ドビュッシー 夜想曲 フルネ指揮
普段、漫画は読まないけれど、「神の雫」は少ない愛読書のひとつ。
呑んベイで、食いしん坊だから、この系統の漫画にだけは弱い。
世界的に高名なワイン愛好家の息子「雫(しずく)」は、幼い頃からワイン好きになるべく育てられたが、母も亡くし、絶対的な父親 に反発しワインとは別世界に生きようとした。
しかし、その父が死に、膨大なワインコレクションの遺産が残された。それを巡って、ライバルと熾烈なワイン対決をすることになる・・・・・・。
ここに描かれるワインの歴史や現状、薀蓄もすべて本物の世界。
作者の確かな経験に基づいていて、この人ワインどれだけ投資したのだろうと感心してしまう内容。まだ連載中で、かつ取材中。どこまで広がるのか、ワインの世界!といった感じ。
私もご多分ももれず、ワインには相当凝ったし、飲みまくった。
だが、酒好きがはまると、本当に身上をつぶしてしまう。しかもそのまま飲むわけだから、度数は高いし、純度も高い。おまけに、カロリーもお値段も高い料理と飲むと、さらに味が引き立つと思い込んでしまった。
こいつは、ふところにも、体にも危険と察知して、何故か日本酒にシフト、こっちはさらに体に悪い、そこに登場したのが焼酎というすっきりした優れもの・・・・・・。
でも「神の雫」に影響され、葡萄の神さまが、おいでおいでしているヨ。
なんだかんだいって、世界の酒巡りは、それこそ堂々巡りを継続中である。
期せずして、小品によるヨーロッパ巡りをしている今週。仕事は絶不調で、史上稀に見る失態続き。
でも、どんなに落ち込んでも、音楽だけは聴くぞう。
そして今夜は、フランスを訪れようではないの。
「ドビュッシーの夜想曲(ノクチュルヌ)」を、フルネ指揮のオランダ放送フィルで。
マラルメの詩に感化された「牧神の午後」で、音楽における印象主義を掲げたドビュッシーは、5年後の1899年に「夜想曲」を発表し、その地位を確立したという。
切れ切れにたゆたう様子が、まさに儚い音楽の「雲」、賑わい行く行列の喧騒と盛上りを描きながらも、どこか寂しい「祭り」、旋律のなく途切れ途切れのイメージが模糊とした印象の「シレーヌ」。
これら3部からなる、美しい音楽を、いまだ日本のわれわれの脳裏にその優美な指揮姿が浮かぶ、ジャン・フルネは、まだ一流とはいえなかったオランダのオケを指揮して、ドビュッシーの真髄ともいえる録音を残してくれた。
ストコフスキーのもで有名な、デッカのフェイズ4録音の生々しさも懐かしい。
| 固定リンク
コメント