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2007年9月27日 (木)

アンナ・トモワ・シントウ アリア集

Toya_flower 晩夏の洞爺湖のほとりの公園にて。
ラヴェンダーの一種であろうか、潔いブルーがとてもきれいだった。
行く夏を惜しむかのように咲き乱れていた。

鮮やかな緑も、今頃はくすんで来て、急速に秋の気配に包まれてきていることだろう。

こちら関東も、暑さ寒さも・・・、といわんばかりに、涼しくなった。
冷房がなくても過ごせる私の部屋にとっても、一番いいシーズンがやってきた。(やれやれ・・・)

Tomowa_sintow 今日も、オルフェオレーベルからオペラアリアの1枚を。
ブルガリアの名花「アンナ・トモワ・シントウ」は1941年生まれだから、まだ66歳。
随分昔から活躍しているように感じるが、それというのも30台でカラヤンに見初められ大役をこなすようになったからであろう。
カラヤンのお気に入りは、ヤノヴィッツ→シントウ、デルネッシュ→ベーレンス、という具合に80年代は変遷していったように思う。

カラヤン傘下で歌うようになり、シントウはかなりの努力と勉強を重ね進化を遂げたのではなかろうか。
持ち前の声の美しさは、中域から高域にかけてうっとりとしてしまうほどで、まさにカラヤン好み。それがカラヤンのもとでのヤノヴィッツのように耽美的にならずに、芯のある頭脳的な歌唱がシントウの強み。(カラヤン以外の指揮者とのヤノヴィッツはもっと違った印象)
 加えて、ドイツ・イタリアの大方のロールを見事に歌ってしまう器用さも、シントウは持ち合わせている。
アバド・クライバーに率いられたスカラ座公演での、デスデモナやレクイエムは、まったく素晴らしかった。そして、マルシャリンにアリアドネ、カプリッチョなどのシュトラウスの諸役。

 モーツァルト 「コシ・ファン・トゥッテ」   ウェーバー 「魔弾の射手」
 ワーグナー  「タンホイザー」            R・シュトラウス 「ナクソスのアリアドネ」
 R・シュトラウス 「ダフネ」         プッチーニ 「マノン・レスコー」
 プッチーニ 「トゥーランドット」       チレア  「アドリアーナ・ルクヴルール」
 ジョルダーノ 「アンドレア・シェニエ」   ヴェルディ 「仮面舞踏会」
 ヴェルディ 「エルナーニ」

   ペーター・ゾンマー指揮 ミュンヘン放送管弦楽団 (1983年録音)

独伊たっぷり山盛りの選曲にため息が・・・・・。だって好きな曲ばっかり。
前半がドイツもの、後半がイタリアもの。
作曲年代順に並べ、イタリアものは一転時代を遡る。
モーツァルトに始まり、ヴェルディに終わる巧みな選曲に感心せざるを得ない。

選曲ばかりに感心してらんない。どの曲もシントウの歌は、生まれたばかりの新鮮さと正に適役と思わざるをえない抜群の歌唱力を示している。
テクニックが嫌味にならない清冽なモーツァルト、高音が極めて晴れやかなエリーザベト。
この有名なアリアに心から感動した。
そしてダフネの終幕部分は、オケの好演もあり泣けます。彼女のダフネ全曲が残されていないことが悔やまれる。
 プッチーニ、チレーア(この名アリアはまさに大女優の風格)、マッダレーナのアリアの劇的で感動を誘う歌唱にも脱帽。
そして端正なヴェルディはキリリと引き締まった歌声が正統派を思わせる。

ともかくシントウの素晴らしさが味わえる1枚。
一時代を築いた名ソプラノに乾杯(ただいま泡盛中につき・・・・・)。
             

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コメント

yokochanさま こんばんは

アンナ・トモワ・シントウさんは、スィトナー指揮のシュターツカペレ・ベルリンの引っ越し公演で、モツアルトを聴きました。まだ売り出し中の頃で、若かったですよ。
大きな女性で、180センチくらいあったような、握手をしてもらったのが思い出です。
ドンナ・アンナ、伯爵夫人、良かったです。

このCDは、聴いたことがないのですが~
思い出話を一つ~

ミ(`w´彡)

投稿: rudolf2006 | 2007年9月28日 (金) 16時44分

やはりアリア集は聞いていませんけど、映像も録音もたくさんあるので、いろいろと視聴しています。年配オペラ歌手ばかり出演のガラ・コンサートで拝見、拝聴しました。素敵な奥様風でした。

ペーター・ホフマンとの共演もありますが、正規録音がないのが残念です。

こちらもTBしますので、よろしくお願いします。

投稿: edc | 2007年9月28日 (金) 19時44分

rudolfさん、こんにちは。
わたしは、シントウの生体験はないんです。
スウィトナーのモーツァルトとともに、うらやましいですね。そして結構大きな方だったんですね。
テレビでドンジョヴァンニやってました。
いまCDで聴いても素敵な歌手に思います。
それにしても、うらやましい体験です!!

投稿: yokochan | 2007年9月29日 (土) 00時57分

euridiceさん、こんにちは。
シントウが奥様風、まさに見た目がね・・・・。
声にも落ち着きがありますからよけいですね。
このCDは、かなり気にいってます。
いい曲ばかり、素晴らしい声で歌いまくってます。
カラヤンのローエングリンは、ぎくしゃくしてたコロとではなく、ホフマンと録音してほしかったですねえ。

投稿: yokochan | 2007年9月29日 (土) 01時09分

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» アンナ・トモワ=シントウ [雑記帳]
アンナ・トモワ・シントウ(1941.09.22-  ブルガリア)は、2003年上野のガラ・コンサートに出演していました。いくつかの映像で見たままの感じでした。 ペーター・ホフマンとはローエングリン、エルザ役で何度か共演。1981年スカラ座シーズン開幕公演、アバド指揮、ストレーレル演出の後半の日程、1984年ザルツブルク復活祭音楽祭、カラヤン指揮の公演などです。後者はラジオ放送があったようですが、録音、映像など残ってないのが残念です。 1984年2月10日は、ベルリン・ドイツ・オペラでの、ジ... [続きを読む]

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