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2007年7月18日 (水)

ブラームス 交響曲第1番 マリナー指揮

Brahms12_marrinerネヴィル・マリナー」のブラームスの交響曲全集の存在はあまり知られていないかもしれない。
しかも、オーケストラは「アカデミー・ゼント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(アカデミー管弦楽団)」。

アカデミーというと、室内オケのイメージが強すぎて、軽々しい演奏と思われるかもしれない。
しかし、「アカデミー」は、曲によって編成や規模を随時買える変幻自在なオーケストラなのだ。
だから、バルトークのオケコンやレスピーギのローマ三部作なんてのまで演奏しちゃうスーパーなオケなんだ。
ヘンスラーレーベルは、アカデミー・シリーズと称して、かなりの珍しいレパートリーを数々プロデュースしているので、それらを探しだしていくのもマリナー好きの私の楽しみなんだ。

そんな思いで手に入れたブラームス全集。1・2番が2枚組、3・4番が1枚に収まっている。シリーズ統一のジャケットが、曲にそぐわないが、中身は驚くほど立派。
 ティンパニの堂々たる出だしを聴いて、誰がこれを「マリナー/アカデミー」と言い当て得るであろうか!!世の評論家諸氏にブラインドテストをしてみたいもんだ。
ホルンの強奏が実に耳に心地よく響く。繰返しもキッチリと行い、かといってだれることもなく、低回せず音楽はズンズンと進んでいく。なめらかでありながら、すごい推進力をもって展開していく1楽章。
2楽章はうってかわって、弦楽器のシルキーな響きが心地よいし、3楽章では、木管を中心に澄んだ音色がよく聞き取れる。こうした響きの見通しのよさは全曲にわたっていえることで、重厚長大な演奏でなくても、ブラームスは立派に鳴り響くことがよくわかる。
終楽章の主部の誇らかな第1主題は、こだわりがないかのように、かなり早いテンポで進められる。逆に、コーダの部分は、テンポをみるみる落として、じっくりした歩みになり、コラールは高らかに明るく歌われる。そして慌てずさわがず堂々たるエンディングを迎える。

Marinner2_1 この演奏にベルリンやウィーン、ドレスデンのようなコクや重厚な音色を求めるのは、まずもってムリ。
誰にでもお薦めできるわけじゃないが、もうブラームスなんてたくさん聴いてきた、という方に聴いてもらいたい新鮮な演奏に思う。
残る3曲が楽しみ。

1997年の録音。最近メジャーレーベルでの録音が少ないが、この頃からマリナーはあっさりマリナーから次元を高めていったのかもしれない。
N響に来演し、ブラームスの4番を演奏するマリナー。注目!

かなり前から報じられていたが、「HMV」が日本市場から撤退する。
店舗は、売却するらしいが、購入先がHMVの呼称を引継ぐかどうかはまだ不明という。
「タワー」は日本独自に生き残っているが、英HMV経営陣は、日本市場の厳しさと「ツタヤ」の強さに負けたようなことを言っている・・・・。たしかに都市型の出店ばかりだったので、全国網の目のように店舗を網羅し、セルとリースの両建ての業態のツタヤは強い。
われわれ、クラシックファンには寂しいはなし・・・・・・。

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