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2007年9月 7日 (金)

ベルク ヴァイオリン協奏曲 渡辺玲子&シノーポリ

Toya 台風で足止めをくらった北海道から、帰還。
首都圏の帰宅の足も、朝の出勤もそれぞれ大変だった様子。
苦心のすえ確保したホテルの一室で見たニュースで知ったこと。
皆さん、お疲れさまでした・・・・・。

こちらは、洞爺。神秘的な湖。
来年はこちらでサミットが。
サミット・クッキーとか色々と売ってます。

Berg_vn_watanabe                             

アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲は変質的なくらいに好きで、いくつも聴いてるし、このbrogには3度目の登場。
シェリング&クーベリックブラッヒャー&アバド

1935年、マーラー未亡人アルマと建築家グロピウスの娘「マノン」が19歳で小児麻痺がもとになった病で亡くなってしまう。
おりから、米ヴァイオリニスト、クラスナーから協奏曲の依頼を受けていたベルクは、かわいがっていたマノンを偲んで、この協奏曲を書くことになった。
「ある天使の思い出に」と、スコアに書かれている。速攻で書き上げたベルクも、同じ年の暮れに50歳で没してしまう。
二重のレクイエムとなってしまった。

しかし、最近の研究では、ベルクはすでに死を覚悟しながら作曲していたこと、そして自身の生涯を閉じる意味で、過去の思い出をここに織り込んだことなどが言われている。
農民の娘、「マリー」(あのヴォツェックの・・・)と17歳のベルクは恋に落ち、私生児をもうけている。さらに晩年の恋人「ハンナ」。
この二人のことが、この曲に織り込まれている。
マリーの出身地「ケルンテン」の民謡、ベルクとハンナを表わす数や、ハンナのイニシャルの音、などがそれであるという。

こうした巧妙な仕掛けがあるが、この作品は12音技法によっているにもかかわらず、旋律的で、ロマンテックでもある。これこそがベルクである。
第2部では、バッハのコラール(カンタータ第60番「おお永遠よ、汝おそろしき言葉よ」)が引用されていて、この場面がものすごく感動的。
私の最も好きな場所である。
最後は、例の民謡が回想され、コラールが静かに流れるなか、浄化されたように終わる。
ほんとに、素晴らしい音楽なのだ。

きょうの演奏は、渡辺玲子のデビューCDで、亡きシノーポリドレスデンを指揮してバックをつとめている。95年のライブ録音で、シノポーリの唸り声も聞かれる。
敢然とした技巧の冴えにも驚くが、よく歌うヴァイオリンの美しさにもびっくり。
コラールがこんなにたっぷりと、いや演歌のように気持ちが込められているのを聴いたことがない。
菅が活躍する曲だけに、ドレスデンのいぶし銀のようなサウンドがいい。
でも時おり、耳をそばだたせるな、濃厚な音色もオケからは聞かれる。
そのギャップがいい。
シノーポリの個性とオケの個性が幸せに結びつきつつあった頃なのだろう。

何度聴いても褪せることのないベルクのコンチェルト。
疲れた体と脳裏に染み込んでいく。
さて怜悧なクレーメルでも聴いてみようか・・・・。

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コメント

こんにちは!嵐の出張ご苦労さまでした。
しかしウニはおいしそうですね。わたくしいまだに殻付きのウニを食したことはありません。羨ましいです。出来ることなら海女になりたいくらい。
さてベルクのコンチェルトですが、私も色々とディスクは持っていますがシノポリ盤は持っておりません。この曲は演奏者(とくに指揮者)のアプローチによって浪漫的になったり前衛的になったりする面白い曲ですね。演歌っぽくもなるんですね。

投稿: naoping | 2007年9月 8日 (土) 09時01分

こんにちは。東京も大変なことになってましたね。
あちらは涼しいし、足止めはある意味嬉しい悲鳴でした。
海女も今は絶滅状態ですから是非!秘境の地へ行くと、海産物ごろごろですから・・・。
シノーポリ盤はテンポもゆったりなんです。
時おり、唸りながら、こぶしが入ります。
面白い演奏ですよ。お薦め。

投稿: yokochan | 2007年9月 8日 (土) 10時13分

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