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2007年8月 7日 (火)

ファリャ バレエ「恋は魔術師」 フリューベック・デ・ブルゴス指揮

Himawari フランスからスペイン、地続きの同じラテン系でも、ピレネーを超えると、情熱と粗野の度合いが違う。

そんでもって、イメージは強引ながらひまわり!
こちらは、国内某所で撮影したひまわり。
色が少し淡いけど、若いひまわりもフレッシュですな、うふふ。

Albeniz スペインも暑そうだけど、日本もクソ暑いですぞ。
そんなけだるい暑さに追い討ちをかけるかのような、情熱的なファリャの音楽を。
ファリャはアルゼンチンに没したものの、スペインを愛し続け、生涯その民族的な立場を貫いた人。

夏にはもっと涼しげな「スペインの庭の夜」があって、以前取上げたとき、スペインについて浅はかな素人講釈をしている・・・。恥ずかしい・・・。

「恋は魔術師」は「三角帽子」に先立って1915年に作曲されたバレエ音楽。

アンダルシア地方のジプシー伝説によるが、内容はちょいと恐ろしいくらいの情念に満ちたもの。
若くして寡婦となった主人公カンデラス、イケメンの若者に言い寄られ相愛の仲になるが、嫉妬深かった亡夫がばけて邪魔をする。困った彼女、亡夫が無類の女好きだった(!)ことを思い出し、友人の若いジプシー娘に亡霊を惑わせ、その間に若い男と契りを結ぶ・・・・。というなんじゃそれ、の物語。

この、いいかげんさと、それに取り組む真剣さがなんともスパニッシュ。
恐ろしき情念なり。こんなことは、他のヨーロッパ諸州にはないだろ。
日本の情念はもっと陰湿だが、見事なまでの明るい情念。

ファリャが付けた音楽は、もう我々がイメージするスペインそのもの。
ソプラノがものうく歌う。
「地獄の炎が燃え盛り、わたしの血はすべて嫉妬で焼けている・・・・」
こわぁ~~・・・・!

ドイツ人の血が流れながら、スペインに生まれ育った、フリューベック・デ・ブルゴス
ロンドンオケを振りながら、たぎるような情熱をクールな炎で照らしてみせた演奏。
粋だねぇ!

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