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2007年7月16日 (月)

ビゼー 「カルメン」 デ・ブルゴス指揮

Carmen_burgos 日本列島の大半を舐めるように過ぎ去った台風が去ると、今度は地震!
テレビで被害状況が刻々と伝えられる。
不謹慎な話だが、地震の速報も地震を重ねるに従ってスピードと精度が高まっているように思う。
いつどこに地震が起きてもおかしくないギリギリの日本。電車が数分遅れただけで、遅れが連鎖して大混雑してしまう東京。すべてが過密な状況で,、もし・・・・と思うだけで恐ろしい。

台風と地震の被災地の方々にお見舞い申し上げます。

オペラ三連休を過ごしてしまった。
朝から「カルメン」、地震が起きたのに「カルメン」、昼にも確認のため「カルメン」、夜の今も、記事を書きながら「カルメン」。一日中、「カルメン」してる「海の日」であったよ。
こんな名曲になると、逆にほとんどあらためて聴くこともない。
かつての昔は、クリュイタンス盤を除けば、ギローが加筆したレシタティーヴォ付きの、グランドオペラ・スタイルの「カルメン」が主流だった。
70年代にはいって、オリジナルのオペラ・コミーク・スタイルが主流となり、セリフが重要な地位を占め、より劇性が高まった。その本格的なレコードが、この「デ・ブルゴス盤」で、そのあと、ベーレンライター出版のアルコーア版も登場し、マゼール、バーンスタイン、ショルティアバド、カラヤン、小沢、シノーポリ・・・・と気鋭の演奏が続々と登場することとなった。

 カルメン :グレース・バンブリー    ドン・ホセ:ジョン・ヴィッカース
 ミカエラ  :ミレルラ・フレーニ      エスカミーリョ:コースタス・パスカリス

 ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮 パリ・オペラ座管弦楽団/合唱団
                          木の十字架少年合唱団(69、70年録音)

フランス以外でも、その人気に対応できるように、レシタティーヴォ方式を取り入れ、グランド・オペラ風の衣装をまとった「カルメン」。そのかわりに失われたビゼーの音楽の持つ求心力と、フランスの芳香、そして劇的な要素。
それを見事に復元した記念碑的な演奏がこれ。
デ・ブルゴスの指揮する、オペラ座のオケの鮮烈さは、今もって耳に心地よく響く。
多国籍指揮者デ・ブルゴスの若い頃は、それこそスペインの熱き指揮者のように思われていたが、いまやドイツ系の重鎮でもある不思議なキャラクターの人。歳を経てドイツ人としての血が濃くなったのか、活躍の場がドイツに集約されたからなのかは、わからない。
このカルメンは、このドラマが持つ劇的な要素を太陽のもとにあるかのように、明晰に聴かせてくれて素晴らしい。ジプシーの歌における強烈な興奮はちょっとスゴイ。

Carmen 歌手は、女性二人がいい。バンブリーの誇張のない音楽性ゆたかな歌は、現在のスタイリッシュなカルメンとして充分通用するのではないかと思う。
フレーニの若くてかわいらしいミカエラも素適だけれど、わずかに古風な歌いまわしを感じてしまったのは何故だろう。後年のフレーニの歌には決して感じることはないことなのに?
ヴィッカースのホセ(フランス読みではジョゼ・・・)は、その粘着質の歌唱と硬質の声が異質に感じざるを得ない。カラヤンのもとでのトリスタンは、そんなに悪くないのに・・・・。
それから、あまり録音のない、ギリシヤのバリトン、パスカリスもなんとなく冴えないのだ。
闘牛士の歌にワクワク出来ない醒めた自分にも原因はあるのかもしれないが。

男性歌手に不満はあるけれど、「パリのカルメン」は今もって、小股の切れ上がった洒落た演奏だった。
最終投稿に手を加えていたら、また地震が。今度は太平洋沿岸で。
地震の連鎖にならなければいいが・・・・。

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