チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 アルゲリッチ
これが行列で有名な「クリスピー・ドーナッツ」
年末、年賀代わりにと思って早朝より並ぶこと1時間。
ついにゲットした。
新宿の1号店の行列は、いつも横目でみるだけだった。
有楽町の「イトシア」に入店した2号店は、通勤の途上でもあるし、地下なので寒空に並ぶこともない。
混雑時は2時間待ちはザラ。
なんでこんなに並ぶのか。
並ぶ間に、アツアツを試食して納得。ともかく甘い!そして食感が優しく、口の中で溶けてしまうくらい。
このベタベタの甘さは、時代に逆らうようだが、食感の新感覚は他にはないもの。
確かにおいしい。この甘さに裏付けられた食感は、快感なれど、アメリカ産とはいえ、これに酔うようにして群がる我々の食文化は大丈夫なのだろうか。はてさて?
今日は、昨晩が、どシブだったので、名曲を。
誰もが聴くチャイコフスキーのピアノ協奏曲を。
一見甘いけれど、なかなかにビターな音楽。
「チャイコのピアコン」とかよく言ってたっけ。
私のこの曲との出会いは、大阪万博の年にパリ管弦楽団がやってきた時のテレビ放送。
ピアノがワイセンベルク、指揮は、話題のプレートルだった。
ワイセンベルクのもの凄い技巧にびっくり。
ついで会員になった会員制レコード頒布組織の「コンサートホール」で購入した、ニキタ・マガロフとウィレム・ヴァン・オッテルローの演奏のレコード。
このレコードこそ擦り切れるほど聴いた。
スコアまで購入して、冒頭部分の和音を弾けるようにまで研究したもんだ。
こうした名曲には、皆さんこんな思い出がたくさんあるのでは。
その後たくさん聴いた演奏で、思い出の一端をしっかり担っているのが、アルゲリッチの演奏。1970年の録音で、国内では71年に発売された。
その広告を画像に載せてみた。
当時茶髪など想像もつかなかった日本で、アルゼンチン系の彼女の長い黒髪が、親しみと憧れの女性の対象となった。シンジランナイでしょ。
共演は、まだ無名に近かったデュトワ指揮するロイヤル・フィルハーモニー。
この頃、二人は夫婦だったはず。
アルゲリッチは、離婚後何人かのピアニストと浮名を流したし、デュトワも、チョン・キョン・ファと結婚したりして、お盛んだった。やるもんだねぇ。
数年前、有楽町のビックカメラで、買い物をする、デュトワと諏訪内晶子を、伸ばせば手の届く(?)距離で遭遇した・・・・。デュトワは、フィラデルフィアに次いで、ロイヤル・フィルの主席指揮者になる。
アルゲリッチというと、奔放なイメージが強いが、このデュトワとの1度目の録音では、かなり落ち着いて堂々とした、かつしっとりとした演奏となっている。
そして技巧の冴えが抜群なので、硬軟とりまぜて表現の幅が、実に広い。
デュトワの壮麗かつ伸び伸びしたバックもさわやかですらあって、実によろしい。
29歳のアルゲリッチの素適な録音。
コンドラシンとのライブを経て、デュトワから24年後、1994年に朋友アバドとベルリン・フィルとのライブ録音を残した。
こちらは、驚くほどの熱気と自在さに満ちた演奏で、どちらが後年の演奏か区別がつかない。おまけにライブの人でもあるアバドのやぶれかぶれの指揮ぶりもすごい。
アバドはそれ以前の録音であるポゴレリチ盤では、もっと堂々と落ちついていた。
旧盤が35分22秒に対し、新盤が32分00秒。
アバド盤も素晴らしいが、落ち着いて聴けるのは、デュトワ盤の方。
リヒテル&カラヤン&ウィーン響とともに、私のお気に入り。
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コメント
こんにちは。
噂のクリスピー・ドーナツお買いになられたのですね。
私はさほど甘党でないので「行列のできるドーナツ屋」は右から左へ受け流す派ですが興味はあります。昨年12月に新宿店で雨中、長い行列を見ました。先日バーゲンに行った銀座プランタン地下でも別のドーナツ屋の長い行列を見ました・・・平日なのに。この惑星の人は何故中央に穴の開いた甘い食べ物に群がるのだろう・・・(宇宙人ジョーンズ)。
投稿: naoping | 2008年1月12日 (土) 09時31分
naopingさん、こんにちは。
昨年、春過ぎから新宿で大きな箱をいくつも持ち歩く人を見てました。それが何かがわかったのは、つい最近。
新宿のあの行列には、参加するつもりはまったくなかったです。
でも、有楽町の地下なら並んでも寒くない。
チャラ、チャチャ、チャラッチャ~とばかりに、並びましたよ。
でも、この惑星のドーナッツというものはウマイ。
ちょっとクセになる甘さでしたよ。
投稿: yokochan | 2008年1月12日 (土) 20時00分
こんばんわ(^^)。
クリスピードーナツ、友人がハマってましたけど、
自分には関心の外でした。酒飲みゆえ(?!)。
チャイコP1、ワタシの愛聴盤は
アルゲリッチ+コンドラシンでございます。
夫デュトワと演っておられたとは知りませんでした。
ポゴレリチ+アバド盤も好きです。
アルゲリッチ+アバドは気になりながらも
まだ聴いてませんでした。
やぶれかぶれですか。。。(^^;。
とても面白そうなので近々聴きまーす。
>有楽町ビックカメラで買い物をする、デュトワと諏訪内晶子
ええっ?まさか?!(爆)
投稿: 左党 | 2008年1月12日 (土) 23時13分
左党さん、こんばんは、
私も酒飲みではありますが、時に両党使いとなります。
気をつけなくてはいけませぬ。
アバドとの共演は、コンドラシンのスピーディなライブ感に近いものです。デュトワ盤が毛色の異なる1枚なのです。
ビッカメラの二人は、そういう仲じゃないと思いますが、噂もありましたよ・・・・。
投稿: yokochan | 2008年1月13日 (日) 00時08分
こんにちは。
この曲といえばクライヴァーンの演奏を一番聴きました。
中三の頃、新宿のトガワという中古店で皇帝との2枚を2000円くらいで買ってきてさんざん聴きました。
アルゲリッチですが、手元にエア・チェックした同じコンビによる演奏があります。ケースには1994年12月8日 フィルハーモニーホールと書き込んだメモがあります。CDと同じ演奏なのでしょうか?
投稿: 天ぬき | 2008年1月13日 (日) 10時57分
天ぬきさま、こんにちは。
クライヴァーンは懐かしいですね。
私も中学生時代、何度も擦り切れるほど聴きました。
今回のこの演奏は、1970年、DGへの正規録音です。
お持ちの演奏は、90年代、アルゲリッチとデュトワが関係を修復していくつか録音も残していますので、その時のライブではないかと存じます。オケは、フランス国立管かモントリオールではないかと・・・・。
投稿: yokochan | 2008年1月13日 (日) 21時03分
今日は。過去ログにばかり書き込みしておりますが、パトリシア様に関する最新の文章も毎日楽しく読ませてもらっております。アバドがぺルゴレージを得意としていることは大昔から知っていましたが、ピリオド奏法を使ったオケも振れる人だったのですね!何処まですごい指揮者なんだと改めて思い知ってしまいました。
私が始めて聴いたチャイコの第一協奏曲はアシュケナージ&コンスタンチン・イワノフの演奏だったと思います。中学一年生でまだクラヲタになったばかりのころのことです。チャイコとアシュケはその頃から好きです。アシュケ盤と同じくらい思い出があるのが件のアルゲリッチ&デュトワの演奏ですね。高校時代、私は不登校児の自立支援施設にいたことがありますが、そのころ散々聞いたのがこのアルゲリッチ&デュトワの演奏でした。
今は大学時代に購入したCDで聴いています。アシュケナージは男性なのにいい意味で女性的な演奏を、アルゲリッチは女性なのに男性的でパワフルな演奏をする人ですね。アバドと共演したアルゲリッチ新盤は未聴ですが、いずれ聴いてみたいものです。
実は今日少しいいことをしてきました。件の自立支援施設には文学好きな子も少なからずいます。そういう子達に喜んで欲しくて深夜早朝勤務を終えてから、岩波文庫や新潮文庫や角川文庫や創元推理文庫の世界文学の名作を件の施設に寄付してきました。施設長夫妻も大の文学好きですし。普段の私は人を傷つけたり酷いことばかりしておりますのでたまには良いこともしておかないと地獄に落ちるのではないかと怖くなったのです(笑)。
投稿: 越後のオックス | 2009年11月 5日 (木) 13時01分
越後のオックスさん、こんばんは。
3つあるアバドのペルゴレージ、それぞれ全く異なるところがすごい。アバドは進化し続けてます。
ライブで燃えるアバドですから、アルゲリッチとのチャイコは熱いです。
アシュケはピアノを弾くときは繊細ですね。
アルゲリッチの奔放さとの対比が面白いです。
施設への本の寄贈、良いお話じゃありませんか。
文学や音楽は人の心を包み込む力を持ってますしね。
投稿: yokochan | 2009年11月 5日 (木) 20時01分