ベートーヴェン 交響曲第9番 シノーポリ指揮
秋は芋。それも「焼きいも」だねぇ。
イオンで見つけた「安納芋」、太ったのが2~3個で、298円は安い。即購入して、本日焼いてみた。
うほほっ~っ♪
この色、そして濃厚でネットリした食感と甘味。
まるで、スイートポテトやん♪
正直ウマイ、うますぎ。
芋焼酎にもあう。
種子島原産の安納芋は、このところ大注目で、馴染みの薩摩料理の店で、天ぷらにしてもらったら、異常においしくて忘れられなかった。
それを、スーパーで売ってしまうなんて、イオンの仕入れ力、恐るべし。
芋とは関係なく、今日は第9でござる。
それも、亡きドクター・シノーポリの指揮で。
第9も、ルーティン化してしまい合唱が入ってくるとかえってシラケてしまう。
あんまり大衆化しても、いざ聴くと拍子抜けしてしまうもの。天下の名曲もそうした試練があるから大変なのだ。
でも何だかんだで、聞き出せば、さすがにベートーヴェン。実にいい音楽なんだ。
第1楽章など、ワーグナーの先触れのように感じるし、第3楽章などはマーラーの緩徐楽章のように聴くこともできるんだ。
そして問題の第4楽章は、オペラとして聞けば何のことはない。
そんな風に思いながら聴けるのが、シノーポリとドレスデンのライブ録音である。
これがユニークな第9なんだ。
69分ながら、ゆったりとした部分が多く感じる。そうかなり克明に楽器を鳴らしているんだ。1楽章から、暗雲が立ち込め、弦の刻みも克明を極め深刻である。ドレスデンの縦にピシっと決まった明確なアンサンブルもシノーポリ路線をしつかりと受け止めている。
2楽章のイキイキとしたリズムは独特だが、圧巻は3楽章の横に横に広がる抒情の波。
こんなに伸びやかな3楽章は聴いていて快感を呼ぶ。どこまでも透明で美しく、オペラアリアでも聴くかのようだった。
そして、オペラティックな終楽章は、独唱も合唱もシノーポリのもとに一語一語極めて明確な発声で、押し出しが強く感じる。リアルな録音のせいもあるかもしれないが、歌の苦手な聴き手にはちょっとつらいかもしれない。
唯一残したシノーポリのベートーヴェンの交響曲。何故第9だったのか、聴いてよくわかった。ワーグナーとマーラーの原点を見てとったのではないか、というのが稚拙ながらの思いである。
S:ソルヴェーグ・クリンゲルボーン Ms:フェリシティ・パーマー
T:トマス・モーザー Bs:アラン・タイトス
ジョゼッペ・シノーポリ指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団/合唱団
(1996.3ライブ録音)
11月に来日する、ドレスデンがハイティンクをつなぎとして、イタリアのF・ルイージを音楽監督に迎えたことが興味深い。
このオケはまだ1度しか、生で聴いてないが、音がデカイ。
それでいて深くて、コクのある音色がする。
明晰な音楽造りをするイタリア系指揮者が好まれるのは、どういう具合なのだろう。
シノーポリの残されたCDと、来月の実演で確かめてみたい。
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