尾高忠明指揮 「イギリスからの捧げもの」
サントリーホールの午後のコンサート。
金曜の昼12時から、約70分。
こんなコンサートにやってこれる方は、ご夫人方や仕事も勇退された自適の方、学生、そして仕事をサボった仕事人くらいなもの。
当然ワタシは、最後のくちで、言い訳もすべて用意して万全の体制で挑むつもりが・・・・。
やはり昼の1時間というものは、なかなかに自由にならないもの。
9月の月末というのも、通常月と違うし、朝からばたばたと飛び回りながら、直前に滑り込むのがやっと。
結局、あとも詰まっていて、昼食も抜きの1日になってしまった。
ウォルトン:戴冠式行進曲「王冠」
ディーリアス:楽園への道
ビートルズ 「アンド・アイ・ラブ・ハー」、「ヘイ・ジュード」
「ジェームズ・ボンドのテーマ」
ブリテン:「ピーターグライムズ」 4つの海の間奏曲から「夜明け」、「あらし」
エルガー:愛のあいさつ
エルガー:行進曲『威風堂々』第1番
ロンドンデリーの歌・・・・アンコール
有名曲の中にも、私の超好きな作品が。
ディーリアスとブリテン狙い。
曲の合間に、尾高さんのお話がはいる。
イギリスのことを中心に、先輩の故岩城氏のことなど、ユーモアたっぷりにジョークもまじえながら。
指揮者は、お話の上手な人が多いが、尾高さんもその一人。
誠実でいて、丁寧かつセンスあふれる話は、その指揮する音楽と同じエッセンスに満ちている。
わたしには、やはりディーリアスがよかった。
これまで、何十種類も聴いてきたが、尾高さんの演奏は一番テンポがゆったりで、ほんとうに心を込めた美しい出来栄えだった。
新日フィルのスリムな響きもプラスに作用していたように思う。
尾高さんいわく、「いつもこの曲を指揮する時は涙が出てしまうんです。」
ワタクシも、この曲を聴く時は、涙でうるうるしてしまうんです。
ブリテンも抜粋が残念だったが、荒れる海の描写は見事なものだった。
ほかの定番名曲も、心から楽しむことが出来た。
ほぼ6割の入りの聴衆もおそらく同じ思いだったろう。
「イギリスは日本と同じ島国。イギリスに学んだことも沢山ある日本。どこか似ています。そして、まだまだいい音楽がたくさんありますので、皆様も是非イギリスの音楽を楽しんでください」・・・・と尾高さん。
うんうん、そうだそうだ、とワタクシ。
午後1時10過ぎにお開きになり、異常に暑かった外へ出て、携帯の電源を入れると、いきなり現実に引き戻される。
夜のコンサートなら、余韻はたっぷりと味わえるが、白昼コンサートでは、そうはいかない。
シクシク・・・・・。
はやく、自適で余裕のある人生をむかえたいなぁ。
そういえば、サントリーホールは、リニューアルして2回目。
前回はプレヴィンに酔いしれて気付かず、今回は尾高さんに教えられてなるほど。
見た目は何にもかわらないが、バリアフリー化のほか、内壁を張り替えたりしたらしく、確かに響きが良くなったような気が・・・・・。あてにならない、私の耳です。
明日は、京都でエルガー大会だ。超楽しみ。
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コメント
こんにちは。会社休んで行こうかなあとも思いましたが、結局行きませんでした。なんかオイシイとこついてますね、この選曲。何曲か加えて夜やってほしいもんです。
投稿: naoping | 2007年9月30日 (日) 12時39分
naopingさん、こんにちは。ほんと、おいしいアラカルトのようなコンサート。昼抜きだったけど、ほどよいランチのようでした。
RVWがなかったので、夜の部をやって欲しいですね。
今、京都におります。
先ほど、大友さんのエルガーに涙したところです。
カフェ・エルガー店主さまもお見かけしましたよ。
投稿: yokochan | 2007年9月30日 (日) 17時40分