短くも完結感があり、そこそこ高揚させてくれるモノ。
とくりゃ、ヴェルディかワーグナーの序曲だろ。

てなわけで、「リエンツィ」「さまよえるオランダ人」「タンホイザー」「ローエングリン」といった、ロマンテック・オペラの序曲・前奏曲を集めた1枚。
しかも、それらにゆかりの「ドレスデン国立歌劇場のオケ」を我らが、「若杉弘」が指揮したものである。
1984年、ドレスデンでの録音。
当時、若杉氏は、ドイツでの活躍において最も脂ののっていた時期で、「デュッセルドルフのラインドイツオペラ」→「ケルン放送響」・「チューリヒトーンハレ」→「ドレスデン国立歌劇場」と、まさにドイツ音楽界の王道を駆け抜けつつあった。
日本でも、二期会でワーグナーやシュトラウスの日本初演をやってのけるなど、内外でオペラ指揮者として誰しもが認める存在になっていた。

そんなロングキャリアの若杉先生が、満を持して「新国立劇場」の芸術監督に。
新国はなんと「オペラパレスなどという、コメントしがたいあまりにも素晴らしい愛称がついてしまったが、今後の運用・演目には若杉氏ゆえ、大いに期待がかかる。

「音楽の友」誌を立ち読みしていたら、氏のインタヴューが出ていて、氏いわく、古今のオペラの代表6作は、「ドン・ジョヴァンニ」「トリスタン」「ボリス・ゴドゥノフ」「ペレアスとメリザンド」「ヴォツェック」あと何だっけ?「オテロ」か「ファルスタッフ」・・・・。

これらが、新国では上演されてないことを指摘していて、自身「トリスタン」は唯一指揮する機会がなかったので、是非に・・・、という内容であった。
私にとって、こんなにピピ~ンとくる大好きレパートリーの日本人指揮者はいないよ!と感銘を受けた次第。ちなみに、あとは「飯守氏」と「尾高氏」ですな。(小声で「大友氏」)

Wakasugi 20年前の若すぎの若杉氏。
ドレスデンのルカ教会での録音スナップ。細い。妙なズボン。
そんなことは、ともかく細かくも的確な指揮が当時のドイツで受けた。
小沢征爾に出来なかった劇場での活躍。
ドレスデンの素晴らしい響きは言うにおよばず、いつでも幕の開きそうな雰囲気が満ちていて、旋律の歌わせ方も単なるオーケストラピースのそれではない。
劇場のヒト、「若杉弘」の素晴らしい記録であり、円熟期にある氏の「日本国立歌劇場」での活躍、そう具体的には「トリスタン」上演を大いに期待したくなる1枚のCDである。

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コメント

お邪魔してます
小沢さんは、あっちの人になってしまったので、若杉さんは日本で頑張ってほしいですね。
今年はドレスデン、ベルリンと2大オペラハウスが来るので、演目も好きなのが揃ってるので、どれかに行きたいと思ってます。ベルリンの「トリスタン」かドレスデンの「ばらの騎士」かな。

投稿: HIROPON | 2007年4月10日 (火) 14時28分

HIROPONさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
そうなんですよね。若杉さんはもう70歳を超えましたが、国内で確実に成果を上げてます。オペラが中心で少し地味ですが、この人がいなければ、大変なことになっていましたよ。

今年はドイツオペラのあたり年。私はベルリンのトリスタン、ドレスデンのタンホイザー、そしてテューリヒのバラ騎士に行こうと思ってます。

投稿: yokochan | 2007年4月10日 (火) 22時56分

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