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2007年5月25日 (金)

ブラームス 交響曲第3番 アバド指揮

Torigata 秋田県大館市にある「鳥潟会」。

この地(かつては花岡町、現大館市)に生まれた「鳥潟隆三」の生家。
鳥潟家は、佐竹藩の時代にまで遡る名家で、隆三氏は京都帝大教授までなった秀才で日本の外科医学に多大な貢献をしたという。

さらに同家からは、無線電話の発明者や、欧州で名の知られた世界的軽業師などが生まれた。
その一族の家が、市により保全され、拝観できる。京都から職人を呼んで作らせた庭は、北東北とは思えない風情があった。

Abbado_brahms3

アバドの交響曲、シューマンがないので、次はラームス。アバドはずっとブラームスを演奏し続けてきた。交響曲と協奏曲はそれぞれ2回以上、声楽曲も何度も録音している。

アバドのブラームスには、新旧を問わず、ドイツ的な響きではなく、アルプスの南側的な明るい響きがある。ブラームスが思いあこがれていた音の一面を見事に照らし出しているアバド。
 ことに2番と3番の交響曲、2番の協奏曲、合唱曲などは、まったくツボにはまっている。
ベルリンフィルから、こんなに歌謡性豊かな響きを引き出していることが驚き。
3番の交響曲で、私が一番好きなのは、第2楽章。早めのテンポでとどまることなく歌われる、やさしい木管の歌。やがて弦がそれをなぞりながらも、明るいロマンの森へいざなうような美しい展開へ導いてゆく。このいかにも、ヨーロッパ的なサウンドにずっと浸っていたいと思う。

ブラームスの英雄交響曲なんて、とんでもない。2番と並ぶ自然派交響曲でありましょう。
2番から6年後、1883年、作者50歳の作品。この年こそ、ワーグナーの亡くなった年。
もうリングもパルシファルも世に出ていたことを思うと、頑固爺さんのブラームスが微笑ましい。
26歳の女声歌手に恋していた50歳のブラームス
独身だったとはいえ、いいねぇ。我々オジサンたちも、見習わなくっちゃ??

1973年に、アバドはウィーンフィルとともに初来日した。
NHKで、ブラームスとベートーヴェンの3番の演奏会を見た。アンコールは「青きドナウ」。70年頃からDGへの録音が本格化し、アバドが好きだったが、この来日で完全にアバドのファンとなった。長髪を振り乱し、真摯に名門オケを振る指揮姿もよかった。
極めつけは、アンコールで、こともあろうに彼等の国家ともいえる曲で、木管が出を間違えてしまった。アバドと楽員たちは、さも可笑しそうに、もうニコニコとしながら演奏を続けた。
音楽の楽しさを見せ付けられるような思いだった。

そのアバドの1回目のブラームス全集は、4つのオケを振り分けたもので、むしろそちらのほうが好きなくらい。いずれ、特集しましょうかね。

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コメント

ブラ3が英雄的だなんて、誰が言い出したんでしょうね。

投稿: リベラ33 | 2007年5月26日 (土) 05時44分

おはようございます。アッバードのプラームス(全集)、デジタル・プレイヤーに定期的に通勤で聴いてます。ブラームスの音楽、緻密で複雑系なんだけど、控えめに忍ばせた歌の美しさは素敵です。ジュリーニ、シャイー、そしてアッバード。振り返ってみると僕のブラームス全集12組、イタリア系が3人もいる!
中でもアッバードのはベルリン・フィルとの初期録音で、カラヤン時代の豪壮な響きと彼特有の伸びやかな歌が奇跡的な融合。3番3楽章の有名なメロディ、ジュリーニとともに最高!

投稿: IANIS | 2007年5月26日 (土) 08時25分

アバドのブラ3といえば、シュターツカペレ・ドレスデンとの旧録がなかなか再発されませんね。たしか1度きりCD化されて廃盤のままです。このオケとの共演は貴重だし、ぜひ再発してほしいですね。

投稿: einsatz | 2007年5月26日 (土) 12時25分

リベラさん、こんにちは。
英雄交響曲とは、初演者リヒターが言ったらしいです。
まったく紛らわしい。ベートーヴェンになぞらえてのことと、出だしの勇壮さからだったらしいですが・・・・。

投稿: yokochan | 2007年5月27日 (日) 00時00分

IANISさん、こんにちは。
12組とはまた集めましたね。イタリア人で3組。ムーティとトスカニーニはないのですね。私も持ってませんけれど。

アバドのブラームスは、歌が魅力ですよね。そうそう、肝心の3楽章の素晴らしさにまったく触れませんでした(笑)

投稿: yokochan | 2007年5月27日 (日) 00時07分

EINSATZさん、こんばんは。ご無沙汰してます。
ドレスデンとの3番とハイドン変奏曲は幻状態ですね。
結構好きな演奏です。ロンドン響との4番も同様です。
近く旧盤のDG交響曲大全集を特集します。しかし、古いですな・・・。

投稿: yokochan | 2007年5月27日 (日) 00時11分

 yokochan様今日は。
私も好きです。アバドのブラームスの3番。最近はノリントンやベルグルンドのような時代考証系ブラームスにはまっておりますが、モダン楽器で時代考証系でもないブラ3と言ったらアバドの歌心に満ちた演奏がベストです。そういえば時代考証演奏の雄で我が最愛のベートーヴェン指揮者ガーディナーがついにブラームスの交響曲録音に取り組み始めました…
運命の歌がまた私は好きなのです。作詞者がヘルダーリンだからというのが理由の一つです。私が世界文学史上最強ではないかと思っている大詩人です。36歳で統合失調症になり、人生の半分を狂気の世界で過ごさねばならなかった不幸な大詩人。一人の女性、それも人妻を一途に愛し続けたこと、若き日の肖像画が貴公子のようにかっこいいことなどブラームスと共通点が結構多いんです。二人とも創作においては慎重居士ですし。私は大学で英米文学を専攻しましたが、在学中は独墺太利文学と浮気ばかりしていました。当時から最も好きだったのがヘルダーリンです。ツヴァイクのヘルダーリン伝を読み、手塚富雄先生のヘルダーリン伝も読みました。決してとっつきやすい作家ではありませんが、抒情詩人としての実力はゲーテ以上という声もあるほどです。うまく言えませんが気高く、切れば血が出そうな生命感をその詩文から何時も感じます。
 作詞ヘルダーリン・作曲ブラームス・演奏はアバドとベルリンフィル。悪いはずがありません。

投稿: 越後のオックス | 2008年11月27日 (木) 15時36分

越後のオックスさま、毎度ありがとうございます。
アバドはブラームス大好きの指揮者です。
それと文学に根ざした音楽も大系的に取り上げる知的な指揮者でもあります。
ベルリン時代、毎シーズン、テーマにそった演目を取り上げておりました。
ラトルもその方針を受け継いでおります。
ヘルダーリンの特集もあったかと記憶してます。
ブラームス、シュトラウスの曲を集めた1枚がありました。
私は、文学系は弱いのですが、さすが、越後のオックスさん、このあたりは本当に強いですね。
私も、「運命の歌」は好きです。アバドで3種類持ってます。またご教授ください。

投稿: yokochan | 2008年11月28日 (金) 01時43分

管理人さんこんにちは。
TVで見た来日時のブラ3は全体的に音量を抑えた渋い演奏でしたが室内楽的な絡みのウィ―ンの得意な感じでした。
ドナウのflのミスは繰り返しの打ち合わせを聞いてなかったのでしょう…(笑)
私の大好きなポリ―ニとウィ―ンのブラコン2の収録に立ち会えたピアノ・チュ―ナのお客様の方に一晩話しを伺った事がありました。 グラムフォンには珍しくシットリ美しい録音でした!

投稿: マイスターフォーク | 2011年5月19日 (木) 15時12分

マイスターフォークさん、こんばんは。
テレビで、ご覧になりましたか。
1973年、解説は大木正興氏だったです。
あの青きドナウは、愉快でした。
みんなの笑顔がいまでも思い出されます。

そして、ポリーニとのブラームスは、後年のものより数倍素晴らしいですね。
あの頃にしかできなかった二人のブラームスに、ウィーンフィルですね。
そのお話とやらも、なんだか素晴らしいご体験ですね!

投稿: yokochan | 2011年5月20日 (金) 22時46分

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