無謀な連続コンサートを回顧する
先週の金曜日から4日連続、1日置いて1演目。ということで、5つのコンサート・オペラを連日聴き、観劇したわけ。
こんな経験はこれまで初めて。
何故こんな暴挙を企てたかというと、理由は偶然。
好きな演目を拾っていったらこうなったし、同好のよしみで期せずして、ということもあった。
今回の作曲家を列挙すると・・・、好きな作曲家ばかりが並んだ。
モーツァルト、シューベルト、ワーグナー、ブルックナー、R・シュトラウス、シェーンベルク、ということになる。独襖系ばかりの曲目ばかり。
①シュナイト/神奈川フィル・・・・完結感あふれる最長未完成に、シュトラスの絶美の世界。松田嬢の日本人離れした歌唱も素適だった。
曲終了後の静寂も音楽と一体に。
②上岡/ヴッパータール響・・・・生気あふれる弾き語りモーツァルト。これまた最長のブルックナーは、上岡流清冽・敏感・清新なる演奏に驚嘆。
ここでも、演奏終了後の間が嬉しかった。アンコールのローエングリンもいい選定。
③新国/タンホイザー・・・・・・・・華やかなオープニング演目、普遍的な内容に納得。
日本のプロダクションも捨てたもんじゃない。会場で見かけた若杉監督の満足そうな姿。
レパートリーとして定着化して欲しい演目。ベルリンのトリスタンと同時期にあたり、東京はワーグナーの街となった。
④ベルリン/モーゼとアロン・・・難解な作品にも限らず、満員の文化会館。著名人多数。こういう作品がわれわれも普通に楽しめるようになった。演出優位の時代のなせるワザ。でもバレンボイムの強力な統率力あっての演目。
⑤ベルリン/トリスタンとイゾルデ・・・・けた違いの音楽の力!そして稀に見る圧倒的な演奏。クプファーの予想を裏切るくらいのシンプルな演出。私ごとき凡人には理解できぬ舞台装置。ここでもトリスタン演奏の達人バレンボイムの超強靭な指揮が。
マイヤー、パペ、トレケルにブラボーを浴びせた私、でもあの拍手はBoo!
①~④まで、奇跡的にも音楽が終わって充分な間があって、感動の余韻を楽しめた。
こんなことってあり?素晴らしいことだと思う。
なにも、感動をすぐに表出するのが悪いと言っているわけじゃないけれど、少なくとも指揮者が手を降ろすまでは、静かに聴き取るのが聴き手のマナーというもの。
ワーグナーは、静かな終結が以外と多いので、舞台に出向く時は最後が不安になる。
トリスタン、ワルキューレ、神々の黄昏、パルシファルである。いやはや。
昔の舞台写真をこっそり、堂々とご紹介。
1970年の万博、ベルリンドイツオペラ公演の「モーゼとアロン」
この時の演目がすごい。コシ、魔弾の射手、ローエングリン、ファルスタッフ、モーゼ、ルル、といういぶし銀の6演目。
マゼール、ヨッフム、ホルライザー、マデルナの指揮者陣。
テレビで、ローエングリンを観た記憶がうっすらと。
バイロイトのヴィーラント演出による、「タンホイザー」と「トリスタン」
抽象的な動きの少ない新バイロイトの象徴演出。今とはまったく逆。
両曲ともに、ヴィントガッセンが大活躍。
サヴァリッシュとベームのライブ盤は今でもすばらしい。
トリスタンは歴代、名指揮者たちが名を連ねた。カラヤン、ヨッフム、サヴァリッシュ、ベーム、K・クライバー、シュタイン、バレンボイム。そこに大植英次は登場したが、今ではシュナイダーの無難な指揮にとってかわった。
一番多く振ったのが、ベームとバレンボイム。年季も充分なバレンボイムのトリスタンなのだ。
コンサートは、しばらくは散発。11月中旬には、ドレスデンとヤンソンス、N・デッセイが入り怒涛のコンサート通いが予定されている。ああ、もうすごいの来ないで、財布が・・・・。
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