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2007年8月26日 (日)

R・シュトラウス アルプス交響曲 ハイティンク指揮

Berner_oberland スイス、ベルナーオベルラント地方のユングフラウ・ホッホ。はるか昔、(消費税導入の年だったか・・・)に行った時のスーベニア絵葉書。
クラシック好きなら、こんな絵を見ると思い出す「アルプス交響曲」。
晩夏の休日に相変わらず汗たらして聴いてみようじゃないの。

Tanzawa8 こちらは、神奈川県にそびえる「丹沢」の渓流。標高は600mくらいの中間点かな。
毎年、涼みに行き川原でバーベキュー。
みんなは、ビール飲んでるのに、運転手の私はノンアルコール・ビールとお茶。

Tanzawa6 涼やかな清流に足をひたせば、猛暑なんて吹っ飛んでしまう。
日頃の憂さも消え去り、一挙にクールダウン!

頭の中には、「アルプス交響曲」の滝の場面が鳴り響く。
ハープとチェレスタの水しぶきを思い切り浴びているようだ!

バーベキューは別館にてUP

Alpen_haitink R・シュトラウスの「アルプス交響曲」が、こんなに人気曲になるなんて、かつては、想像できなかった。
そんな思いは、かつてプレヴィン盤を取上げた時に書いた。

そして数ある競合盤のなかで、私がダントツに素晴らしいと思うのが、「ハイティンクとコンセルトヘボウ」なんだ。

まず堂々たるテンポがいい。
全曲49分30秒。同曲のなかでも長い方だ。ショルティがせっかくバイエルンのオケを使いながらセカセカと登山して40分を切ってしまった。
テンポばかりでなく、音のひとつひとつが充実して密度が濃い。
このような威容を前にして、聴くこちら側も背筋がキッチリと延びる思いだ。
真面目すぎるとする向きもあろうが、これだけ真摯に演奏されちゃうと、その説得力に「もうしょうがない、降参」ということになる。
カラヤンの巧さ、メータの爽快感、マゼールの濃厚さ、これらとまったく違うアプローチで、かつてのケンペの名盤を思わせる。楽譜を信じ、正面から堂々と向き合った演奏。

フィリップスの録音がまた実に素晴らしい。
ホールの響きを豊かに捉えながら、低音から高音まで実に音楽的に鳴り響く。
85年の録音。各地の名ホールで名録音を次々に生み出していたフィリップスの良き時代なり。

音楽を終え下山したら、当方も汗びっしょり。(何度もいうが冷房ないの)
シャワーでもあびて、冷たいビールでも飲みましょうかね。

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コメント

今、丹沢に関する本を読んでいるのですが、丹沢と伊豆半島は元は単独の島だったのが大陸移動で本州に衝突したものらしいのです。その為地質学的には独特のものがあるのだとか。この衝突は丹沢で700万年、伊豆半島では200万年くらい前ということで、まさに現在進行形の衝突で世界的に有名なスポットらしいです。ハイドン94でした。

投稿: リベラ33 | 2007年8月27日 (月) 04時19分

おはようございます。
ハイティンクの「アルプス交響曲」いいですね。大好きです。
絢爛豪華な外面的音楽を、ハイティンクは誠実に、虚飾なく演奏させます。オケも、ホールも素晴らしいですね。
木管も金管も美しく溶け合い、ホールの空間にどこまでも伸びてゆくのが分かります。
名録音だと思います。

投稿: mozart1889 | 2007年8月27日 (月) 04時47分

リベラさん、毎度どうも。
え?ってことは、神奈川県と伊豆半島は後からくっついたわけですか・・。
そりゃ、地震も予想されますな!!
たしかに丹沢の動植物は特殊なものがあります。カモシカもいるし(実際見ましたぞ)、妙な魚もいるしで。
伊豆半島も西と東が余りに違うし、風土的にも静岡県じゃないですよ。
う~む。日本はおもいしろいです。
ハイドン96的存在かも。

投稿: yokochan | 2007年8月27日 (月) 22時14分

mozart1889さん、こんにちは。
TBありがとうございました。
かつて評価もされなかったハイティンクが、今は超巨匠の第一人者です。
着々と誠実に音楽に取り組んできた結果でしょうね。
このシュトラウスもその道程の一過程としてほんとうに素晴らしい演奏です。フィリップス録音もなんだかハイティンクと一緒に熟成していったような気がしますがいかがでしょうか。
いつまでも活躍して欲しいハイテンクですね。

投稿: yokochan | 2007年8月27日 (月) 22時22分

いけませんなぁ、知らないうちにナイショでこんな素晴らしいCDをエントリなさるとは。。。
これは名盤ですよね、私のこの曲のベストです。
そして、コンセルトヘボウ管弦楽団との最高に幸福な時代の記録でしょう。
哀しいことですが、もうこのコンビがこのような音楽を演奏することはなくなってしまいました。
TBしますね。

投稿: yurikamome122 | 2007年8月29日 (水) 19時39分

yurikamomeさん、こんにちは。
こっそりエントリでしたが、見つかってしまいました(笑)
このコンビを愛する人にとっての不朽の名演でしょうか。
ご指摘の通り、自主制作盤で直近のこのコンビの演奏が出てますが、往時の蜜月の度合いが違うのかもしれません。
シカゴで、以外に相性が良いようです。ハイティンクにはまだまだ期待できそうです。

投稿: yokochan | 2007年8月30日 (木) 23時11分

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» 夏到来・・・・・・ハイティンクの「アルプス交響曲」を聴く [クラシック音楽のひとりごと]
気温が上昇しています。もう夏です。 早朝のジョギング、南に向かって走ると西日本最高峰、石鎚山(標高1982メートル)が目の前に広がります。 最も美しいのは、お正月の冠雪の石鎚なんですが、夏は夏で、青々と輝く雄姿はまた格別。 走りながら、何とも言えぬイイ気分になります。 ジョギング・ハイの状態なんでしょうが、どこまでも走って行けそうで爽快であります。 さあ、そういう日は、R・シュトラウスのアルプス交響曲を。 ハイティンク指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏で。 1986年発... [続きを読む]

受信: 2007年8月27日 (月) 04時44分

» R・シュトラウス作曲、アルプス交響曲 [yurikamomeの妄想的音楽鑑賞とお天気写真]
 今日は机にかじりついて明日の会議のレジュメを作り。月、火、恒例の仕事。  明日の会議は江ノ島近くのファミレスだそうです。ファミレスで会議?。なんか変だよね。  今日は1週間にわたるハイティンク・フェスタの最終日。私の思うところ彼の最良の楽器だったコンセルトヘボウとの共同作業で最良だと思うもので締めくくりたいと思います。  R・シュトラウス作曲、アルプス交響曲。ベルナルト・ハイティンク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。  明け方暗闇から山間の澄んだ空気に突き刺さるような劇的な夜... [続きを読む]

受信: 2007年8月29日 (水) 19時39分

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